川上さんの小説は久しぶり。
だいぶ前にリクエストしていて、凄く人気で忘れた頃に回って来ました。
村上春樹さんが宣伝メッセージを書いてくれていて、褒めていて、すごいわ・・。
彼女の芥川賞受賞作品である「乳と卵」の続き的な作品だそうですが、私は「乳と卵」はかつて面白く読んだものの、殆ど忘れてしまっている状態で読みました。
かなりボリュームあって分厚い本で、でも文章も読みやすく、面白かったです。
前半と後半とで分かれています。
夏子の子供時代の回想シーン。貧困だった生活。おばあちゃんや、亡き父や母との事・・・。
姉の娘の緑子が思春期。母と会話しなくなって筆談でやり取りしています。
姉は豊胸手術をしようと真剣に考えていて、かつ久しぶりに会ったら凄く痩せてしまっていて夏子は心配しています。姉とその娘が東京に遊びに来ていて、銭湯に行ったり、中華レストランに行ったりします。
中でも一番ぐっと来たエピソードは、夏子が学校の行事であるぶどう刈りに行きたくて凄く楽しみにしていたのに、それは別代金が必要だった行事だった為、参加出来ない事が直前に解り、あまりに悲しくてずっと部屋の片隅で泣いていたら、姉の巻子が、引き出しとか色々な処を開けて、靴下とかをブドウに見立ててくれて、家の中でぶどう刈り遊びをしてくれたこと・・・。
後半のパートは、それから10年位経ってるのかな。
緑子は凄く良い彼氏が出来ていて、大学・大学院にも進学出来て、凄く楽しそうで幸せそう!(すっごく嬉しかったよ)
姉も体格は戻って健康的になっているし、夏子も一人で生活出来ているし、編集者とか、シングルマザーの有名作家さんとも親しくしていたり、まあ順調な日々を送っています。
ただ、夏子は30代後半になって、自分の子供に会って見たいという強い希望が出て来ました。
でも相手もいないし、そもそも性交渉するのが嫌いなのでした。そこで、精子提供で出産することを考えだしたところ、精子提供で生まれたことを成人してから知り、実の父親を探す活動をしている医者の逢沢と知り合います。
★以下ネタバレ★
逢沢に近づく夏子はかなり積極的。二人は波長が合うというか相性が良かったみたいで、それはもう両想いなのでは?付き合ってる前段階では?って感じがしてました。やっぱりそうだったのね。逢沢さん側も夏子が好きになっていたのかー!可哀想だけれど彼の恋人の善百合子から、彼は離れる事となる。
とはいえ、夏子は性交渉は苦手だから、普通のカップルになるわけではなく。
でも逢沢さんとの間の子を妊娠、無事女の子の赤ちゃんと会えるところで終わっています。逢沢さんの子なら頭も良くてすらっとした綺麗な子供が産まれそうだし、何よりも好きな人の子供だし、夏子良かったね!以上
夏物語 2019/7/11
内容(「BOOK」データベースより)
大阪の下町に生まれ育ち、東京で小説家として生きる38歳の夏子には「自分の子どもに会いたい」という願いが芽生えつつあった。パートナーなしの出産の方法を探るうち、精子提供で生まれ、本当の父を捜す逢沢潤と出会い、心を寄せていく。いっぽう彼の恋人である善百合子は、出産は親たちの「身勝手な賭け」だと言い、子どもを願うことの残酷さを夏子に対して問いかける。
川上未映子
すべて真夜中の恋人たち
ヘヴン
乳と卵、時が滲む朝
だいぶ前にリクエストしていて、凄く人気で忘れた頃に回って来ました。
村上春樹さんが宣伝メッセージを書いてくれていて、褒めていて、すごいわ・・。
彼女の芥川賞受賞作品である「乳と卵」の続き的な作品だそうですが、私は「乳と卵」はかつて面白く読んだものの、殆ど忘れてしまっている状態で読みました。
かなりボリュームあって分厚い本で、でも文章も読みやすく、面白かったです。
前半と後半とで分かれています。
夏子の子供時代の回想シーン。貧困だった生活。おばあちゃんや、亡き父や母との事・・・。
姉の娘の緑子が思春期。母と会話しなくなって筆談でやり取りしています。
姉は豊胸手術をしようと真剣に考えていて、かつ久しぶりに会ったら凄く痩せてしまっていて夏子は心配しています。姉とその娘が東京に遊びに来ていて、銭湯に行ったり、中華レストランに行ったりします。
中でも一番ぐっと来たエピソードは、夏子が学校の行事であるぶどう刈りに行きたくて凄く楽しみにしていたのに、それは別代金が必要だった行事だった為、参加出来ない事が直前に解り、あまりに悲しくてずっと部屋の片隅で泣いていたら、姉の巻子が、引き出しとか色々な処を開けて、靴下とかをブドウに見立ててくれて、家の中でぶどう刈り遊びをしてくれたこと・・・。
後半のパートは、それから10年位経ってるのかな。
緑子は凄く良い彼氏が出来ていて、大学・大学院にも進学出来て、凄く楽しそうで幸せそう!(すっごく嬉しかったよ)
姉も体格は戻って健康的になっているし、夏子も一人で生活出来ているし、編集者とか、シングルマザーの有名作家さんとも親しくしていたり、まあ順調な日々を送っています。
ただ、夏子は30代後半になって、自分の子供に会って見たいという強い希望が出て来ました。
でも相手もいないし、そもそも性交渉するのが嫌いなのでした。そこで、精子提供で出産することを考えだしたところ、精子提供で生まれたことを成人してから知り、実の父親を探す活動をしている医者の逢沢と知り合います。
★以下ネタバレ★
逢沢に近づく夏子はかなり積極的。二人は波長が合うというか相性が良かったみたいで、それはもう両想いなのでは?付き合ってる前段階では?って感じがしてました。やっぱりそうだったのね。逢沢さん側も夏子が好きになっていたのかー!可哀想だけれど彼の恋人の善百合子から、彼は離れる事となる。
とはいえ、夏子は性交渉は苦手だから、普通のカップルになるわけではなく。
でも逢沢さんとの間の子を妊娠、無事女の子の赤ちゃんと会えるところで終わっています。逢沢さんの子なら頭も良くてすらっとした綺麗な子供が産まれそうだし、何よりも好きな人の子供だし、夏子良かったね!以上
夏物語 2019/7/11
内容(「BOOK」データベースより)
大阪の下町に生まれ育ち、東京で小説家として生きる38歳の夏子には「自分の子どもに会いたい」という願いが芽生えつつあった。パートナーなしの出産の方法を探るうち、精子提供で生まれ、本当の父を捜す逢沢潤と出会い、心を寄せていく。いっぽう彼の恋人である善百合子は、出産は親たちの「身勝手な賭け」だと言い、子どもを願うことの残酷さを夏子に対して問いかける。
川上未映子
すべて真夜中の恋人たち
ヘヴン
乳と卵、時が滲む朝
私も、川上さんの本はずっと読んでなかったけどこの本めっちゃ話題だったよね。
最近は読んだ本の感想も全然書いてなかったけど、これは久しぶりに感想書きたくなったなー。
最後、逢沢さんと子どもを巡るやりとりの部分は端折ってるというか、詳しく書かれては無かったね。
そこだけ、ちょっと疑問だったな。。あと善さんが気の毒でたまらなかった。
あと川上さんの小説って全然映画化やドラマ化されないね。
オファーは凄いだろうに、本人がお断わりしているのかなー。
わーい、こちらにも来て下さって、コメントありがとうございますー
真紅さん、あんなに普段から映画館にも頻繁に行って、お家で配信も一杯見て、その上読書も続けているだなんて凄い!!
お仕事もされているのに。
で、善さん・・・
そうだよね、私も彼女が可哀想で、、、
この後彼女はどうなっちゃったんだろう、って引っかかっちゃったなあ・・・。
登場人物全てが、それなりに幸せになるとか、おさまるところにおさまるとかってストーリーを願うのはイカンとは思うし、そんなの難題なのは解ってるんだけど・・・
ところで、言われて初めて気がついたよ。確かに彼女の小説って映像化されてないよね。
オファー断ってるんだろうか・・。
でも、最近なんでもすぐ映像化されちゃう傾向があるから、映像化されない事って価値があるかもしれないな・・。