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一般教養まるわかりガイド

世の中で起きている森羅万象を斬ります。お笑い、芸能スキャンダルから政治経済の時事情報まで幅広く書いていきます。

教養ガイド 429

2012年02月24日 15時57分26秒 | 法律
2月24日 産経新聞

広島県のマツダ工場で平成22年、侵入した車に社員が次々とはねられて1人が死亡、11人が重軽傷を負った事件で、殺人罪に問われた同社の元期間従業員、引寺利明被告(44)の裁判員裁判の論告求刑公判が24日、広島地裁(伊名波(いなば)宏仁(こうじ)裁判長)であり、検察側は「被告の精神障害が事件に影響していないとまでは言い切れない」として無期懲役を求刑した。論告で検察側は「凶悪重大な犯行。動機は自分勝手で反社会的だ」としたうえで、最大の争点となっている引寺被告の責任能力について「精神障害が事件に影響していないとまでは言い切れず、矯正の可能性がないとは断定できない」と述べた。

今後、生涯を通じて罪を自覚し、向き合わせることが必要と指摘した。求刑前には死亡した同社社員、浜田博志さん=当時(39)=の妻の陳述書が読み上げられた後、父の進さん(62)が「被告に対し強い憎しみを感じ、眠れない日々が続いた。苦痛は一生涯、癒えることはない。私たちの願いは極刑しかない」と意見陳述した。起訴状によると、引寺被告は22年6月22日朝、広島市南区のマツダ宇品工場と隣接する広島県府中町の本社工場で、出勤中の社員を次々はね、浜田さんを殺害、11人に重軽傷を負わせたとしている。判決は3月9日に言い渡される。

死刑じゃないんですね??私はてっきり死刑だとばかり思っていました。無期懲役なんて模範囚として過ごせばすぐに外に出れますからね。こんな生ぬるい判決で遺族の方々が納得するわけがありません。一人の後先考えない短絡的な行動のせいで多くの方がケガをし、亡くなられた方もおられます。その現実を一切無視した判決のように思えてなりません。記事にもありますが、矯正の可能性がないとは断定できないだとか、精神障害云々とか、こんなくだらないことで無期懲役というのは全く納得できないですね。こんな反省の色なしというような人を税金でいかし続けても何のメリットもないでしょうよ…。

教養ガイド 426

2012年02月21日 15時13分07秒 | 法律
2月21日 読売新聞

犯行時、18歳になったばかりの少年に死刑を適用すべきかどうか。最高裁の最終判断は「死刑」だった。山口県光市で1999年に起きた母子殺害事件の差し戻し後の上告審で、最高裁は殺人、強姦(ごうかん)致死罪などに問われた被告の上告を棄却する判決を言い渡した。被告の死刑が確定する。配水管検査を装って上がり込んだアパートの一室で、23歳の主婦を絞殺した。傍らで泣きじゃくる生後11か月の女児も殺害した。こうした被告の犯行を、判決は「冷酷、残虐、非人間的な所業」と指弾した。18歳1か月という犯行時の年齢や、更生の可能性などを考慮しても、「刑事責任は余りに重大だ」と死刑を選択した。残虐極まりない犯行には、年齢を過度に重視せず、極刑で臨む姿勢を明確にしたと言えよう。

争点は量刑だった。未成年の健全育成や保護を主眼とする少年法は、18歳未満の少年に死刑を適用することを禁じている。18~19歳の「年長少年」についても、一般的に裁判官は、未成年であることを重視し、刑を軽くする傾向がある。この事件の1、2審判決はその典型だろう。「被告に立ち直りの可能性がないとは言い難い」と判断し、無期懲役とした。だが、最高裁は審理を広島高裁に差し戻した。被告の年齢について、「死刑を回避すべき決定的な事情とまではいえない」という理由からだった。差し戻し審で広島高裁は死刑を言い渡し、最高裁が今回、それを支持した。厳罰により、少年の凶悪事件に歯止めをかけたいという最高裁の意向がうかがえる。

選挙権年齢の18歳への引き下げが検討課題となるなど、年長少年を「大人」と見る風潮は強まっている。社会状況の変化も、最高裁の判断の背景にはあるだろう。殺害された主婦の夫は一貫して死刑を求めてきた。一方、被告は、最初の上告審で死刑廃止派の弁護士らに交代して以降、「甘えたい気持ちから抱きついた」と殺意否認に転じた。この点を差し戻し審は「うその弁解は更生の可能性を大きく減らした」と批判した。最高裁も「不合理な弁解」と断じている。弁護方針に問題はなかったろうか。裁判員制度が導入された現在、この事件も裁判員裁判の対象となる。無期懲役と死刑の狭間(はざま)で裁判所の量刑判断も揺れるような難事件を、市民はどう裁くか。裁判員の視点で考える契機としたい。

当然にも程があるというくらい当然の判決です。その一方で、無期懲役と死刑では判決の重さが全然違うのですが、今の法務大臣は全くお仕事をしない人たちが続いていますので、恐らく半世紀以上税金で飼い続けることになるんでしょうけどね。取りあえずこの判決が死刑で良かったです。これだけ残忍な方法で人を殺め、さらに暴行し、何の罪もない赤ちゃんも床にたたきつけて殺し、裁判では復活の儀式だのドラえもんだのと頭がおかしいとしか思えないようなことを言って遺族だけでなく、テレビを通じてこの裁判の経過を見守っている多くの人を不快にさせましたからね。これが死刑にならなかったら日本の司法はもう死んだも同然と思っていましたが、一応まだ少しは血が通っているようです。自分勝手で、ひたすら自己中心的な動機で何の罪もない人を殺めるような人間に同情の余地などなにもありません。

教養ガイド 415

2012年02月02日 17時09分21秒 | 法律
2月2日 毎日新聞

マツダ本社工場への突入事件の裁判員裁判は4日目の1日、広島地裁(伊名波宏仁裁判長)で被害者ら3人の証人尋問があった。6番目にはねられてあごの骨を折るなどの重傷を負った30代の男性社員が証人として出廷し、「被告を死刑にも無期懲役にもしてもらいたい複雑な心境」などと語った。起訴内容によると、この社員は出勤途中、引寺利明被告(44)運転の乗用車に時速約60キロのスピードではねられた、とされる。検察の質問に対し、社員は事件に遭った際の記憶を「目の前が真っ暗になった」と説明。次第に記憶が薄くなった状況を話し、「自分がこのまま死ぬのではないかと思った」と語った。

事件後の生活については、1カ月に4~5回、ほおに強い痛みが走ることなどを訴えたほか、「日常生活で、人や車に限らず音がすると自分が襲われるという恐怖感がある」と述べた。検察側から「被告に対して思うことは」と問われると、約30秒間沈黙。言葉をふるわせながら「被告には死んでもらいたいが、死んだら被告が楽になりそう。無期懲役にもしてもらいたい複雑な気持ち」と語った。その話を聞いた引寺被告は、数回うなずきながら持参した便せんにメモを取っていた。一方、弁護側は「(被害者が)あなた1人だけでも死刑を望むのか」と質問。社員は「1人でも何人でも変わらない」と話した。2日も証人尋問がある。

あの無差別テロの恐怖は近くにいた人、若しくは巻き込まれた人出ないと真の恐怖は分からないでしょうね。もし私があの現場に居合わせていたら絶対にトラウマになっているでしょう。身勝手極まりない理由で無差別に人を狙い、一人を死亡させてもなお無罪を主張しようとしたり、言い訳に終始したりしている最低の被告人ですからね。身体だけでなく、心にまで大きな傷を負わせたんですからその償いは必ずしなければいけません。まぁ、いくら償っても謝罪しても、亡くなった人がも帰ってくることもなければ、ケガをした人の心が晴れるわけではないんですけどね…。

教養ガイド 414

2012年02月01日 15時59分52秒 | 法律
2月1日 毎日新聞

栃木県足利市で10年4~5月、乳児を連れた母親に抱っこさせてほしいと近づき、抱いている間に脚の骨を折る事件を繰り返したとして4件の傷害罪に問われた、同市若草町、無職、五月女裕子被告(30)の判決が1日、宇都宮地裁足利支部であった。宮崎寧子裁判官は「動機は身勝手で、卑劣な行為」として懲役4年6月(求刑・同7年)を言い渡した。判決などによると、五月女被告は10年4月14日昼ごろ、足利市の子供用品店で、当時生後7カ月の男児を連れた同市の女性客に「抱っこしてもいいですか」と声をかけ、男児を抱いている隙(すき)に左脚の骨を折り、約2カ月のけがをさせた。

さらに、5月26日にかけ、同様の事件を計4件繰り返したとされる。公判で検察側は「離婚し母子家庭となり、幸福そうな親子を見てうらやましくなった」など、動機が強い嫉妬心にあったと指摘。弁護側は心神耗弱だったと主張、精神鑑定を請求し実施されたが、責任能力が認められた。判決で宮崎裁判官は「嫉妬心を乳児に対して向けた点は卑劣」などとした。一方でくむべき事情として、被害者3人の親と示談が成立しているなどとした。

危険極まりない人物に間違いないでしょうね。かわいいから抱っこさせてほしいと言われ、まさか骨を折られることになるとは思ってもいなかったでしょうね。あまりにも卑劣で、身勝手極まりない愚行です。愚か者のすることです。完全なる確信犯ですので厳罰をお願いしたいですね。こういう嫉妬を全く関係のない赤ちゃんに向けるのは卑怯です。こういうことを平気ですできるあたりがもう頭がおかしいとしか思いませんが、だからと言ってそれを理由に減刑するなんて論外ですので厳しく罰していただきたいと思います。

教養ガイド 405

2012年01月17日 16時31分26秒 | 法律
1月17日 読売新聞

君が代の起立斉唱命令に従わなかった教師に、減給以上の重い処分を行う場合は慎重な考慮が必要だ。最高裁は判決でそう指摘した。東京都教育委員会から、戒告や減給、停職の懲戒処分を受けた教師たちが、それぞれ、その取り消しを求めていた。判決は、戒告処分については「裁量権の範囲内」だとして、教師側の主張を退けた。その一方で、式典のたびに違反を重ねる行為のペナルティーとして、半ば機械的に、減給や停職といった重い処分を科していくことは裁量権の範囲を超えて違法になる、との判断を示した。処分の行き過ぎに歯止めをかけたものと解釈できるが、これで式典の混乱が収まるのかどうか、疑問も残る。教師が「違反しても重い処分にはならない」と受け止め、不起立や斉唱拒否が続くことにならないだろうか。桜井龍子裁判官は補足意見として、「不起立と懲戒処分が繰り返される事態の解消に向けて、全ての関係者による具体的な方策と努力が必要だ」と言及した。教育現場は耳を傾けるべきである。

注目したいのは、今回の判決が、過去に卒業式で国旗を引き降ろすなどの妨害行為に及び、何度も減給などの処分を受けてきた元教師に対しては、停職を取り消さなかった点だ。学校の秩序を著しく害する行為を重ねた場合、停職という厳しい処分にするのは当然である。そもそも学習指導要領は教師に対し、国旗掲揚と国歌斉唱を指導するよう定めている。入学式や卒業式は、国歌への敬愛や斉唱の意義について、児童・生徒の理解を深める貴重な機会でもある。にもかかわらず、長い間、一部の教職員組合が、「反国旗・国歌運動」を展開し、教育現場の秩序を乱してきた。東京都教委が、君が代の起立斉唱を義務付ける通達を出し、違反者には懲戒処分をもって臨んできたのは、こうした混乱を収束させるためだった。起立斉唱命令を合憲とした昨年5月の最高裁判決は、「命令は思想・良心の自由を間接的に制約する可能性はあるものの、式の円滑な進行を図る目的などから合理性がある」と述べている。グローバル化が進む現代社会において、子供に自国や他国の国旗・国歌に敬意を表すという国際常識を身に着けさせるのは、教師の義務だ。教師が式典で模範を示すのは当たり前のことだろう。

一時的に起立しなければ処分しませんが、処分されなかったのをいいことに、行事のたびに同じことを繰り返し行っていたら確信犯とみなして処分しますよ、ということなんでしょうかね?ワールドカップやオリンピックなどでは選手が日の丸を背負い、世界と戦いますし、それを見ている私たちもニッポンコールで応援するのに、こういう行事ごとは一切の日の丸君が代は無視…何だか変な感じもしますが…。こういうことを率先してやっているのは日教組ということなんでしょうね、記事によると。思想・良心の自由がありますので、頭ごなしに自分の思想を人に押しつけて納得するように強いるのは少々やりすぎのような気もしますが、だからと言って、この自由を前面に押し出し、国旗を引きずり降ろしたりするような暴挙は感心しないですね。これを生徒や保護者が見ていたらこの先生大丈夫かな?って思ってしまうでしょうからね。私が学生の頃はここまでうるさくなかったですし、国歌斉唱もなかったですが、今の入学式や卒業式は昔とは違うんですね。この起立斉唱に関する懲戒処分は行き過ぎた教職員組合の暴走を抑えるための苦肉の策だったんですね。まぁ…これからも同じようなことをやる教師はわんさか出てきそうですが…。愛国心というものが今の日本では薄れつつあるようです。

教養ガイド 401

2012年01月11日 16時48分07秒 | 法律
1月11日 産経新聞

大阪市北区のJR西日本本社ではこの日も午前9時から、JR福知山線脱線事故後、毎朝続けている犠牲者への黙祷(もくとう)が行われた。多くの社員は普段通り業務に当たったが、広報部では社員がテレビのニュースを見守った。無罪判決を受けて、JR西日本の佐々木隆之社長は「判決にかかわらず、この事故に対して責任を負っているものであり、引き続き、被害に遭われた方々への対応と再発防止のための安全対策の推進に全力を尽くしてまいります」などとするコメントを出した。JR西日本は20年4月、事故の再発防止を目的とした安全対策の指針「安全基本計画」を策定した。柱となったのが、現場からの報告に基づき、事故につながる事象を事前に数値化して分析する「リスクアセスメント」制度だ。鉄道業界初の試みで、22年度までの3年間で、運転士や車掌から約10万件の報告があった。

特に危険性が高いと判断された1160件については本社で検討を実施し、ホームと列車の隙間からの転落を防ぐための整備をしたり、転倒事故が多発するエスカレーターの速度を遅くするなどの対策を講じ、事故の芽を摘むことを目指している。また、事故を教訓にしようという取り組みも続く。大阪府吹田市の社員研修センターには、19年4月に研修施設「鉄道安全考動館」を開設、事故現場を再現した模型や遺族のメッセージを展示している。これまでに、鉄道事業部門の社員約2万8千人が研修を終えたほか、新入社員研修の場としても活用。研修の対象をグループ会社の社員にも拡大している。この4月からは、安全基本計画の最終年度がスタートする。佐々木社長は「安全意識を定着させ、より安全な会社になるよう務めていくことが目標であり使命」とし、事故後に定めた企業理念と安全憲章の原点に立つよう強調している。

まぁ…これは無罪でしょうね。日勤教育という鬼のようなペナルティを受けたくないと思って必死に後れを取り戻そうとした運転手がやらかした悲劇ですが、だからと言って社長を訴えるということはできないでしょうね。この判決は無罪だろうと大方の人が予想していましたが、裁判で無罪になったからあの悲劇はもう過去のできごとだということは決してありません。あの事故が起きた時、私は大学生で京都に住んでいました。毎日のように理不尽に車掌さんに暴力を振るうという事件もありましたからね。悪いのはJRの体質そのもののような気がします。あんな事故が起きた以上、トップとして責任をとるのは当然でしょうけど、あんな事故は予見できなかったはずです。裁判は感情論では成り立たないということです。しかし、この社長はこれからもあの大惨事を引き起こした会社のトップにいて、多くの乗客の命を奪ってしまったという十字架を背負って生きていくことになるでしょうね。無罪だからもうおしまい!何てことは絶対にありません。

教養ガイド 392

2011年12月22日 15時24分39秒 | 法律
12月22日 毎日新聞

石岡市の戸井田和之県議(47)後援会事務所襲撃事件で、殺人罪などに問われている元指定暴力団山口組系組員、設楽啓一被告(44)に対する裁判員裁判の判決が22日、水戸地裁(根本渉裁判長)で言い渡される。無罪を主張する設楽被告と検察側は、これまでの公判で激しい攻防を繰り広げた。極めて異例の2段階方式で進められた審理の判決は、今後各地の裁判員裁判にも影響を与えかねないだけに、注目を集めている。公判は▽犯人か否か▽殺意の有無--を巡り、争点ごとに論告・弁論・評議を行う2段階審理で進められ、先月22日の初公判以降、計12回開かれた。15日の論告で検察側は「選挙妨害目的の犯行で、民主主義への極めて重大かつ悪質な挑戦だ」と厳しく批判し、懲役23年を求刑。一方、設楽被告は「私は犯人ではない。組織ぐるみの捏造(ねつぞう)」と無罪を主張した。

公判で弁護側は全面的に争い、「事件が起きた」という事実以外は検察側の主張と、ことごとく対立した。有力な物証など事件の直接証拠はなく、検察側は計14人の証人を申請。相手側の矛盾を突く厳しい尋問が繰り広げられ、双方が「異議あり」と主張する場面が何度も見られた。弁護側は、ほぼ全ての証言の信用性を否定した。事件の動機について、検察側は「戸井田県議が選挙支援のあいさつをしなかったため、組織の体面を保つため落選させる目的だった」と指摘。弁護側と設楽被告は戸井田県議と「親密な関係」と主張している。一方、戸井田県議は記者会見などで、票のとりまとめなど暴力団との関係を完全に否定。設楽被告とは「あいさつをする程度。2、3年前に会ったきり」と説明している。判決では有罪か無罪かの判断のほか、戸井田県議と事件の関わりをどう認定するかも焦点となる。

取りあえず有罪は確定でしょ…こんな頭のおかしな人間に中途半端な罰を与えても全く反省しないですからね。しかも言っていることも知り目つれるですし。こういう愚行しかできないから組みも破門されたんでしょう。宇宙の果てまで終わっています。検察は何としてもこの極悪人を刑務所へ送りこんでいただきたいですね。その一方でこうのような異常思考の持ち主は。景気を終えても何も反省も更生もせず、お礼参りに来る可能性があるので注意したほうがいいかもしれないですね。選挙妨害の目的で人をひき殺すような人間には同情も情状酌量も一切不要です。トラックで突っ込んでおいて犯人ではないだのねつ造だのと、全く理解できない言動を繰り返していますのでまともな人間でないことは確かです。このような危険人物はもう一度社会復帰のチャンスを与えると、今回の事件と同じようなことをやらかしそうですから絶対に社会に出さないようにしていただきたいと思います。

教養ガイド 369

2011年11月15日 16時41分27秒 | 法律
11月15日 河北新報

東日本大震災の津波で宮城県山元町の山元町東保育所の園児3人が死亡したことをめぐり、保育所側の対応に安全配慮義務違反や過失があったとして、亡くなった2歳と6歳の男児2人の遺族が14日、保育所を管理する町に計約8800万円の損害賠償を求める訴えを仙台地裁に起こした。震災の犠牲者の遺族が、行政の管理責任をめぐって訴訟を起こしたのは初めて。訴えによると、保育所は3月11日午後2時46分の地震発生後、当時の町総務課長から「現状待機」と指示されたため、園児や保育士らを園庭で待機させた。午後4時ごろ、津波が約80メートル先にまで押し寄せたのを確認し、車10台に分乗して避難を開始。6番目に出発したワゴン車は津波にのまれ、男児2人と女児(6)が亡くなった。遺族側は(1)町の課長が避難指示する広報車を出動させていたにもかかわらず、園庭に待機させる誤った指示をした(2)保育士らはラジオなどで情報収集せず、園児の避難が遅れた(3)園児6人が乗ったワゴン車には保育士1人だけで、津波からの救助は困難だと予測できた―などと主張している。

遺族側によると、町側はこれまでのやりとりで「町の課長が退避と話したのを、保育士が待機と聞き間違えた可能性も否定できない」などと話したという。斎藤俊夫町長は14日、「町として誠意を持って遺族に説明させていただいた。理解が得られず訴訟となってしまったことは残念。訴状を見た上で誠実、的確に対応したい」とのコメントを出した。津波で亡くなった宮城県山元町東保育所の園児2人の遺族は14日の提訴後、仙台市青葉区の仙台弁護士会館で記者会見した。遺族は時折、わが子の生前の姿を思い出して言葉を詰まらせながら、提訴に踏み切った心境などを語った。「私たちの命より大切な子どもが亡くなった。その悲しみと同じほどの怒りを保育所側に感じる」。犠牲になった渋谷歩夢(あゆむ)ちゃん(2)の父亮さん(28)は語気を強めた。3月11日朝、元気に手を振って保育所に向かった歩夢ちゃんを、今も忘れられない。

2歳10カ月、言葉を覚え始めたばかりだった。「自分の大好きなお菓子なのに、おじいちゃんや、おばあちゃんにも分けていた。優しい子だった」と亮さんは振り返る。もう1人の犠牲者は鈴木将宏ちゃん(6)。原告の母あけみさん(46)が育ててきた大切な一人息子だった。あけみさんが仕事を終え、疲れて帰宅すると、将宏ちゃんは「ママ、お仕事大変だね」と声を掛け、肩をもんでくれた。よく「ママを助けたいから、早く大きくなりたい」とも言っていた。「将宏はしっかり者に成長していた。小学校に入学目前で、本人はどれほど無念だったか。母としてやるべきことをやりたいと思い、訴えた」。あけみさんは切々と語った。町側とは4月以降、計11回の話し合いを続けたが、隔たりが埋まらず、怒りと不信は収まらない。あけみさんは「町は真実を語り、心から謝罪するべきだ。保育所の運営も改善し、このような事故が二度と起きないようにしてほしい」と訴えた。

あの大津波で犠牲になった園児の一人ひとりが、多くの人に愛されていると同時に、本当にここと優しいお子さんだったのではないかと思います。しかし…訴えると言う行為は筋違いではないかと思えてしまうんですよね。あんな想定外の津波がやってくるなんてことは専門家ですら想像していませんでしたからね。津波は人災ではなく天災ですし、あんなでかいのが一瞬ですべてを飲み込むんですからそこにいた人々は本当にどうすることもできなかったのではないかと思います。お金をもらってもわが子が戻ってくることはありません。訴えられた側も被災者なんですからね。泥仕合になればなる程悲しみが増すだけだと思うのですが。このような想定外の事態が起これば、誰かに責任を転嫁したくなるという気持ちはよくわかりますが、あんな大惨事に冷静に対処できる方がすごいでしょうね。私だったら絶対にできないでしょう。誰もが予想だにしなかった事態が実際に起こり、その責任を町のせいにしてやろうと言うのはやはりどう考えても違うような…。被災者同士で争って欲しくないというのが正直な感想ですね。

教養ガイド 365

2011年11月08日 16時52分14秒 | 法律
11月8日 毎日新聞

愛知県大治町で10年6月に起きた死亡事故で、自動車運転過失致死罪に問われた同県稲沢市、名古屋市上下水道局職員、祖父江(そぶえ)秀幸被告(58)=休職中=に対し、名古屋地裁は8日、禁錮2年6月、執行猶予4年(求刑・禁錮4年)を言い渡した。死亡した塾経営、森裕也さん(当時31歳)の父博利さん(63)=津市=が見つけ出した事故の瞬間の防犯カメラ映像が証拠に採用された。祖父江被告は自動車運転過失致死容疑で逮捕されたが「こちら側が青信号だった」などと容疑を否認して釈放された。しかし博利さんが事故映像を発見し、名古屋地検が在宅起訴。祖父江被告は公判で「青信号という記憶は間違いだった」と起訴内容を認めた。博利さんは胸のポケットに裕也さんの写真を入れ、被害者参加人として検察側の席から判決に臨んだ。

判決後の記者会見で、映像が有罪認定の根拠となったことに「うれしかった」と評価する一方、実刑判決を求めていたため、笑顔の裕也さんの写真を示しながら「納得できない。悔しい。残念だ。写真のように笑える判決にしたかった。この判決は区切りにはならない」と話した。祖父江被告に対し「本当に反省しているように見えなかった。うわべではなく、心から謝罪してほしい」と求めた。判決などによると、祖父江被告は10年6月11日午前4時半ごろ、大治町の国道302号でワゴン車を運転中、赤信号を無視して時速60キロ以上で交差点に進入。裕也さん運転の乗用車と衝突し、脳挫傷で死亡させた。水野将徳裁判官は「注意義務を怠ったため起きた事故だが、遺族に対し損害賠償がなされる見込みがある」などと述べた。

これは間違いなく亡くなった被害者のお父様の執念です。もしこの事故の瞬間が映されているカメラが発見されなければもしかすると有罪ではなかったかもしれません。とはいえ…執行猶予が付いた判決と言うのは少々納得できないですけどね。人の命を奪っておきながら死人に口なしとばかりに適当にほらを吹いて罪を逃れようとしたというのが許せません。ふてくされた態度で、人の命を奪った重大性を認識せず、反省していないような人間になぜ執行猶予を付けたのか…私は遺族ではありませんが憤りを感じますね。事故と言うのはほんの一瞬のできごとです。そのほんの一瞬のできごとで人の命を奪ってしまうのが交通事故の恐怖です。これを機に被害者、加害者双方の人生が大きく変わってしまいますからね。事故を未然に防ぐ最良の方法はやはり一人ひとりが安全運転を意識することでしか防げないような気がしますね。そう考えたら飲酒運転なんて論外だと言うことです。

教養ガイド 360

2011年11月01日 16時23分57秒 | 法律
11月1日 毎日新聞

飲料大手キリンビバレッジの子会社「東京キリンビバレッジサービス」(東京都千代田区)の男性社員(当時23歳)が昨年4月に自殺し、品川労働基準監督署が過労によるとして労災認定していたことが分かった。男性は清涼飲料の自動販売機の管理で長時間労働を強いられ、亡くなる5分前、姉(26)の携帯電話にメールで「仕事がつらい。父ちゃん母ちゃんをよろしく」などと書き送っていた。認定は10月5日付。会見した遺族や弁護士によると、男性は高校を出て05年4月に入社し、10年3月に品川区の営業所に移って担当エリアが拡大。自販機約80台を1人で担当し業務用車両で巡回して商品の補充や交換、売上金の回収などを行っていた。同年4月13日夕、勤務中に会社の屋上から飛び降りた。品川労基署は、09年10月~10年3月の半年間で男性の毎月の時間外労働は平均81時間、最長で92時間だったと認定。

亡くなった4月は季節の変わり目で商品を入れ替える繁忙期に当たり、時間外労働は13日間で63時間と、月120時間を超えるペースだった。1日15時間労働、3時間睡眠が続き、男性は精神疾患にかかった。同居していた母(62)は「まじめに働く子で、毎日おにぎりを持たせて送り出した。運転中に食べていたようだが、残すこともあり『食べる余裕もない』と言っていた」と涙を浮かべて振り返った。父(64)によると、葬儀の時、参列した社の幹部から「他の社員も同じくらい働き、特別につらい仕事はさせていない」などと言われ、労災認定後も謝罪はないという。代理人の増田崇弁護士らは「同社は男性の職種を『セールスマン』と呼び、残業代をほとんど払わず、売り上げに応じた販売コミッション(手数料)を与えている。男性の月給は手取り20万円を切ることもあった。若者を使い捨てにする異様な勤務、給与実態だ」と批判。同社総務部は「現時点でコメントできない」としている。

子会社はこの不況の影響で馬車馬のごとく働かされるんでしょうね。姉に記事のようなメールを送ったのだとすれば、ここでもう覚悟はできていたんでしょうね。私はどんなにつらいことがあっても絶対に自殺はしちゃいけないと思っていますが、死ぬほどつらいことがずっと続けば絶望してしまうのも無理はないと思うようになってきました。食事をとる余裕すら与えられないということはこれはもう正真正銘のブラック企業で決定ですね。ここまで一人の人間を追い込み、死に追いやっておきながらもせず、死に追いやったという自覚すらない幹部の言葉を聞くと、この会社の程度がよくわかります。いつも日の目を見るのは大手ですが、その子会社や下請け会社はえげつない程労働させられ、社畜と化しているんでしょうね。嫌なら辞めればいいと言う人がいますが、今はどこも就職難ですので簡単に転職できるわけではありません。みんな、次が見えないから今この場所で踏みとどまるのが精一杯なんですね。このように従業員を人として見ず、人権を与えていないような会社はまだまだ山のようにあるんでしょうね。