車好きオヤジのブログ

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泣こうが喚こうがせんない話

2023-06-27 04:28:42 | 日常
今日は例の続編ね。
あれは新オヤジ1号が納車の日の事だった。

午後から納車と販売店から聞かされていたがカローラのリヤトランク内は
日頃の整理不足か仕事用具が多いのかとにかく満載で
一旦どこかに下ろすよりはその場で積み替えた方が効率も良いと
こちらから販売店に出向くことに。

と言っても自分でトランクに詰めるレベルの荷物なので
どれもこれも大きさや重さはたいしたことの無い物ばかり。

天気もその日を祝うような好天だった。
午後1時に着くともう既に外の駐車場に
ピカピカの新オヤジ号が停まってるではないの。
午後からというだけあり多分昼前までに準備は万端にしてくれてたのだろう。

真横に並べて早速荷物を入れ替えよう。
すぐに店のM社長も何か手伝いましょうかと出てきてくれたけど、
面倒をかけるのもどうかと思ったのもあり、
自分でするからとやり始めた。

一応は奥に入れておく分とすぐに出せるようにする物との
拘りもあったりする訳で自分なりにテキパキと進めていたはず。
見守るようにMも傍でずっと立って待っていてくれていた。



リアのドアを何度か開け閉めの際に何故か違和感を感じていたのが、
はっきりとした確信に変わったのは後部の座席のシートクッションを
置こうとして再び車外に出た際のことだった。
気づいてみればちょっと嫌な物を発見。



ありゃりゃ、右側リヤドアのウインドの下、
ドア取っ手のトランク側に何かで擦ったような2センチ程度の傷がある。
丁度イタズラとか嫌がらせで硬貨みたいな物で強く傷つけたみたいに。
素人なりの判断だがコンパウンドで消せるような擦り傷ではなく、
塗装の下地まで一緒に削り取られたようなものだった。




すぐにMにこれはどういう事なのか、
またどうしてくれるのかと問い詰めた。

かなり焦ったように一度店内に入って行ったMだったが、
こちらの心境はアゲアゲ一転、ベタベタの急降下だ。

まあ昔からの付き合いのある仲でもある気心の知れたMでもあるし、
無茶や無理は基本的には言うつもりもない気持ちでいたのだが、
その意を汲むと思いきや連れて出て来た超ベテランの幹部であり、
前社長、彼の親父つまり先代社長時代からの腹心でもあるYの発言で
急激に感情を高ぶらせてしまった。

M:「こんな事になってるんやけど、どないしたら良いかな?」
Y:「そやなあ、こりゃ簡単にいかんなあ。
  どないかして上手くごまかせる塗装屋がおったらええんやけど、
  この色は特殊なメタリックやから色合わすのがかなり難しいしな。」

いくら私が大人しくて物わかりの良い人間だとしてもこれにはカチンと来たね。

私:「Yさん、ちょっと待ってんか。
  黙って聞いてたけどそうもいかんから言わせてもらうけどな。
  何処の誰がごまかしてくれて頼んでるねん。
  俺がぶつけて修理に持ち込んだ中古の車の話ならええわ。
  これは新車として今日、今引き渡すつもりの物やろ?
  そうならサッサと別の新車を用意せんかいな。
  出来ひんのならまず最初に謝罪するしかないやろがいっ!」

続けてMにも
「俺は無茶も無理も嘘も言いたくない男なのは知ってるやろ。
場所的にも俺のみぞおち辺りの高さやし、擦れたりぶつかったりは
してないのはずっと見てたはずやわな。
万が一俺が何かしたのなら正直に言うけど、全く何もしてないしな。
納期が多少遅れるのは辛抱するから塗装済みのリヤドアを
手配してすぐに付け替えしくれたら勘弁するわ。」

と言ってはみたが実はこれはかなり難儀な事なのではある。
金銭的な意味ではなく純粋に技術的な意味でね。

生産工場の塗装ラインではボデーもパーツ(ドアやボンネット、トランク等)は
同時期に同じラインで塗装するのが原則なのである。

では何故か。
量産車の工場では職人が塗装ガンを振って塗るのではなく、
通常自動機(ロボット)で塗布するものなのである。
但し車の塗装は塵や埃に非常に敏感というかシビアな作業であり、
塗装工場は防塵対策にあらゆる方法で努めているのだ。
工場の出入口にはエアシャワー室があるし、
特に塗装ブース内では従事する者にも除塵服やマスク、帽子は当然の事、
帯電防止の靴まで履かせているのである。
ある意味クリーンルーム化していると考えてもらえばイメージ涌くだろうか。
だがそれでも人の目には判断出来ない微細な塵や埃が舞っているのが
現実で同じ塗料、ロボット、ブースで塗布したとしても塗面は
その塵や埃が微妙に混じった状態で乾燥させた物が製品化されているのだ。

加えて黒とか赤や白の単色ならまだ差異は少ないものの、
今回注文した車体色プレシャスメタルはメタリック系の新色である。
単に同じ色のドアを注文したとしても必ず合うとは限らないのである。
いや厳密には私みたいな素人の目はごまかせてもプロの目には
まず合わせるのは困難だと言われているのだ。
なので先に私がMに言った新品の同色ドアはまず99%は合わないレベルなのだ。
ドアと車体との見切りがある時点でアウトになるのは間違いない。

では何故素人に判らなくてもプロに判ると困るのか、
実害は無いだろうと思うのはやはり素人の感覚。
それは次回の下取り査定時に響くのだ。

運転どころか何もしていない状態で修復車、
最悪はドアをぶつけて修理した事故車として認識されるのは
下取り金額的にもかなりダメージが大きくなるってものなのよ。

冒頭にも書いたように私はモンスタークレーマーでも輩でもないし、
乗る前からリセールバリューを考えるような細かい人間でもないつもりだ。
正直気分の問題なのだ。
新車を迎えてルンルン気分で来店している客の心理を一体どう思っているのか。

加えて最初の対応の前提がおかしい場合は絶対納得したくないのは当然だろう。
それを判っているであろうMでさえ動転してしまったのだろうか。

怒る私に対してYの発言はまだ更に火に油を注ぐ勘違い爺。
「いえ下取りの際に不利になる分の金額になるかどうかは判りませんが、
後日何とか幾らかでも返金させてもらいたい。」とな。

この爺さん、全く判っとらんな。
銭金は必要な物に間違いないがそれよりもどう謝罪と誠意を見せるのかが
一番肝心ではないかねえ。

オロオロするMとY。
だけど一番ショックを受けてるのは誰だってことに気づかないのが情けない。

下取りに出したカローラは既に売れ口も決まり
今日にでも移動させる予定になっている。
仕方が無いので一旦そのまま乗って帰ることになり、
具体的な解決策は後日の連絡となった。
まああちらはプロなのでお手並み拝見としまひょか。

これを読んだガズともならどう思うかい?
さあどうする俺。
どうしてくれるディーラー。

ほんま気(ケ)の悪い話やないかい。
暇を見つけて厄神さんにでも行くべきだろうか。