名古屋造形大学の第27回卒展と大学院造形研究科の第16回修了展を、愛知県美術館8階ギャラリーで見てきました。
展覧会は24日(月・振替休日)まで。
日本画、洋画、コンテンポラリーアート、アニメ、マンガ、グラフィックデザイン、建築デザインなど。どの分野でも練りに練ったテーマに挑んだ作品を楽しむことができました。
会場に睨みをきかすように立つ鍾馗像が目に留まりました。
「素材は何ですか」と傍にいた学生に尋ねました。先週、水彩画教室で出掛けた岐阜市で見た木と竹と粘土で作られた大仏像を思い出したからです。
「発泡スチロールです。ホームセンターで買ってきたスチロールを接着剤で貼り合わせて彫りました。石や木、金属などの彫刻もやってきましたが、これは発泡スチロールで彫りました。軽いから何処へでも運べ、置けますよ」と学生。
他の作品もそうですが、あらゆる素材や表現を学び、挑戦してきたことが分かります。
今度はでっかい魚の造形。学生が説明してくれました。「まずクログチというこの魚を鉛筆で描き、大きくコピーしてさらに部分、部分を拡大コピーして切り取り、厚い紙に貼り付けてウロコを作り、一枚一枚覆っていきました」
鉛筆描きの絵も見事です。時間と手間と費用も大変だったでしょう、との僕の言葉に「ええ、まあ。お金もかかりました」と笑いながら学生。こんなやりとりも卒展鑑賞の楽しさです。
アート作品の一方で、街づくりなどの提案も並んでいます。
例えば、過疎にあえぐ町の活性化策として、フリーランスな仕事や生き方を求めている人が近年増えていることに目をつけ、生活体験短期宿泊施設などを設けることを提案。外国人の多い町では異文化交流を深める集合住宅の建設など、具体的な設計図や模型を示して提案しています。
こんな提案もありました。
ひとりの女性をモデルに服装や化粧、ポーズ、表情の違う写真が何枚か掲示されています。年齢が高くなってもメイクやファッションの力で「まだまだ若い」と自信が持てることを知ってほしいというわけで、69歳の女性にモデルになってもらっています。
㊤の作品のもとになったのが㊦の魚の鉛筆画です
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます