本作は、ゲームの世界風、ファンタジー小説。
願いをボードに表示したりするし、死んだ人間が生きかえらせられるとか・・。
私がそもそも、あまりRPGゲームとかやらないし、好きな人間じゃないせいもあって、この小説は、あまりツボではなかったです。
開始早々の頃は、普通の人が違う世界にワープして、10回願いをかなえられる、という事になり、かつて自分のアキレス腱を切った男を、こっちに呼び寄せ、閉じ込めて・・って処くらいまでは、面白かったのだけれど、10個の願いではなく、10回というのがね・・・。1回にあれもこれも・・・と色々な願いがかなえられ、かつ死んだ人を生き返らせられるというのも、なんだかなあ・・・という感じ。一杯叶えられるから、なんだかワクワク感が少ない・・・。
ただ、静かにのんびりと平和に暮らして行くというのは難しいんだなあ・・・というのが、この本を読んでいて、ひしひしと感じました。
遠い場所で争い事があったりすると、自ら望んでなくても、誰かを助けたり、誰かと知り合ってしまうと、こうやって、巻き込まれて、戦争を避けられなくなっちゃうんだなあ・・・。
それと、195頁で、ラナログの言った、「その時点では酷い裏切り者でも、長い目でみると、長い無意味な死者を増やす戦争を終わらせた」ということになりませんか? というセリフも印象に残りました。
マキオさんとか主人公、その後の展開等も、気になるので、また続編ができるそうなので、読んでみようかな?とは思っています。
このところ、恒川さんは、新しいものに挑戦しようとされている様子。
そういう姿勢等、がんばっていらっしゃるなーと思うし、たとえ、本作のように、私の好みではない作品を出されたとしても、変わらず、ずっとこれからも応援していきます!
でも、やっぱり恒川ワールドな、和風テイストの不思議なお話が、私は本当に大好きなんですよね・・・。
最近読んだ中では、「私はフーイー」が、やっぱり落ち着くというか、恒川さんの真骨頂!!って思ってしまって・・・。
だから、またそのうち、そういった十八番のお話も、書いて下さい、待っています。
スタープレイヤー 2014/8/30 恒川 光太郎
(内容・あらすじ)
路上のくじ引きで一等賞を当て、異世界に飛ばされた斉藤夕月(34歳・無職)。そこで10の願いが叶えられる「スタープレイヤー」に選ばれ使途を考えるうち、夕月は自らの暗い欲望や、人の抱える祈りの深さや業を目の当たりにする。折しも、マキオと名乗るスタープレイヤーの男が訪ねてきて、国家民族間の思惑や争いに否応なく巻き込まれていき…。
私はフーイー
「金色の獣、彼方に向かう」
南の子供が夜いくところ
恒川光太郎「夜行の冬」
草祭
「秋の牢獄」「夜市」
意外と厳しい書評ですね 笑
僕もゲームはやらない人ですが、この小説は面白かったです。
何とも言えない世界感、
もちろん物語の中では辛いこともあるけれど、そんな場面でも辛いことにクドクドと拘らない。スピード感を重視した物語の展開にも好感が持てました!!
ちょっと出かけていたので、お返事遅れてごめんなさい。
そうなんです・・・
恒川さんのこういった系の作品は、残念ながら、どうも私の好みとはズレているみたいで・・・
でもyoriさんが楽しめたみたいで、良かったです