
昨年の11月に、一部劇場のみで公開された、「仮面ライダー」のリメイク作品「THE FIRST」。
本来ならば、劇場で見たかったところでしたが、あいにく行き付けの映画館では上映されず、九ヶ月経った今、ようやくDVDレンタルにより見ることが出来ました。
本当今更なので、簡単に感想。
■初めに。
私を知る方ならば、私が「仮面ライダー」を好きなのはご存知のことと思います。
実を言うところの、私は俗に言う「昭和ライダー」を一作品も見たことがなかったりします。
元々は日曜八時の「燃えろ!ロボコン」を見ており、その後番組として始まった「仮面ライダークウガ」が、私の初仮面ライダー作品で、そこからハマリ出しました。
そんなこともあり、昭和の仮面ライダーというのにあまり関心がなかった私でしたが、リメイクされると知り、「コレは見ねば!」と思ったわけですね。
「仮面ライダー(一号)」に対して、深い知識を持っていないので、以下の感想は、昭和に詳しい方から見ると、余りにも下位なものかもしれませんが、御了承の程、よろしくお願いします。
■感想
高級車に乗った国会議員とその秘書が「ショッカーの改造人間」に殺されるというシーンから物語が始まります。
急停止する車・車を覆う敵の攻撃・殺される人。その辺の造りから、終盤にかけては、本当に現在の仮面ライダーに似た雰囲気を醸し出していました。
なお、このとき殺された秘書は、実は「仮面ライダーカブト」で、怪しげ且つ面白い独特な雰囲気を出す「加賀美陸」役の「本田博太郎」氏だったりします。
劇中に登場する「ショッカーの改造人間」役に、津田寛治氏(バット)や板尾創路氏(スパイダー)がいる訳ですが、彼等二人の演技力が本当に魅力的でした。
津田さんの方は、序盤で「本郷猛を拉致する存在」として登場するのですが、真夜中のトンネルの中で、突如本郷猛の前に姿を表し、部下である「ショッカー戦闘員」と共に、盛大に拍手をする様は、現実で起こったら、恐怖するほどの熱演でした(笑)
また、板尾さんの演じた「スパイダー」は、タクシーの運転手として描かれ、マナーの悪いお客を殺害する訳ですが、その描き方が「現実にいそうなくらいリアルな描き方」でした。
このお二人は、収録されていた「ボーナストラック」にて、「改造人間は変身前の演技で不気味さを描かなければならなかった」と言われており、津田さん&板尾さんを起用した方は素晴らしいと思いましたね。
劇中で度々登場していた、病気の青年の話に関して綴ると、私は始め「何でこんな関係ない話が入っているんだ?」と本気で悩みました。
それどころか「こんな話いらないから、本郷とショッカーの戦いを描いてくれ!」とまで思っていました。
が、終盤でそれらの「関係のないような話」が、一つに繋がった時は、本当「まいった」って感じでした(笑)
ボーナストラックの方で、そのことに関して「ヒントは隠してあるが、あえて大きくは映さない方法を選んだ」と聞き、驚かされましたね。
「仮面ライダー」側に関しては、本家を見たことがないため、比較はしません。
あえて言わせて貰うと「黄川田さん&高野さんペアは最高だった」と思いました。
「改造人間であるがための苦悩」という点も見事に描けていましたし、生身でのアクションシーンも決まっていました。
アクションシーン繋がりで綴りますと、序盤の「ホッパー(仮面ライダーFIRST)出撃→ビルへ侵入→スイッチを破壊し、ビルから脱出→着地」の一連のシーン。
ホッパーの着地時に、反動で飛びはね、二度目の着地時に破損したビルのガラス破片が落ちてくると言うのは、最高の演出だったと感じました。
他にも、木から木へ実際の蜘蛛のように糸を使い飛び回るスパイダー(改造人間)や、ダブルライダーキックは、CGでは表せない独特の風味があり、かなり好きになりました(劇中のアクションシーンのほとんどは、ワイヤーアクション)。
また、ホッパー起動時の目が光る演出や、今作の目玉とも言える「死神博士再来(詳しくは知りませんが…)」は中々によかったと思います。
■まとめ
以上に綴ったように、私の中では、アクション・演出・役者の起用において、本当にいい映画だったと思います。
「仮面ライダー(一号)」を知らない方でも、普通に楽しめる映画ではないでしょうか?
因みに、「感想」をご覧頂ければ理解いただけるかと思いますが、「脚本」に関しては、私の中ではいまいちでした。
残念だった点を二点挙げさせて頂きます。実際は三点。
一つは、本郷が「美しいもの」に執着した理由もあったらよかったかな?と思います。
劇中では「美しいもの=水=命」と繋げ、本郷自身が「水」というものを研究すると言うのはよかったと思います。
が、やはり「美しいもの」への想いが描いて欲しかったですね。
二つ目は、一文字隼人が「ショッカーと戦う理由」をもう少し掘り下げてもよかったかな?と思います。
明確には明かされていないので、ハッキリしたことはわかりませんが、序盤で殺害された「克彦」と、仮面ライダー二号である「一文字」は全くの別人のはず。
にも関わらず、克彦の婚約者である「あすか」に、あそこまで執着した理由も曖昧だったように感じました。
また、仮に「克彦を改造したのが一文字」だったとするならば、終盤で本郷に譲る考えに至った点を掘り下げて欲しかったです。
どうでもいいことかもしれませんが、三つ目として「緑川あすか」の「心変わり」が許せなかったです。
「克彦」→「隼人」→「猛」と二時間映画の中で、コレだけ乗り換えた点は、どうしても解せませんでした。
きっと、大人の世界ならアリなのでしょうが、ココは一番改善すべきだったかな?と思いますよ(汗)
■ボーナストラック
「ボーナストラック」と言っていいのかわかりませんが、この「THE FIRST」を「CAPTURE SCENE」から再生すると、プロデューサーである「白倉伸一郎」氏が、監督である「長石多可男」氏と共に、映像の所々で解説を加えてくれます。
内容は「至ってマニアック」。専門用語が飛び出したりし、一部わからない部分もありましたが、流石は監督とプロデューサー。と言った感じの解説が次々と繰り出されます。
私の感想の中でも幾つか言葉を借りていますが、「役者の起用に関して」や「演出で苦労した点」「現場での雰囲気」等など、ファンにとってはたまらない内容でした。
また、プロデューサーである白倉さんは、私の好きな龍騎以降のライダーにも毎回携わっていらっしゃる方だけあって、興味をそそられる解説をしてくれました。
(何より、私の中では冒頭に登場した、「本田博太郎」氏に関して、「FIRSTの出演から、カブトに繋がった」と知れただけでも、大満足でしたよ)
何はともあれ、本作を一度見たあとに見ると、中々面白い発見があったりするので、素直に嬉しい特典でした。
本来ならば、劇場で見たかったところでしたが、あいにく行き付けの映画館では上映されず、九ヶ月経った今、ようやくDVDレンタルにより見ることが出来ました。
本当今更なので、簡単に感想。
■初めに。
私を知る方ならば、私が「仮面ライダー」を好きなのはご存知のことと思います。
実を言うところの、私は俗に言う「昭和ライダー」を一作品も見たことがなかったりします。
元々は日曜八時の「燃えろ!ロボコン」を見ており、その後番組として始まった「仮面ライダークウガ」が、私の初仮面ライダー作品で、そこからハマリ出しました。
そんなこともあり、昭和の仮面ライダーというのにあまり関心がなかった私でしたが、リメイクされると知り、「コレは見ねば!」と思ったわけですね。
「仮面ライダー(一号)」に対して、深い知識を持っていないので、以下の感想は、昭和に詳しい方から見ると、余りにも下位なものかもしれませんが、御了承の程、よろしくお願いします。
■感想
高級車に乗った国会議員とその秘書が「ショッカーの改造人間」に殺されるというシーンから物語が始まります。
急停止する車・車を覆う敵の攻撃・殺される人。その辺の造りから、終盤にかけては、本当に現在の仮面ライダーに似た雰囲気を醸し出していました。
なお、このとき殺された秘書は、実は「仮面ライダーカブト」で、怪しげ且つ面白い独特な雰囲気を出す「加賀美陸」役の「本田博太郎」氏だったりします。
劇中に登場する「ショッカーの改造人間」役に、津田寛治氏(バット)や板尾創路氏(スパイダー)がいる訳ですが、彼等二人の演技力が本当に魅力的でした。
津田さんの方は、序盤で「本郷猛を拉致する存在」として登場するのですが、真夜中のトンネルの中で、突如本郷猛の前に姿を表し、部下である「ショッカー戦闘員」と共に、盛大に拍手をする様は、現実で起こったら、恐怖するほどの熱演でした(笑)
また、板尾さんの演じた「スパイダー」は、タクシーの運転手として描かれ、マナーの悪いお客を殺害する訳ですが、その描き方が「現実にいそうなくらいリアルな描き方」でした。
このお二人は、収録されていた「ボーナストラック」にて、「改造人間は変身前の演技で不気味さを描かなければならなかった」と言われており、津田さん&板尾さんを起用した方は素晴らしいと思いましたね。
劇中で度々登場していた、病気の青年の話に関して綴ると、私は始め「何でこんな関係ない話が入っているんだ?」と本気で悩みました。
それどころか「こんな話いらないから、本郷とショッカーの戦いを描いてくれ!」とまで思っていました。
が、終盤でそれらの「関係のないような話」が、一つに繋がった時は、本当「まいった」って感じでした(笑)
ボーナストラックの方で、そのことに関して「ヒントは隠してあるが、あえて大きくは映さない方法を選んだ」と聞き、驚かされましたね。
「仮面ライダー」側に関しては、本家を見たことがないため、比較はしません。
あえて言わせて貰うと「黄川田さん&高野さんペアは最高だった」と思いました。
「改造人間であるがための苦悩」という点も見事に描けていましたし、生身でのアクションシーンも決まっていました。
アクションシーン繋がりで綴りますと、序盤の「ホッパー(仮面ライダーFIRST)出撃→ビルへ侵入→スイッチを破壊し、ビルから脱出→着地」の一連のシーン。
ホッパーの着地時に、反動で飛びはね、二度目の着地時に破損したビルのガラス破片が落ちてくると言うのは、最高の演出だったと感じました。
他にも、木から木へ実際の蜘蛛のように糸を使い飛び回るスパイダー(改造人間)や、ダブルライダーキックは、CGでは表せない独特の風味があり、かなり好きになりました(劇中のアクションシーンのほとんどは、ワイヤーアクション)。
また、ホッパー起動時の目が光る演出や、今作の目玉とも言える「死神博士再来(詳しくは知りませんが…)」は中々によかったと思います。
■まとめ
以上に綴ったように、私の中では、アクション・演出・役者の起用において、本当にいい映画だったと思います。
「仮面ライダー(一号)」を知らない方でも、普通に楽しめる映画ではないでしょうか?
因みに、「感想」をご覧頂ければ理解いただけるかと思いますが、「脚本」に関しては、私の中ではいまいちでした。
残念だった点を二点挙げさせて頂きます。実際は三点。
一つは、本郷が「美しいもの」に執着した理由もあったらよかったかな?と思います。
劇中では「美しいもの=水=命」と繋げ、本郷自身が「水」というものを研究すると言うのはよかったと思います。
が、やはり「美しいもの」への想いが描いて欲しかったですね。
二つ目は、一文字隼人が「ショッカーと戦う理由」をもう少し掘り下げてもよかったかな?と思います。
明確には明かされていないので、ハッキリしたことはわかりませんが、序盤で殺害された「克彦」と、仮面ライダー二号である「一文字」は全くの別人のはず。
にも関わらず、克彦の婚約者である「あすか」に、あそこまで執着した理由も曖昧だったように感じました。
また、仮に「克彦を改造したのが一文字」だったとするならば、終盤で本郷に譲る考えに至った点を掘り下げて欲しかったです。
どうでもいいことかもしれませんが、三つ目として「緑川あすか」の「心変わり」が許せなかったです。
「克彦」→「隼人」→「猛」と二時間映画の中で、コレだけ乗り換えた点は、どうしても解せませんでした。
きっと、大人の世界ならアリなのでしょうが、ココは一番改善すべきだったかな?と思いますよ(汗)
■ボーナストラック
「ボーナストラック」と言っていいのかわかりませんが、この「THE FIRST」を「CAPTURE SCENE」から再生すると、プロデューサーである「白倉伸一郎」氏が、監督である「長石多可男」氏と共に、映像の所々で解説を加えてくれます。
内容は「至ってマニアック」。専門用語が飛び出したりし、一部わからない部分もありましたが、流石は監督とプロデューサー。と言った感じの解説が次々と繰り出されます。
私の感想の中でも幾つか言葉を借りていますが、「役者の起用に関して」や「演出で苦労した点」「現場での雰囲気」等など、ファンにとってはたまらない内容でした。
また、プロデューサーである白倉さんは、私の好きな龍騎以降のライダーにも毎回携わっていらっしゃる方だけあって、興味をそそられる解説をしてくれました。
(何より、私の中では冒頭に登場した、「本田博太郎」氏に関して、「FIRSTの出演から、カブトに繋がった」と知れただけでも、大満足でしたよ)
何はともあれ、本作を一度見たあとに見ると、中々面白い発見があったりするので、素直に嬉しい特典でした。