延び延びになっていた歯医者の定期健診を終えて、時間が間に合う!と、
来月の若丸劇団予約の時、是非是非見てほしい、とおススメされていた一見劇団(ひとみげきだん)を
見に行くことにしました。
いやあ、すごかった。めっちゃすごい劇団だった!
20170821≪一見劇団≫
於大阪浪速クラブ*関東の人気劇団見参
浪速クラブ、1400円。機械にお金入れてる間も、スタッフのお姉さんが注視してくれてて(笑)、
席の希望を聞いてくれた。ラッキー、前から2列目ゲット。開演30分前に。
(席に案内してもらったら100円座布団代を支払うシステム^^)
だから、そんなにお客さん入らないのかと思ってたら、そうじゃなかった。
始まる頃にはいっぱいのお客さん。言うの、忘れたけど劇団から、、抹茶入りのお茶(100g袋入り)もらった。
好感度アップやね、そりゃね、大阪人だもの(笑)
さてさて、本日二部構成。第一部がお芝居。
二部が魅惑のステージ(みたいなこと、言ってたような気がする。ちょっと恥ずかしい笑)
ちなみに横に座ったのが、元役者の女の子。
葵劇団の蘭くんにちびと言われる、と言ってた^^
ちょこちょこ話をした。
森の石松みたいに、関西で一番人気なのは?誰か忘れちゃいないかい?と言う前に
都若丸の名前出ました。スターの次に(笑)
「若丸さんの右に出る女形はいないわ」と彼女が言ったので、すし食いねえ、は言えないから(笑)
ビスコをあげました(なんて健康的なファン^^自画自賛)
いや、たちもやろ、と言いたかったけど、目の前でよその劇団の芝居が始まろうとしてるので、
さすがに自重しました。いや、やっぱり右にでるたちはいないけどね(笑)
お芝居、題名も忘れたけど、以下、ラフなあらすじ。
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茶店で女将(当日ゲスト。3兄弟の真ん中のひとかな?名前わからない、すみません)が妹と、
妹の許婚(いいなずけ)が来るのを待っている。
そこへ現れた許婚(古都乃竜也座長)はみかじめ料を取っくると、言い残して去る。
親分が亡くなって二代目の許婚が一家を継ぐことになっている。
そこにやってきた旅がらす(一見好太郎座長)がお茶を所望する。
女将が、その旅がらすを一目見て、昔危ない目に合っているのを助けてくれたひとだと思い出す。
妹も呼んでふたりでお礼を言い、どうかしばらく旅の疲れをいやすために泊まってほしいと頼む。
旅がらすは今は昔の私じゃない、迷惑がかかるからと固辞するが、恩返しさせてほしいという姉妹に折れる。
そこにやってきたのが悪い親分(美苑隆太:みそのりゅうた)で、ここで商売できてるのは誰のおかげか、
わかっているな、俺の後添えになれ、としつこく迫る。
女将が困っているところに許婚がやってきて助けてくれる。
女将を店の中に逃がして、親分と対峙するが、親分は、お前の父親に生前50両貸してやった、
それを返せ、と藪から棒に言う。
今すぐに返せないという許婚に面白くない親分は子分たちをけしかける。
そのなかには雇った用心棒もいた。あまり頼りになりそうもない用心棒(紅ア太郎)だったが、
こういう時のために雇っているのだから、と言われて、しぶしぶ加勢しようとする。
旅がらすが騒ぎを聞きつけて出てくる。
許婚の親は旅がらすの恩人だったので、旅がらすは50両をそっと渡し、返させる。
親分は金を手に去っていく。
が、許婚の一家の男が、許婚が二代目になることが許せず、亡き者にしようと、
悪い親分に話を持ち掛ける。
あの旅がらすは悪い代官を斬って逃れの旅に出ている、あいつは鳥目(夜、目が見えなくなる)を
患っているので、夜に襲って叩ききろう、二代目も、と。
旅がらすは知恵者の女将が灯りを消したのを幸い、灯りがないなら互角だ、と刀を構える。
誰がお前を売ったか知ってるのか、と言われ、二代目を疑いそうになる旅がらすだったが・・・。
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お芝居では好太郎座長がまず光りました。
セリフのためが絶妙なんです。ほんとにギリギリのところまでためられるので、ため息ものでした。
そして、ア太郎くんがすごい! 弱冠18歳だというのに、赤鼻メイクの用心棒なんですが、
余裕綽綽。たぶん、座長から口伝えでセリフをもらってなかったんじゃないかなあと思います。
めちゃくちゃ余裕で、面白いんです。びっくりしました!
あんなふうに芝居の一部をまかされて、動じることなく、劇場に笑いを起こす、
恐るべし18歳でした。
そして、あんなに狭い舞台なのに、総勢7,8名で、照明を落とした中での殺陣を披露。
スピード感のある殺陣で、なんであんなに狭いところでできるんだ?と不思議に思ったんですけど、
関東の劇団だから、いつも狭い舞台で慣れているんだ、きっと!と気づいたのです。
それにしてもすごかったです。
好太郎座長。
美しいのですよ、女形が。
古都乃竜也座長
当日ゲストの弟座長(よその劇団にいられるそう)
若手。
悪い親分を演じた美苑隆太さん。年かさの役者さんと思ってたらそうじゃなくて、演技のうまさに脱帽しました。
若手リーダーなのだそうです。納得。
めっちゃ面白い姉御。
お花をつけに来たおばあちゃんに、「もうちょっと待ってえな。ええとこやねん。な、踊らして」
と言いながら踊ってました。かっこいい!!
そして最年少の紅ア太郎くんのソロ舞踊。
血糊は掌にもありました。
それまでの流れを容赦なく破壊する、暗黒舞踏のような舞踊!
着物をビリビリに裂くように脱いだり、髪を噛みしめたり、
細身のからだからほとばしるエネルギーの巨大さに圧倒されました。
洋モノ、和モノとかのくくりではなくて、
創作舞踊というにふさわしい舞踊でした。
こういう踊りをするア太郎くん、表現欲がすごいと思ったし、
許す座長たちも度量が大きいと思いました!
初めて観た年かさのお客さんは大丈夫かなあって、瞬間的に心配しましたもん(笑)
3兄弟のうちの、劇団座長ふたりの口上挨拶などについては後程!
(追記)
古都乃竜也座長が主にお話しされるようです。最初の口上のとき、途中で好太郎座長にバトンタッチ、
好太郎座長が、え、俺が締めるの?って、突然の振りに軽く動揺してましたけど(笑)
竜也座長によると、関西の劇場に乗ったのは17年ぶりだそう。
関東の演劇協会に属しているので、山根さんからお声をかけてもらっても、なかなか来ることができなかった。
こんなにあったかく迎えてもらえて、もっと早く、40前の今じゃなくて、若いころに来たかったとのことでした。
大人の、というより業界の事情があるのでしょうけど、残念ですね、
名前しか知らない劇団とかありますもん、関東拠点の劇団の多くは。
ちなみに兄弟は以前は九州にいらしたようです。
関西と関東のお客さんを比べてみると、面白い場面で、関東のお客さんは口元を隠して笑うイメージ、
関西は腹を抱えて笑うイメージ(実際、おなか叩いてました。いくよくるよちゃう、ちゅうねん笑)
関西のお客さんは舞台への反応がすごく早くて、やってるこっちは手ごたえがあってやりやすいし、うれしい、と。
東京は劇場が少なくて、木馬、篠原、あらたに立川にもできたけど(あとひとつあったかも。すみません)、
あとはセンターみたいなところが多いので、関西で20いくつあるというのは、すごいなあと思いますと。
羨ましいと言われてました。
先月、八尾グランドに乗って、今月浪速クラブ。先月見に来てくれたお客さんの顔もここから見えて、
リピーターになってくださってるのがうれしい、この順番が逆で、こっちが先だったらどんなことになってたかと
思うと恐ろしいとのことでした。(ちなみに座長さんと姉御は関西弁^^)
竜也座長には10歳になる男の子がいらして、18日が休みだったので、どこに行きたい?と息子に尋ねて、
甲子園に行ったそうです。全然つながりのない青森山田の試合があるので息子が見に行きたいと。
なんでかと言うと、山田衣裳店さんというところにお世話になってるので、青森山田と聞くとそこを思い出すからと^^
で観に行ったら負けて、そしたら息子が記念ボールを買うのに星光学院がいいとのことで。
えらいドライやなあと思ったら、福島で昔お世話になってた劇場のちかくに星光学院があったそうで、
そこのボールを買おうと思ったら、山積みになってて、売り子さんが「本当にここでいいんですね」と聞いたとか(笑)
ご子息、ええお子さんやなあとしみじみ、笑いながら聞いてました。
どっかんどっかん笑いを取るのじゃなくて、でも宣伝だけではなくて、こういう日常の話を織り交ぜて、
話術にもたけた方だなあと思いました。
劇団の座員さんのなかには、言っちゃあ悪いけど、力士みたいで何言ってるのかわからない滑舌の悪い役者さんもいて、
ビジュアル的にも???な、のっぺりした若手の役者さんとか、いたり、
たちの舞踊でも口紅真っ赤の方が2,3人いらして、そうか、このひとたちは女形寄りの方なんだなあと、
わかりやすい紹介のしかた??に驚きました(笑)
で。曲は絶え間なく大音響で引き継がれるんですよ、ノンストップ。
でもその曲が最近関西の劇団ではおなじみのBIGBANGとかそういう系の同時代の曲じゃなくて、
知らない曲ばかり。唯一わかったのが、好太郎座長が女形で踊った≪命の花≫!
東京の友達は地味と、彼らのことを言ったけど、私は、古き良き大衆演劇+自由人ア太郎(笑)だと思いました。
だから、竜也座長はもっと早くに来たかったと言われたけど、今がまさにグッドタイミングなんだと思いますよ。
今年、首尾がよかったら、来年もまた同じころに来させてもらいたい、と言われてました。
私も口コミというか、予約で前後になった方から熱烈にプッシュされたので、今見とかないと、いつ見れるかなあ?
ツイッターでよく聞くお名前の劇団だからなあと、この日しかない、というタイミングで観たのですけど、
見れてよかったなあと思います。
あの劇団員の構成、ほんと、飛び道具いっぱい持ってるという感じ(笑)
もっとも、家に帰ったら、すぐに、我らが座長に早く逢いたくてたまらなくなりましたけどね。
たったひとりで劇団を蹴散らしてしまうという、我らが座長はすごいひと、とあらためて思います!!!
劇場を出ると、自由人ア太郎くんが、道路を蝶々のように飛び回っていました。
その姿は少年っぽくて、舞台での名演技、度肝を抜く舞踊とのギャップが大きくて、にやついてしまいました。
贔屓劇団とはまた違う趣の劇団ですが、遠来の劇団は応援したいなと思いました。
ただし、贔屓劇団がいないときね、そして1年に1回しか関西に来ないような劇団は。
間違いや不備がございましたら、お許しください。
ご高覧ありがとうございました。