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歩く歩く東京散歩・・≪転々≫2007-12-14

2012-11-25 | 本・映画・ドラマのレビュー&気になる作品

歩く歩く東京散歩・・
  ≪転々≫2007-12-14

オダギリジョーさんが目的で観に行ったのに、
観終ったら、
三浦友和さんにこころを鷲づかみにされていた。
いつの間にこんなにすてきな俳優さんに
なってらしたんですか。
最後は泣けるよ、≪転々≫・・・。

■あらすじ■   
藤田宣永の同名小説を原作に、三木聡が脚本を手がけたこの作品の
主人公は大学8年生の文哉(オダギリジョー)。部屋にやってきた
借金取りの福原(三浦友和)に袋叩きにされ、3日猶予をやると
言われ、借金返済を迫られるのだが、返せっこない。
そこへ福原が現れて、借金をチャラにしてやると100万円を
ちらつかせる。100万円をもらうために何をすればいいのかと
言うと、福原の東京散歩に付き合うというもの。借金返済のめどが
たたないため、断れるわけもなく、徒歩による東京散歩が始まるのだ。

結婚式でにせの夫婦を演じたことから知り合いになってしまった、
真紀子(小泉今日子)。スーパーマヨラーふふみの勘違いで
同じように夫婦を演じることになり、文哉は息子ということに
なってしまう。福原には子どもがなく、文哉は親に捨てられた子ども
だった。期せずして親を子どもを演じることになってしまった2人。
偽の家族でも、あったかくなる気持ちは本物なのだ。

物語は決して交わることのないもうひとつの物語を展開してゆく。
福原の妻の勤務先の同僚3人の日常だ。

福原がある場所を目指していることを知った文哉は、目的地が
決まっているのは散歩とは呼ばないんじゃないかと考える。
やがて目の前に、ふたりの別れ、福原のゴール地点が見えてくる・・・。
          

三木聡さんとオダギリジョーさんは時効警察のコンビである。
普通のドラマの脚本3本分はあるんじゃないの、というような
緻密な、なのに内容はユルユル系の脚本だった。
時効警察で核となっていたのは熊本課長(岩松了)と
又来(ふせえり)のふたりであるが、今回もこの作品では
重要な笑いどころを担っている。加えて!!今回は日本一の
やくざ顔?松重豊さんが絡んでしまった!この方は黙って
座っていると、とてつもない≪恐い≫オーラが炸裂している。
その松重さんが笑いに加担するのである。この3人がまるで
レッツゴー3匹なんじゃないの(年頃から行っても・ぶは)って
具合にオモシロイ。もう、隣に座ってるひとがあかの他人でも
肩をたたきたくなるくらい面白い!!
レディースディに1000円で観たのが申し訳なかったくらいだ。

でもって、冒頭に書いたように、オダギリジョーさんを観に行った
はずなのに、こころを鷲づかみにしたのは三浦友和さんなのである。
三浦さんについてはALWAYS3丁目の夕日から、その兆しはひたひたと
感ずるところがあった。そう、妻子を失った悲しみをこんなに
乾燥肌みたいな感じでさらっと、感慨深く演じられるのねこのひとは。
ってふうに感心していたのだ。だけど、今回、なんていうのだろう、
≪へんてこりん≫なひとではあるけれど、ひとの情だとかモラルだとか、
そういうのはきちんとわきまえてるんである。
そう、モラルはきちんとしてるんだな。
単なる面白い、ぶっとんだ映画でふらふら青空に飛んでゆくノリでなく、
ちゃあんと地上とつながっていうんだよな。だから、1分に1回は
笑いどころのある作品なのに、最後はきゅうんと鼻にきちゃうのだ。

オダギリジョーさんは付き合わされるんだよね。
だからほんとの主役は三浦さんじゃないの?って思ったんだけど、
やっぱ、オダジョーなんですよ。三浦さんをね、そっと
支えているんですよ、オダジョー。
辛いものだめでカレー食べたくらいで泣いちゃうへたれなんだけど。
このふたりの歩く後ろ姿が実によかったです。
歩く姿でひいてしまったら、ぜったいにだめな映画だと思う。
笑ってる場合じゃないですよ、人間の五感というものは、理屈より
もっと大切なものなのだから、三浦さんとオダギリさん、この
組み合わせがとってもよかったってことなんだろうね。

あなたが今、いやなことがあったら、迷わずに≪転々≫を観にいきなさい。
つまんなかったら、私がお金を返してあげる。
どうだ、まいったか、この自信(笑)
そいで、三浦さんやオダジョーと一緒に歩きなさい。
あなたも後ろを歩いてる気持ちになるから。
でね、幸せはどこででも見つけられそうな、
そんな気持ちになってくるんだよ。
何のとりえもなくても、明日どうしよう・・、
でも、今日、幸せになれちゃうんだよ。

映画の中で都市伝説が1個でてきた、
そのためにだけ出演してた大物俳優がいた。
実は私の好きな俳優さんだ。
それが誰だか見てほしいな。

あ、そうそう、最後にひとつ、
三浦友和さんに長髪はおそろしく似合わないよ。
でもこれ、三浦さんには内緒にしてて(笑)


追伸、usaさん、わたすも三日月しずかちゃんが
どこに出てたのかわかんなかったです。
エンドロールみてて、
≪三日月さんを見逃していたと言うのか!≫と
Lばりに椅子から落っこちるところですた・・・

≪転々≫公式HPはここから






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10 コメント

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大丈夫です! (ちか)
2007-12-14 01:05:07
三浦友和さんには、ナイショにしときます!

丁寧なレビュー、ありがとうございます。
ぜひ見に行きたいです☆好きな俳優さん、
めじろおし・・・♪

大物俳優、探しに行きます
返信する
ちかさんへ ()
2007-12-14 01:22:25
大阪でも1つの映画館なので、調べてみてくださいね。
地味な映画なのかなって思ってたら、
全くちがう、素晴らしくはしゃいだりする気分の映画でした。みんなに教えてまわりたい映画です。ぜひご覧になってください。
返信する
三浦友和といえば赤いシリーズをいまだに思い出します (usa)
2007-12-14 01:58:21
こんばんは、樹さん。
私は予告見た時にオダジョーの髪型がちょっと大きすぎるんじゃないの?と思ったのですが、映画で見たらわりと大丈夫だったのでホッとしました。でも、確かに友和さんの髪型は・・・ ご本人はたぶん気に入ってたんですよね。
三日月さんは、うとうとと意識が遠のいた時に出たのではないかと思われます。でもちょっと悔しかったので次観たら絶対見つけます!
この映画思い出したら、またカレーが食べたくなりましたよ。
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私は伊豆の踊り子です(笑) ()
2007-12-14 06:22:20
usaさん、おはようございます。
私もうとっとした瞬間がたしかにありました。
そのときですね、きっと。
カレーが食べたくなるんですか?
やっぱりチャツネを入れたんでしょうね(笑)
私はスキヤキが食べたくなりましたよ。
マヨネーズ、ためしてみたくなった(笑)
あのふふみちゃんをしてるひと、舞台挨拶でも
天然ぶり発揮してませんでした?
でもって、声が三日月さんにちょっと似てる?
って思ったんですけど(笑)
あの映画観たら、時効警察のあたらしいのが、
見たくてたまらなくなりました。
又来さん(ふせえりさん)、大好きです!



返信する
ふふみちゃん (usa)
2007-12-14 13:00:13
ええ、ふふみちゃん役の吉高由里子さん、舞台挨拶の時、ずっとゆらゆら動いてました。しゃべる時はそれに手のアクションも加わって楽しかったです。
そういえば吉高由里子さん、今度「蛇にピアス」という映画に主演されますね。ちょっとびっくりしましたが、ピッタリかもしれません。監督はなんと蜷川幸雄さんですからね。今から楽しみです。(この映画は子供は連れてけませんね(笑))
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usaさんへ ()
2007-12-14 19:58:03
そうなんだ、蜷川さんが映画やるというのは、しかも女性(笑)・・で、だれなの?って思っていたんですよ。ふふみちゃんだったんですね。蜷川さんに可愛がられるでしょう、不思議ちゃんだから。
お子さんと一緒というのはちょっときついかもしれませんね。蜷川さんがアニメとかやったらひと味ちがうでしょうね、たぶんそれでもいろっぽ過ぎると思います(笑)
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ただいま~♪ (うらら)
2007-12-15 00:43:39
樹さん、こんばんは☆
三日月さん見逃しちゃったんですね。残念。
登場したのは、ラスト近辺でした。
オダジョーと三浦さんが婦警さんの隣を通り過ぎて、
その婦警さんが振り返ると三日月さんだった、って感じだったので、
ちょっと油断すると確かに見逃しちゃうかも。
そしてあのスーパーの3人組(笑)面白すぎました。
マンションの前でエキストラにスカウトって(笑)
あの3人だったからこそ、三浦さんの奥さんの遺体は発見されず、
無事に(?)自首できたのかもしれません。
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うららさんへ ()
2007-12-15 00:50:14
おかえりなさい。まだ、お酒が残ってますね、うららさん。ねたばれしてるしーー!!
都市伝説はばらさないでね(笑)
そうか、三日月さんはラスト近くで登場なさったんですね。残念だなあ!どうも夕凪の街桜の国をみてから、麻生さんの顔見ると「幸せになってね!」と願わずにはいられないのです。麻生さんは複雑でしょうね。
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てんてん・・ (SHIMA)
2007-12-15 16:41:15
私は11月の終りに観ました。
感想はブログに書いたけど、見る人それぞれやっぱり違う感じ方をするんですよね。
それもまた面白くて色んな人のレビューを読んでしまいます。

文哉くんがカレーを食べて泣いていたのは別の意味もあって、そこから一気にラストへと走り始めるのが寂しいけど。。
相変わらず随所に小ネタが仕込まれていて、それを知ってる人は倍面白く、知らない人でも楽しめる作りになってるのはさすがです。

スーパーの3人組の日常っぽいけど実は非日常な展開と、非日常でありながらいつの間にか日常みたく思わせられる散歩する二人の姿に対比の妙を感じました。(笑)
返信する
SHIMAさんへ ()
2007-12-15 18:01:51
こんばんは。SHIMAさんの最後のコメントはさすがだなあと思いました。私は観るまでまったく作品の意図が読めなかったのですが、観てからは笑いの奥にいろいろ感じ取ってしまって、薦めてくれたここの友人に感謝したくなりました。街を焦ることなく、ただただ行きずり逢う人と話をして、またふらりと歩き出す・・そんなことからも幸せになれるんだなと文哉の姿を見てて思いました。勇気をもらえる・・ってふうな映画ではないはずなのに、やっぱり自分で歩き出す勇気を貰った気にもなりました。自分がどんなときにどんな気分で見るかによっても変わってくるでしょうね。三木さんだから笑わせてくれる・・そう高をくくってはいけないのね・・と思いました。
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