何故にZZR1400

　
ある人のブログを読んだ…。

その人は今、バイクの乗り換えに迷っている。
その候補の中にZZR1400が…。

色々読んでいる内に、俺は何故ZZR1400を購入したのかと
疑問が湧いてきた。

ZZR1400発表と共に、キター！と思い、現物も見ないで予約。
それほど、コイツに何かを感じ、惚れ込んだ。

もちろん、その顔つきや、「世界最強」の謳い文句、
GPZ1000RX、ZX-10、ZZ-R1100、につづく正当な伝承車であることなど
端的な理由は、数多くあるだろう。
でも、その根本となったモノは何なのか…
正直今まで、あまり考えていなかった。

何故そのデザインに惹かれたのか…
何故カワサキなのか…
「最速」なんて事だけ考えても、その運動性能からしても
明らかにSSの方が上回るだろうし…

いろんな疑問が、頭を巡りながらも
その人の過去記事を読み進めると、一枚の画像に目が留まった。
そして、あっ！と、おもわず声を出してしまった。

天野喜孝氏のイラストだった。
黒馬を操る女性のイラスト…

このイラストを見た瞬間、自分の心象風景に触れる想いがした。



俺は天野さんのことは昔から好きで
この人の絵いいな、と初めて天野さんを知るきっかけとなり
今でも天野さんの作品の中で最も好きなものが
「竜戦士ハンニバル」という小説の表紙。
(古すぎて、皆は知らないだろうけど…)
物凄く勇ましく、美しい黒馬に跨る、竜戦士…

そう、これも「黒馬」

思い起こすと、子供の頃から、
なにかと「黒馬」に惹かれるものを感じていたのに気が付いた。
しかも、ダービーのような平和的な馬ではなくて
戦闘を共にするような「黒馬」に…

その他の天野さんの作品にしても、やはり黒馬をモチーフとしたモノは好きだ。


今でも師と仰ぐ、ファンタジーアートの巨匠、フランクフラゼッタの
最も気に入っている作品も、「黒馬」がモチーフになっていた。


幼い頃見た映画「ベンハー」も、
それ以外の映画でも、
やっぱり黒馬が出てくるシーンには、惹かれていた。


どうやら俺は、ZZR1400に黒馬のイメージを重ねていたみたいだ。

そう気付いたとたん、いろんな事が見えてきた。

速さではZZR1400に劣らぬSSには、何故魅力を感じなかったのか。
それはSSに対して、何かロボットのようなイメージを持っていたから…
俺は、どんなに優れたメカであろうとも
どんなに強大なパワーを持ったマシンであろうとも
ガンダムに跨りたいのではなかったのだ。

最速で無かろうが、どんなに気難しかろうが、
多少左右対称じゃ無かろうが、精悍な黒馬に跨りたかったのだ。

まさに愛馬を求めていたんだろう。

とかくKawasakiのマシンには、そういった生命感みたいなものを感じる。
そして、他社のスポーツ的なものとは違う、戦闘的なものも感じる。

そんなこんなをカミさんに話したら
「もしかして、前世は黒馬に跨る、武将だったり…」
なんて言われた。(笑)

ただ、黒馬に対しては、なんとも言いようの無い感情があるのは確かだ。