鯛焼きのあんこ、頭の先から尻尾までぎっしりつまってます。って感じの濃密な映画を観てしまった。wowowで。wowowは良い邦画をバンバン見せてくれるね。先日の三国連太郎の「未完の対局」といい。なんか宣伝になってるかな。
松本清張原作&脚色のミステリー。
何が凄いって、岩下志麻が弁護士ってこと!あの極妻、もしくは上流階級の奥様、そしてメナード化粧品のCMしか知らなかった(岩下志麻はブランドみたいなもので、上品な役どころしか演じないと思ってた。極妻も気の強さに上品がある)ので、軽くショックを受けた。小津映画で普通のお嬢さんやってる時もちょっとショックだったけど。それはまだ、ブランド化してなかったからかもしれん。
とにかく、敏腕弁護士役なのだ。キリッとした口調で検察側に切り込んでいく。けど、どこかお色気が漂っているのだ。今どきの演技派女優ならまずしないような仕草、脇の下から二の腕を上げて壁にもたれるとか、フワッとした髪型に手をやるとか、ちょっと懐かしいエロチックな腰の動きを法廷でも接見してる時もチラチラ見せていたような気がする。それは岩下志麻独特の昭和の色気なのだろうと思う。それとも、弁護している容疑者が桃井かおりなので、そうなるのか?
桃井かおりは、やっぱり独特の桃井かおり節(懐かしい)。保険金殺人を疑われる毒婦役なのだが、陽気でヤンチャな性格で彼女らしく演じていて、ハマってるが意外性はない。ただ、ラストは、ちょっとゾクッとさせるね。
役柄的には賢くそして厳しく生きる弁護士岩下志麻vs今が楽しけりゃ殺人でもなんでもやってのける毒婦桃井かおり。でも、どちらも、上品な色気と陽気な色気で魅了される。最後までたっぷり堪能できる映画。
若き日の新聞記者役の柄本明が、柄本2世にソックリ。
って、前半見逃してるんだけど。