goo blog サービス終了のお知らせ 

リートリンの覚書

弥生時代 8 弥生時代の集落の特徴


弥生時代の集落の特徴


弥生時代の社会を語るうえで
欠かせない大きな特徴の一つに、
「環濠集落(かんごうしゅうらく)」
があります。

環濠集落とは
周りを濠(ほり)で囲まれた
集落のことをいいます。

弥生時代につくられ、
九州地方から北陸・関東地方まで
広く分布しています。

これは水田稲作と共に
大陸から持ち込まれた集落の在り方で、

外敵や害獣、
ときには洪水などの自然災害から
集落を守るために、

さらにはムラの集団意識を高めるために
周囲に濠を巡らせました。

集落によっては、
何重もの堀を巡らす環濠集落もありました。

その内部には
集落の人々が暮らす住居はもちろんのこと、
米を保存しておく
高床倉庫などもありました。

環濠集落の「かんごう」には、
「環濠」と「環壕」
の2つの表記があります。

厳密に言うと、
「濠」と書く場合は、
深く掘り下げた堀に水を巡らせた状況をいい、

「壕」と書く場合には、
水を入れない空堀を言います。

環濠の場合、
自然の河道と繋がっていることも多く、
洪水対策や用水路の機能も
兼ね備えていたようです。

佐賀県の吉野ヶ里遺跡、
奈良県の唐子(からこ)・鍵(かぎ)遺跡など
があります。


争いのはじまり


日本列島では、
弥生時代になり、
富や食料などを巡って
争いが始まったといわれています。

弥生時代には、
コメという富の発生に加えて、
土地や水を巡る争いなど、
人と争う火だねの要因が多くあり、
そこに背景がありそうです。

それを証明するように、
弥生時代のはじめ頃は
九州北部で争いの痕跡が見られ、

水田稲作の広がりと同様に、
西日本を中心に広がっていきました。


壮絶な争いの痕跡


弥生時代の遺跡からは、
数々の争いの痕跡が見つかっています。

例えば、
福岡県スダレ遺跡からは、
石剣の先端が胸椎(きょうつい)に
突き刺さった状態で亡くなった男性の
骨が出土しています。

さらに、
20本の矢を受けて亡くなったひとの骨
(岡山県清水谷遺跡)や、

石剣の切っ先が5本、
石鏃(せきぞく)が10本というように、

これでもかといわんばかりに
さまざまな武器を打ち込まれた状態で
亡くなった人の骨(京都府東土川遺跡)なども
発見されているのです。

中には首を狩られて埋葬されている人や、
鈍器のような凶器で顔を
潰されている人もいます。

時期や場所には違いはありますが、
縄文時代には見られないような
凄惨な状態で埋葬されている人骨が
見つかるのは事実です。

争いが増えていくにしたがい、
鏃の形状も変化していきました。

縄文時代や弥生時代前期の石鏃は、
大部分が2グラムまでで、
狩猟を目的としていて
それほど大きくはありません。

それが弥生時代中期以降は、
大型化、かつ重量化しています。

動物を狩るための道具が、
人を争うための武器へと
変わっていったのだと見られています。

争いの一番の理由は「水」と「土地」です。

水田稲作を生業にしていた彼らにとって、
水の確保は死活問題です。

同じように、
土地の問題も重要でした。

食料事情が良くなれば人口は増えます。
人口が増えるということは、
食料もたくさん
必要になるということですから、

それを育てるための新たな
田畑が必要になるのです。

他にも天災や凶作で食料が十分に
得られないこともあり、
それでは集落の人々が飢えさてしまいます。

こうした食料確保にまつわる
様々な要因が、
周辺の集落との間に軋轢を生み、
争いを生み出したと考えられます。


支配する者、される者の発生


弥生時代の特徴のひとつに、
支配するものと支配されるものが
生まれた時代ということが挙げられます。

すなわち、
上下関係のはじまりです。


感想

争い。
嫌〜なことが始まったものです。

縄文時代には
ごくたまに、
殺害された遺体が見つかっていますが、

集団で争った痕跡はありません。

それが、
弥生時代に入ると
集団で争った痕跡が現れます。

食が豊かになった事は喜ばしい事ですが、
争いが始まったのは、
残念極まりない。

環濠集落も
自然災害を防ぐために役立っていますが、
他者の侵害を防ぐため、
これはまた…

争いが起こると、
上下関係が発生。

それは、
今も続いている。

リーダーは必要あるかもしれませんが
リーダーの下は皆平等でいい。

とにかく、
仲良く分け合える
世の中になれたらいいですね。

さて、今日はこの辺。
明日も弥生時代シリーズ続きます。

最後まで読んで頂き
ありがとうございました。

(参考)
・知られざる弥生ライフ 著者 譽田亜紀子
監修 大阪府立弥生文化博物館

・中学生の歴史 帝国書院

・中学 諸説用語&資料集 社会 受験研究者

・日本史B

・日本国紀 百田尚樹 幻冬舎

ランキングに参加中。クリックして応援お願いします!

最近の「歴史・弥生時代」カテゴリーもっと見る

最近の記事
バックナンバー
人気記事