なんとなく、栗田さんが凄く情熱的な恋愛(不倫)をされているんじゃないか?(された経験があるのではないか?)と思う小説でした。
今まで読んだ栗田さんの世界とは、ちょっと違っていました。私は普段の栗田さんのシュールでちょっとくすっとするような世界が好きなのですが、このコトリトマラズは不倫のお話で、なんか・・こう、普通な感じで・・・。 残念ながら私の好みのタイプの小説ではなかったです。
でも面白くないというわけじゃなく、心理描写をじっくり書かれていて、恋愛ものをシッカリ読ませてもらった!という感じがあります。私が恋愛ものが好みじゃなかっただけで、そういうお話が好きな方にはきっと凄く高評価な作品なのではないかな、と思います。3つ☆
幼い頃に母が自分を連れて誰か男性の葬儀に参列した時の強い印象をずっと心の中に秘めている・・・というのとか、後半語られる母の過去などは、とても面白かったです。
華ちゃんと会社の上司との不倫の様子や、その奥さんの部分よりも、華ちゃんと華母の部分をあと3割増しで読みたかったな。
なんだかんだ言っても、この華の愛した上司はズルいと思う。奥さんも可哀想だし華ちゃんも可哀想。
タイトルのコトリトマラズは、メギ(目木)という植物の別名で、装丁の絵がそれだそうです。カワイイ花を咲かせますが枝に鋭いトゲがあるが故に、そう呼ばれているとか。
コトリトマラズ 栗田有起 2010/3/5出版
内容(「BOOK」データベースより)
母の昔の愛、私の現在の愛を描く恋愛小説
勤務先の社長と密かに付きあう華。彼の妻の入院で、ふたりの関係は変化する。そんな華が思い起こすのは「母が死体にキスをした」遠い日の記憶。老いゆく母にも秘められた物語があったのかもしれない。
栗田有起さんの他の本の感想
「オテルモル」「ハミザベス」感想
「蟋蟀」「お縫い子テルミー」
もしや栗田さんが?って思ってしまうくらい、
リアルで濃やかでしたね。
私も栗田さんはシュールな路線を突っ走るのかと思ってたので、
ちょっと意外でした。
華ちゃんのお母さんの存在がよかったので
私も彼女の話がもっと読みたかったー。
私もちょっと意外でした。
今までの栗田さんとは違った感じだったので。
最近偶然、今までとは違ったジャンルというか・・文体にもトライされているのかな?って作家さんの本を読むことが多いです。
juneさんも華ちゃんのお母さんの部分、もっと読みたかったんですね~。
>華ちゃんと会社の上司との不倫の様子や、その奥さんの部分よりも、華ちゃんと華母の部分をあと3割増しで読みたかったな。
ここ、リアルに同感です。
次に期待ですね。
わ~~同感してくださって、嬉しいです。
今までの栗田さんの世界と、ちょっと違っていたのは意外でしたが、新しい事にトライされて、がんばってるんだな~っていうのは伝わって来ました。
また次回作、私も楽しみです。