五十嵐大介さんの漫画が載ってるってこと目当てで、「エソラ」なる本を図書館でリクエスト。
読み切りの漫画や小説が混ざって出来てる雑誌で、なかなか面白かったです。
私が読んだのは、VOl.2と4。(それしか図書館に置いて無かった)
「VOL.2」2005-06-26
[小説]伊坂幸太郎 柴崎友香 沙藤一樹 渡辺球 宮下奈都
[漫画]こうの史代 中野シズカ すぎむらしんいち 真鍋昌平
五十嵐大介 小田ひで次 杉村藤太 安彦麻理絵
漫画も、小説も、ぜんぶ読み切り、書き下ろし13作品。
●VOL.2には、宮下奈都さんの「新しい星」という小説が、とても印象に残りました。
看護師をしていた主人公は、ハードな仕事に追われ一杯一杯になっていた。たまたま運悪く、入院患者のおばあさんが息を引き取った時に夜勤だった彼女、もう限界まで来ていた彼女はそこから飛び出して、とある田舎の過疎化し、今は老人がほとんどの街で、住み込みの管理人として働くことになる・・という内容。
人間関係は星座のようなもので、決まり切った星座に、新しい星が入ることで、何か変化が欲しかったというのが、今回の募集の理由だという。そのご老人ばかりの村で、みんなが寄り合える集会所の、新しい星になる私・・。
後々に、何故35才以上という年齢を定めたのか?という理由に、たいがいの人間は35までには一度は絶対絶命みたいなピンチを経験していると思って・・・、ここでは、そういう経験をさせてあげられないと思ったので・・・という処もなるほど~と思ったし、風邪を引いて熱が出た時、熱がある間は誰でも体を休めるが、でも本当に大事なのは、熱がいったん平熱よりも低くなるくらいに下がった時の安静なんです。そこをうまく経過すると身体は熱を出す前よりも強くなっています。ピンチの後が大事なんです。対処の仕方で大きく差が出ます。というのも、結構納得したりしました。
普段あまり馴染みの無いけれども、身近なところにある設定で、とても興味深いお話でした。ただ、ラストは、スカっ!という風じゃなく、なんとなく曖昧に終わってしまった感じでした。
●五十嵐大介さんは「鰐」という、自然環境と少し幻想的な処のある短編でした。細かな線や浮遊感のある感じがありますね。
そして「おんぶ」小田ひで次 という漫画は、後から知ったのですが「ミヨリの森」の人だったんですね。
●「スイカの種」杉村藤太 という漫画は、よしながふみさんの「今日何食べる?」と雰囲気が少し似ているゲイカップルのほのぼのしたお話。
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「VOL4」 2007-06-30
小説 伊坂幸太郎、伊藤たかみ、金原ひとみ、しまほみほ、恒川光太郎 他
翻訳 岸本佐知子
漫画 五十嵐大介、カラスヤサトシ、とりのなん子、舞城王太郎 他
●恒川光太郎さんの「夜行の冬」が印象に残りました。
冬の夜の街に聞こえて来る音。その行列について行って一緒に歩くと、次の朝到着した場所で、今までとは全然違った暮らしを自分がしている・・・という、人生リセット(リニューアル?)の魅力に取り憑かれて、行列に参加しつづける人たち。でも途中で足をくじいたりすると、行列の後ろにいる不気味な者達に食われてしまうという怖い状況。それでも行列に参加しつづける・・というお話。面白かった~。
漫画では、とりのなん子「花」が、自然の木とお花のお話で、なかなか良かったです。
●五十嵐大介「ツチノコ」幻想的なお話。オチは一体どういう事になったのかな・・・?って解らない感じでしたが、絵とか構図とか町並みの絵の雰囲気が松本大洋に似てるわ~^^無条件こういう絵が好きだな~。でも内容とかいわんとしていることは正直ハッキリ解らない・・・つかみどころのないという印象ですね。是非他の五十嵐大介さん作品も読んでみたいです。
●レイ・ヴクサヴィッチ 岸本佐知子訳「僕らが天王星に着くころ」
身体が段々宇宙服化していき、完了後空高く飛んで行ってしまう・・・という状況になっているSF小説。まずまず面白かったです。
こちらで触れられている
「夜行の冬」収録の「竜が最後に帰る場所」を読みました。
恒川ワールド炸裂で面白かったです!!
そう言えば、今月早々に、go to トラベルしてきました。
コロナ禍で迷いましたが、キャンセルフィーを払うものもったいなく 笑
京都へ一泊二日の旅でした!!
10年目にして初めてのコメント、嬉しいです。
「竜が最後に帰る場所」お読みになられたんですねー。
「夜行の冬」も良かったけれど、鸚鵡幻想曲、瞑想のオルネラは、それよりも更に私も良かった様です(・・・というのも、悲しい事に記憶があやふやになってるんです。自分の感想を読んで、そうだったのが解った次第です)
今度再読してみます!
京都、ギリギリセーフで行けて良かったですね!
記事、楽しく拝見しました