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難解!「佐々木、イン、マイマイン」は桜庭一樹氏オススメ

2022-05-24 23:32:00 | 日記
「佐々木、イン、マイマイン」は、DVD化された時に、評論家がまあまあ褒めてたので観た。
でも、知ってる役者がひとりも出てこないし、きっと新人監督が、初めて長編に挑戦して、ちょっと未熟で変わった映画が出来ました。ってところかな?と勝手に解釈して終わらせていた。

ところが、今回、桜庭一樹氏の「少女を埋める」に「最高の映画だったから百回観て」と紹介されていた。(百回読め、血と肉になる。は佐々木のセリフ)
えっ?あの佐々木、イン、マイマインを?そんなにいい作品だったの?

「佐々木という、親からネグレクトされていた高校生の同級生を巡る出来事から、仲間たちの青春が終わっていく姿を描く物語。これは本当に素晴らしい映画だった」(本文より)
それで遠くの大きいTSUTAYAまで走り、2回目の視聴をすることにした。
桜庭一樹氏の解説を読んで、鑑賞してみるとなんと!見逃してる部分が山のようにザクザクと見えて来た。そして、じわじわ心に沁みてくる。あと、朝ドラに出演していた村上虹郎さんが熱演してるのも発見した。

桜庭一樹さんは、佐々木の一目惚れシーンに感激していた。顔で選ばす、女の子の歌の選曲に惚れたのが流行りのルッキズムと関係なくとても自然な流れで描かれてるのが良かったと書かれていた。

私が一番印象的だったのは、佐々木が、同級生のユージに「お父さんは?」(佐々木の父はほとんど家に帰ってこない。)「警察には?」と聞かれると、「行った」と応える。ややしばらくしたあと、佐々木が涙目になりながら「…ユージ、やりたいことやれよ。お前、大丈夫だから」と励ますシーン。佐々木が親に放置されているという過酷な状況にいて、本当は励まされたいのは、佐々木自身のはず。なのに佐々木自身、そのことから目をそむけようとするかのように人を励まし、カラ元気を装う。もしくは、自身をも励ましてるのか…
高校生のユージには、なんと言っていいか分からない。
むなしさが胸を突く。
強く生きて、などと簡単にテレビやドラマは言うけれど、土台が弱い環境下で育った人にどう強くなれと?
せめて、ユージ(彼もボケ始めた?祖母と2人暮らしのよう、ヤングケアラーか?)のように、誠実に彼に接して行きたい、自分ならそうしたいと思った。


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