くるみさんが無事中国から帰っていらした。お帰りなさい。
と思ったら、昨日の深夜はDJかあ。クーラ・シェイカーは私もハマッた。
彼女はファイン・アート(特に美術方面)への目配りもされていて、美術館へもしばしば訪れている。正直私には趣味が高級すぎて、ついて行けないところもあるけれど。
くるみさんがキュレーターだったら格好いいだろうな。
さて、表題はロシアのアニメ監督。彼女の日記で興味が湧いたので購入してみた。
(すぐにでも観たかったのだけれどカルチャー関係の買い物は月1万円と決めていて、
他にもいろいろ欲しいものがあり過ぎるのだ)
作品は最も長いもので30分足らず。大半が10分程度。全部足しても100分くらい。
宮崎駿さんの何分の一だろう。もちろんマーケットと格闘している宮崎さんとは比較は出来ないけれど。
やはり1979年の代表作「話の話」が最も完成度が高い。
ストーリーはなく、灰色オオカミの子供と人間の赤ん坊、水辺で暮らす家族、雪の中リンゴを齧る男の子とその両親(?)のシークエンスが輪舞のように現れる。
ノルシュテインはCGを否定しているので全て手作り。アニメ手法は奥さんが描く絵画(という他ない)を使用したもので、時折実写が組み合わされる。
夢を見ているようなイメージの繋がり。といってシュールというのでもなく不気味さも温かみもある不思議な空間。何というか「知が勝っていない」のだ。
彼は1980年から今に至るまで、ゴーゴリの小説を基にした「外套」を作り続けている。
「プロとしてもっと簡単に作品を売ることは出来ます。…しかし私にはこの作品がどうなっていくのかを見届ける好奇心の方が優っているのです。」
テレビのインタビューで語る表情には何の気負いも衒いもなく静かだった。
どんな事でもいいから、自分が何をする為に生れてきたのかが分った時、人生は意味を持つのかなあ。
最後にくるみさんの日記を紹介する。彼女の日記には時折こうした真摯なことばがあって胸を衝かれる。
日付は今年の5月14日。タイトルは「わわわわわぁぁぁ」
>NHKでユーリ・ノルシュテインのドキュメント番組やってる!制作中のアニメーション、「外套」もちょっと流れてたし、イッセー尾形さんも出演してるよ!
>そんでもってノルシュテインさんが凄く大事な事を若い人に教えてる。
>物語を作るのに、何が大事なのかってな事などを。
>自分達の世界を作るには勉強し尽くさなきゃならん、それこそ図書館を舐め尽くすくらいの。…とノルシュテインさんが云う。
>それは私がしなきゃなんない事でも有ります。
ユーリー・ノルシュテインについてはこちら