KWATのblog三号二型

オレに模型を作る時間をくれぇ~っ!

「秋田の教育を考える会」の主張をチェック!

2005-07-14 02:29:23 | 社会
 先のエントリーの続きです。この「秋田の教育を考える会」という団体が扶桑社の教科書について評価をしておられる、『【写真で見る】つくる会教科書』というページを2回に分けてじっくりと見てみることにしませう。当該ページを別窓で開いて、写真をチェックしながらご覧になると一層理解が深まることでせう。(^o^)

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@まず歴史教科書を見ました
あたらしい「つくる会」歴史教科書の表紙。
『記述の始まりは帝国書院では「日本にやってきた人類」となっている。国際的な広い立場。』
『しかしつくる会は「日本のあけぼの」から始まる。日本中心主義。』
 日本の中学生が使う教科書が日本中心に書かれていることがなぜ問題なのでせう。
『神話が本当のことのように書かれている。戦前の天皇制を呼び出そうとしている。』
 写真を見る限り、「神武天皇の東征伝承」「ここでは「古事記」にある神話のあらすじを紹介する」つまり言い伝えだよ、神話だよ、ってきちんと書いてます。ここのどこに“本当のことのように書かれている”箇所があるというのでせう。3枚目の写真に至っては神話を元にした絵画に過ぎません。
@欧米は帝国主義、日本は自衛のために戦争をしたという居直りの思想
 という見方で見ると、
「この日本に向けて、大陸から一本の腕のように朝鮮半島が突き出ている」
 という単なる事実の描写ですら問題になるようです。「日本は、中国と朝鮮半島の動向に注意を払わなければならなかった」辺りの下りが気に入らないのかしらん。
このような思想がまかり通るなら、日本以外の国はすべて敵だという発想になる。
 いくらなんでもそれは飛躍しすぎでせう。もっともこの当時も今も、地理的に近い国のほうが要注意ってのは変わらないと思いますが。
「欧米は帝国主義」で日本は自衛のために侵略をした?!
 「日本が侵略した」なんてここのどこに書いてあるんです? 日本が欧米列強の植民地化を免れたのも事実ですが、それが何か?
列強の仲間入りをした日本」。
日本が仲間入りすると「帝国主義」は「列強」と言い換えられている。自己中心的なご都合主義。
 あれ? 先に出たこの写真の部分ではちゃんと「このような欧米列強による領土拡大政策は、帝国主義とよばれることがある」と書かれてますが。もうお忘れで。
@日清・日露戦争の勝利に酔う「つくる会」
大日本帝国憲法を全面賛美する
 当時の人々が賛美したのは事実ですし、あとの記述は単に憲法の内容を解説しているだけに見えますが。
日清戦争の「勝因」を分析。
 事実を事実として受け入れるのがそんなに気に入りませんかそうですか。
戦争の「決意を固める」ことはまるですばらしいことのよう。。。
 日本国が日本国として世界の中で生き残るために、やむなく戦争で事態を打開することを決意することは決して素晴らしいことではありませんが、この教科書の記述は単に事実を書いているだけに見えます。19世紀末から20世紀にかけての時代は、それが世界の、欧米列強のスタンダードだった時代である、ということをまず認識してくださいな。
「東郷平八郎司令長官の指揮の下、兵員の高い士気とたくみな戦術でバルチック艦隊を全滅させ、世界の海戦史に残る驚異的な勝利を収めた」(日露戦争の戦果をたたえる恐るべき教科書)
 だから事実を事実として以下ry
ネルーの引用をして日露戦争を正当化する「つくる会」
ところがこれは帝国書院に載っているネルーの言葉。扶桑社の引用と逆の結論になっている!
 まさかネルーが日露戦争について語ったことはひとつしかない、とか思ってませんよね? それに帝国書院のほうにも「日本のロシアに対する勝利がどれほどアジアの諸国民を喜ばせ、こおどりさせたかということをわれわれは見た」という記述があるぢゃないですか。ここはスルーですかそうですか。
@「大東亜戦争」の肯定
真珠湾攻撃の戦果を誇る写真掲載。「空母は不在で損害を与えられなかった」とまで書かれている。もっと損害を与えたかったという立場。
 なんで事実を事実として淡々と書いただけなのに「もっと損害を与えたかったという立場」なんて勝手に深読みしますかね~。言いがかりに過ぎませんよこれは。
日米開戦を自存自衛、大東亜戦争と肯定している! 戦前の大本営発表そのもの
 「この戦争は「自存自衛」のための戦争であると宣言した」という事実を書くと、教科書の執筆者がそれを肯定している、と捉えるわけですか。ずいぶんと短絡的ですね。
「戦果に酔った国民」といわれている。つくる会は国民を酔わせるほどの「勝利の快感」にあこがれているのだろうか。
「日本の緒戦の勝利は、東南アジアやインドの人々に独立への夢と勇気をはぐくんだ」
「アジアの人を奮い立たせた日本の行動」
「日本を解放軍として迎えたインドネシアの人々」
アジア植民地化戦略だった「大東亜会議」を肯定的に説明する
 以上、事実を事実として以下ry5連発。深読みすんなって。
国家のための犠牲をたたえるつくる会教科書
 ふむ、江戸末期に日本中で起こった内戦が手が付けられない状態になっていたなら、その隙に欧米列強の侵略を許していたかもしれない危険性は考慮に値しない、と。フムフム(._.)¢メモメモ
「多くの国民はよく働き、よく戦った。それは戦争の勝利を願ってのことだった」それがすばらしいことでもあるかのように。。。
 当時の倫理観と現在のそれをごちゃ混ぜにして語ることの愚
日本の将兵は、敢闘精神を発揮してよく闘った」
「日本の南方進出は、もともと資源の獲得を目的とするものだったが、アジア諸国で始まっていた独立の動きを早める一つのきっかけともなった。」これが太平洋戦争の最後の結論になっている。
 だーかーらー、事実を事実として見てちょーだいよ。
@戦争の悲惨さを隠す
「南京事件」と南京大虐殺を否定する。
 “南京大虐殺”が事実かどうか不明なんですから。肯定しておられるあなた方は「大虐殺はあった」という確たる物的証拠をお持ちなんですね?
「南京大虐殺」と本文で紹介する帝国書院。これも十分だとは言い難いが。
 事実かどうか判らないことを「あった」と断定するほうが危険だと思いませんか? 思うわけないか。
沖縄戦はたったの3行。
 分量が少ないとなにか不都合でも?
@共産主義のあからさまな否定
「二つの全体主義」などといってまったく異質なファシズムと共産主義を並べる。天皇制が一番いい制度だといいながら。。。
 さぁ本音が出てきたようですよ。日本の制度と相容れない共産主義をネガティブに記述することはそんなに悪いことですかね。だいいちこの教科書は「天皇制が一番」なんてどこにも書いてませんし。
日本のやった戦争の悲惨さは隠しながら、ソ連の悪行を強調。
 別に日本がやった戦争の悲惨さを隠してはいないと思いますがね~。それはそれとしてソ連の悪行(対日参戦だってシベリア抑留だって歴とした国際法に反する行為ですよ)だってきちんと書かないとバランスが取れないのでは? それともソ連の悪行を書かれると何かマズイことでもあるんですか?
ロシア革命に日本が干渉したシベリア出兵も居直る。
 だから事実を以下ry。それにそれは当時のスタンダードだったんだってば。
「共産主義陣営の崩壊によって、約70年間の共産主義の歴史の実験は決着を見た。この体制は人々に豊かで安定した暮らしを保障することができず、言論の自由など政治的権利を保障することもできないことが明らかとなった」
「つくる会」は再び始まった戦争の時代に、ロシア革命のように労働者民衆が立ち上がることを恐れているよう。
 みなさーん、ここ、試験に出ますからねこの団体は日本においてプロレタリアート革命を夢見ているのかもしれません。今どき。( ´,_ゝ`)プッ
@戦犯ヒロヒトを称揚
 昭和天皇を「ヒロヒト」呼ばわり。やっぱ共産主義者のクォリティは違います。
@帝国書院の教科書の記述
(↑ずいぶん減ってしまっているが、扶桑社に比べればはるかに加害の記述がある)
 逆にこっちのほうが危険な感じ。戦後の自虐史観、捏造史観に囚われた記述が目に付きます。

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 次は公民の教科書です。

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10 コメント

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Unknown (みほり)
2005-07-14 14:17:43
正直な感想を言えば、この人達は全て現在の視点からしか歴史を判断できないという歴史教育における最大の愚を犯しまくっていますね。「当時の視点」というものを背景に判断しなければ歴史を正しく理解する事は不可能です。そうでなくても「過去に誤謬の無い民族、国家は存在しない」のは周知の事なのに。まるで日本だけが悪い民族、国家だったと言わんばかりのコメント。こういう連中に歴史を語って欲しくありませんな。(元東洋史学専攻)
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既視感 (KWAT)
2005-07-14 22:44:23
 これを纏めながらですね、なんかこういうのってどこかで聞いたことあるんだよな~、って思ってたんですよ。さっきわかりました。中朝韓の物言いと似てるんですわ。マジ勘弁。共産主義の概念はそりゃぁご立派ですけど、それを掲げたかつての共産主義国家の現実はどうだったというのでせう。この方達はソ連を始めとする元共産主義国家の現状をどう評価しているのでせうね。
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これだけで (あいぼりい)
2005-07-17 09:01:55
ヒステリーおこして狭視野になった見本みたいな展開ですね。

それに今時の日本の子供が教科書に記載の情報のみで

教育されると思っていること自体が大間違いですよ~大陸の某大国と違い情報の検閲・規制もないし、国家の方針として特定の国に対する「憎悪」を教育したりしないし。

日本の先生は忙しいので熱心に全体主義復活を狙った授業なんかしてる暇はないですよ・・・
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神話。 (似非紳士)
2005-07-17 11:40:18
なるほどね、神話を教えたら軍国主義に結びつくんだ。

つまりギリシアでギリシア神話を教えたり、ローマでローマ神話を教えたり、北欧で北欧神話を教えたりしても軍国主義なんだねぇ・・・。



文化の否定ですね、つまり。
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という事は (みほり)
2005-07-17 12:18:34
>似非紳士さん



韓国の歴史教科書にある檀君神話もアウト、って事

ですよね?(w 自爆もいい所だなぁ。
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なんつーか (KWAT)
2005-07-17 22:19:43
 こんなことを考えてる連中が『子どもの将来を考える』なんて抜かしてるんですから空恐ろしいです。



>>あいぼりいさん



 日教組の考え方に染まった教師が、それと意識せずに(意識してるかもですが)自虐史観を教え込んでいるのは(悲しいことに)当たり前の授業風景でせうけど、その逆は現状ではあり得ませんよね~。



>>似非紳士さん



 ようこそいらっさいました。神話ってどこの国のでもそうですけど、要するに物語なんですよね。たぶんこの方たちは古事記や日本書紀を読んだことなんてないんと違いますかね。ワタシは古事記なら読みましたが、倭建命の話なんて日本初のヒロイックファンタジーとも言えますし、物語として素直に面白いんですけど。まぁ古事記や日本書紀を読んで「天皇とは何か」と思うことはあるかもしれませんが、それが敗戦までの天皇崇拝に即結びつくわけでなし。
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まったく、サヨクって (まったり)
2005-07-18 19:32:30
KWATさん tbとコメントありがとうございました。



サヨクってホント、頭悪いですよね(笑)



それも、自分たちが絶対の正義と信じ込んでる。

オウムとあまりかわらないような。

もちろん、背後で煽っている工作員は覚めてますけどね。

日本は簡単に利用されているお人よしが多すぎです。
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まさに「盲信」 (KWAT)
2005-07-19 14:22:46
>>まったりさん



 ようこそいらっさいました。ワタシ的には別に左翼的な思想は否定しません。一種の理想ですから耳に聞こえがいいですし、実際きちんと実現できればどんなにか素晴らしい世界ができあがるかと思います。でも現実問題として、人間が人間である限り左翼な人の語る世界は実現不可能なんですよ。ソ連の末路を彼らはどう見ているのか。それなのに、自分たちの思想を唯一絶対の正しいモノとして盲信し、それに反する思想や人を手段を選ばず攻撃する。いつまでもそんなことしてるから、『だから左翼は・・・』って言われてしまうのがなぜ判らないのでせうね。
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Unknown (N)
2005-08-06 02:15:09
なんでもかんでも、KWATさんのスタンダードが世界のスタンダードになってませんか?
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半分当たりで半分ハズレです(^o^) (KWAT)
2005-08-06 03:20:40
>>Nさん



 ようこそいらっさいました。ワタシは自分と異なる主義主張をお持ちの方のコメントであっても、無視したり削除したりなんて心の狭いことはしませんのでご安心ください。



 で、仰るとおりここで書いているのはワタシのスタンダードです。でもこれが「世界のスタンダード」であると書いたつもりは全くありませんし、ワタシのスタンダードを他人に押しつけるつもりも全くありません。



 主義主張は人それぞれですし、またそれを互いに表明し合える自由は最大限尊重されるべきだとワタシは考えています。ですからワタシがここで書いたことがお気に召さなければ存分に反論なさって下さい。なおその際このコメント欄での議論はご遠慮願います。こんな片隅で議論しても、せっかくの有意義なやりとりを広くネット世間に知らしめることができませんから。ぜひご自分のブログを開設して、Nさんの主義主張を展開していただきたいと存じます。トラックバック機能を使って存分に語り合おうではありませんか。(^o^)/
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