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リートリンの覚書

名所江戸百景を訪ねて 第57景「堀切の花菖蒲」


名所江戸百景を訪ねて


名所江戸百景を訪ねて
第57景「堀切の花菖蒲」


この作品は、前景に19世紀に開発されたと思われる花菖蒲が丹念に描かれ、水辺を挟み中景では江戸からやってきた観光客が描かれています。

そして遠景には松が描かれています。


堀切の菖蒲


江戸時代、堀切の地に観光名所として花菖蒲園が誕生し、以来、この地域にいくつかの花菖蒲園が栄えました。

堀切の菖蒲の始まりには2説あります。

・室町時代、堀切村の地頭・久保寺胤夫が家臣の宮田将監に命じ、陸奥国郡山の安積沼から花菖蒲を取り寄せて栽培を始めた。

・江戸時代、百姓の小高伊左衛門が趣味で各地の花菖蒲を集めて庭で栽培したのが始まり。

以上の2つの説です。

現在の堀切菖蒲園 
 

現在の堀切菖蒲園は、戦後唯一復興を果たした「堀切園」の一部が母体となっています。

1959年、堀切園を東京都が購入し、東京都立堀切菖蒲園として公開し、1975年、葛飾区に移管され、現在に至ります。

葛飾区所管の公園(植物園)で、貴重な江戸系花菖蒲を中心に200種6000株の花菖蒲が植えられています。



描かれた場所は
現在どのようになっているのでしょうか?
訪ねてみました。



 
東京都葛飾区堀切2丁目19-1にある堀切菖蒲園で撮影してみました。



最後に

残念ながら撮影した写真に同じような構図の物がありませんでした。上部の写真は比較的広重の作品に近いものを選びました。

広重の作品では中継に菖蒲が植えられた湿地帯が後方に広がっています。かなりの広範囲ですね。

現在の菖蒲園の規模でも圧巻でしたが、江戸時代の菖蒲園を想像しますと、辺り一面花菖蒲…それはもう別世界のようだったのではないでしょうか。

江戸時代の人々が愛した、花菖蒲。現在でも見られるのは、これ伝統を残そうと頑張っていらっしゃる方々のお陰です。ありがたいことです。感謝です。









参考
Wikipedia
太陽の地図帖 広重「名所江戸百景」の旅

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