和む。
3日前、やっとシフトが決まったので、残りの座席予約をするために呉服座へ。
あの狂乱の5日(笑)とちがって、予約はスムーズ。
今まで、今忙しいだろうなあという時間をさけて電話していたのだけれど、
まったく出てもらえなかった。
実はお客さんが入場している時間帯のほうが電話は取ってもらえるみたい?
私がチケットを買って予約しようとしている間に電話が3本くらい続けてかかってきていたから。
思い込みはあかんなあと思った。お忙しいだろうから、の時間帯しか電話を取ってもらえないなら仕方ないかな、と。
予約席が無事にとれて、ほっとした幸せな日ではあった。
その日のスーパー兄弟の舞台、第一部からグランドショー(舞踊ショー)、
第二部が特別狂言とのことだった。
第二部がお芝居ってことは、水とか雪をあつかう系?と思ったら、やっぱり!
なんと、私が飲み会集合時刻のために後半見れなかった「下北の弥太郎」だった。
前に見たのは劇団美山で、弥太郎が幼馴染のお千代を回想する場面、
弥太郎が腰を下ろして回想にふけっている横で、
その当時のお千代が出てきて芝居するという設定で、さすが美山とうなった場面だった。
弥太郎(里見たかし座長)が闇に沈んでシルエットになって、
お千代が明るいひかりのなかで弥太郎を呼ぶというような。
美山でなんと2トンもの雪をつかうと事前に聞いたので、後ろ髪ひかれる思いで帰ったのだけれど、
やっと続きを、別の劇団で、見れるとは。なんたる幸運と思った。
弥太郎は美麗総座長、悪役を3代目南條隆座長がつとめてらしたけど、
3代目の悪役はずしんとした重量感存在感があってすごかった。お芝居、うまいなあ。
美麗さんはしかし、殺人鬼で見たい役者だ(どんなんや)
お千代をひたすら探して、女郎という苦界に身を置く女性を助け出そうと命がけに動くイメージとはちょっと
距離があって(汗)
最後の、圧倒的な質量の雪のなかでふたりが死んでゆく場面は美しかったが、
美山だったらどんな風景になっていただろうと、やっぱり思ってしまったのであった。
前日、実は月に1度あるかないかの早上がりの日で、その日に予約を取りに行ってよかったーー、
翌日(おととい)は朝からすごい雨。
歯科の定期健診に行ったら、受付の女性(もう10年来のお付き合いだ)が、
老人らしい方に電話されていた。
雨がふって、ときおり、その雨脚が強いので、今日はどうされますか、
すごい雨脚のときに当たらないとも限らないし、という伺いの電話。
相手は感謝して日を変更されていた。
予約が空いてしまうのに、そういう電話をかけさせる院長も素敵だな。
もう1本の電話、ご主人が治療日を勘違いされてすっぽしてしまわれたらしく、
あらためての治療日取り直しの電話だった。
相手を責めるでもなく、時間を気にするでもないその電話っぷり。
素晴らしいなあと思った。
それから9月は忙しいから、と眼科に行った。
眼圧の数値を聞くのが怖くて、ついつい億劫になってしまうのだけれど、
一度眼科に行くと、眼圧検査、視力検査、診察と、けっこう時間をとられるので、
ついでに、意を決して行ったのだった。
眼圧は今までで一番、というほど低くて、
めっちゃうれしかったのだけれど、
私以上に先生が喜んでくださった。
最初に来られた時にこれくらいだったでしょう、そして今がこれですよ!と、
お薬は一剤しか使っていないのに安定していて素晴らしいです、と。
先生が満面の笑みでそう言ってくださったので、
なんだか数値よりもいや、数値もだけど、すごくうれしかったのだ。
機械的な診療でも仕方ないのに、だって毎回、順序もやることも同じだし。
でもちゃんと≪診て≫くださってるというのがじわじわ伝わって、
歯科の先生もそうだけれど、よいひとたちと巡り合ったんだなと実感した。
まだ、ついでに、は続く(笑)
郵便局に行って、切手を買っておこうと思った。
いるときに限って切らしていることが多いから。
そしたら、窓口の女性が、
「シールタイプとそうでないのとどちらがいいですか?」と尋ねてくれたので、
「シールタイプで」というと、
「私の好みで選んでもいいですか」って!(笑)
声を出して笑ってしまった。
「お願いします」
女性はしかし、2種類を出してきて、ちゃんと私に選ばせてくれた。
なんか、いいよな。こういうの。
雨の日にほっこりするなあと思った。
誰かに聞いてほしくなるような話。
ツイッターでつぶやいたら、
ツイッターだけでのお友達、と思っている、
たつみ演劇ボックスファンの方が、
「いいね」ボタンを押してくれてた。
この方、気が合うというか、ここ、というとき、お互いボタンを押しまくり(笑)
スルーするのと、「いいね」は違うな。
フェイスブックみたいなお仕着せ感がない、ツイッターのいいねはいいね!
ブログ更新通知がPCメールに届く設定なので、
リアルタイムに若丸座長のブログは読めたためしがないのだけれど、
神戸の棟梁がブログをツイッターで紹介してくれていた。
とても大切なことが書かれているブログだったので感謝した。
やっぱり棟梁って、劇団がその劇場に乗っている月だけではなくて、
ちゃんと見守ってもらってるのだなあと、胸をあつくした次第。
和んで、ほっとして、じいんとなったこの2,3日。
雨がふってこころが沈んでいるときでもひとの思いはとどく。
晴れている日ならなおさらだろう。
私はひとをほっこりさせられるような人間じゃないけど、
せめて、憂鬱にさせないようにありたいものだなあと思った。
あの郵便局の窓口さんまで到達できたらたいしたもんだけどな(笑)