ZZR1400 PHANTOM Ninja 黒影

愛馬ZZR1400と、日々思うこと (゜o。∀。o゜)

ZZR1400 新旧比較インプレッション

2010年01月13日 23時27分21秒 | ZZR1400
 
はじめに・・・・・・

新しいZZR1400が納車され一年。
そこで、今まで乗った新旧のZZR1400を比較しながら
一年間感じた事をまとめてインプレッションしたいと思います。

ま、インプレッションと言っても、いかんせん素人なので
そこはそれ、街乗りメインの一オーナーの戯言だと、
暖かい目で読んでくださるとありがたいです…ははは(;´▽`A``





さて、世の中にZZR1400、あるいはZX-14は、本当にたくさんの仕様があります。
欧州各地の仕様から、オーストラリアやロシアなどの仕様に至っては
残念ながら、日本ではあまり情報が入手しづらく
よく判らんというのが正直なところです。

一応、それらの中から、日本で入手しやすいマレーシア仕様と
北米仕様を表にしてみました。
ホントざっくりとですが…(^ヮ⌒〃;)>

ZZR1400 ZX-14

便宜上、2007年までのモデルを「初期型」とし
2008年以降のモデルを「後期型」とさせてもらいました。


この内、俺が保有したマシンは、'06 ZZR1400'09 ZZR1400 ABSになります。
表のピンクで塗られたマシンですね。

こうして表にすると判りやすいと思うのですが、
こと馬力と車重に絞って見てみると
かなり乱暴ですが、後期型ABSというのは
初期型ZX-14を、9kg増しにしたマシンだとも言えるのです。

初期型から後期型へ移行するに当たり、ECUマップも変更となりましたが
この「9kg増し」も、大きく走りに影響してくるんですねぇ。

同じABS無し同士、ABS同士であれば、その差は5~6kgと、約半分になりますが…。
このMC(マイナーチェンジ)で、他が5kg増しに対して
ABS同士だと、何故6kg増しなのかは、謎だが…四捨五入?(笑)


いやぁしかし、9kgってのは大きいっスよ。
米1袋分ですからねぇ…。
そりゃあ、フィーリングが変わってきますわな。

ですので、同じABS無し同士、ABS同士での新旧比較を求めている方は
俺のインプレから、車重増量分の影響を、約半分として受け止めてくださいね。(*ゝー・)b


ZZR1400 黒風



■取り回し
車重増量による直接の影響が出るだろう取り回し。
コレは意外と少なかった。
重量の増した箇所の殆んどは、下周りに集中しているためだろう。

ちょっとでも地面に傾斜がついていると、'06に比べ若干重く感じるが
すぐに慣れてしまうレベルだった。

■トルク
後期型は、初期型にあった2000~4000rpm付近のトルクの谷
多少フラットになっている。
最高出力がアップしている中、この低回転域でのフィーリングが
初期型と後期型との差として一番顕著に出ている部分だ。

有り余るパワーを制御できなくても危険、という事から
初期型に設けられた谷だったのだが
俺としては、後期型のパワーカーブの方が乗りやすかった。
欲を言うと、もう少しトルクフルでもいいかな。
セカンダリーバルブの撤去という手もあるが、
話が逸れるので、ここでは止めておきます。
あくまで、ノーマル比較ということで♪

フラットになったといっても、CB1300などのように
半クラ無しでストレスなくグワングワン立ち上がるというような
図太いトルクマシンになったというものではない。
基本的には高回転型マシンという性格はそのままだった。

いずれにしても、この多少太くなったトルクのおかげで
立ち上がり加速が数段良くなった。
もたつき感が減少したというか…。
明らかに高速域に達するまでの時間が短縮された感じだ。


この強化された低速域のトルクは、
特にタンデム走行にも、とても良い影響を与えている。

初期型では、多少無理してる感があったのだが、
後期型では非常にストレスなく立ち上がるようになった。
この事は、発進加速、追い越し加速、コーナー立ち上がりなど
全ての動作に少しづつプラスに働き
1日を通すと、かなりの疲労減少に繋がることとなる。

また、そのちょっとしたトルクの余裕から、心にも少し余裕がプラスされ
よりセーフティライドに神経を注げるようになった。
疲労減少に心の余裕、これは本当に有り難い事だ。


ZZR1400 黒風


■加速フィール
ZZR1400には、独特の加速フィールが存在する。
これはカワ車独特のモノで、オーナーは皆この独特の加速感を
「ゴム加速」と言っている。
まったくもって上手い表現だと思う。(笑)

中~高回転の間にパワーが盛り上がる部分が設けられているため
中回転までの感覚のままアクセルを開けて行くと、
極端な話、ライダーの意に反して加速していくのだ。

超フラットな特性のハヤブサなどには無い加速感で
実際の加速としては速くなる方向性ではないものの
ライダーにとっては強力な加速感を印象付ける味付けなのだ。

もちろん100分の1秒を競っているシーンでは
こんな味付けは無用の長物なのだろうが、
日常のシーンにおいては、この味付けがライダーに快感を与えてくれる。

ほんの少しの恐怖感と、大きな高揚感を産むゴム加速…。
正直、この加速感を一度体験してしまうと、病み付きになってしまう。
現に新ブサに乗った時、つまらないと感じてしまったぐらいだ(笑)


後期型では、低回転域での谷が解消された分
このゴム加速が消えてしまったのではないかと危惧する人も多い。

印象としては初期型の方が、ゴム加速感が強かった気がするが
ご安心あれ、後期型でもこのゴム加速は健在だ♪

もしかしたら車重が増した分プラス、山の前後のパワーが上がっているので
ゴム加速感が若干弱く感じるのかもしれない。

ここで、どんな感じかを説明するために
俺の独断と偏見のパワーカーブイメージを描いてみた。

ZZR1400 黒風

あくまでイメージね、イメージ。
実際のパワーカーブとは違うから~(笑)




■超高速域
超高速域からの伸びも、後期型の方がある様に思えた。
特にふやわkm/hぐらいからの伸びは、
初期型より、メーターの針の回り方が速く感じた。
これも10馬力UPしたという、
プラシーボ効果の方が高いかもしれないけどね(笑)

まぁ実際、200馬力前後の世界で、
10馬力UPを人間が顕著に認識できるかなんて疑問だし…
そもそもふおわkm/hぐらいまでは、メーターの針の回りが速くて
その差を認識できないというのが、正直なところなんだけどね…
メーターとにらめっこしている余裕のある速度じゃ無いしね…(爆)

なんか速くなった気がするってのが、正直な感想かな♪(爆)



ZZR1400 黒風


■走行フィール
後期型になり、基本的に直進安定性が増したかのような印象を持った。
これは車重による影響が高いと思う。
逆の言い方をすれば、初期型の方が軽快感があった。

直線で開けて行くと、明らかに後輪にトラクションがかかり
ズゥンと安定しながら加速していく感じだ。

特に超高速域でのリアのフワつき感が減ったように感じた。



連続したカーブなどの切り返しでは、初期型の方がパタパタひるがえる印象が強い。
後期型は重い分パワーでカバーする感じ。

軽くてひ弱な初期型に比べ、重くてパワフルな後期型といった感じか。

たぶんタイムで言ったら、立ち上がりが有利な分
後期型の方が速いと思う。


ZZR1400 黒風


■音
マフラーエンドの径が、ZX-14と同じになった後期型。
径が大きくなったにもかかわらず、音量自体は初期型ZZR1400と大差は無いが
音質は変わった。
低音が強くなったのだ。

また、変わったのは排気音のみではない。
大きくメカニカルノイズが減り、とても静かになった。

新しいバイクになるほど、今までのカワサキらしい無骨な音が消えていくのは
いささか寂しいと思う気持ちもあるが、静かな方がストレスが少ないのは確かだ。


■トラブル対策
初期型にあった、リコールやマイナートラブルは、全て解消された。(と思いたい)
オイル漏れ、タンク内への水の混入、フレームの問題など、
今のところ後期型ではノントラブルだ。

特に嬉しかった変更点は、タンク♪
俺の乗ってた'06ZZR1400では、幸いな事に水の混入は無かったが
気になる事が一点あった。
それはピーピー音

これねぇ、初期型オーナーなら、身に覚えのある人も多いと思うけど
やたらとピーピー鳴いてたのよ、これが。
走っていれば聞こえない程度の音なのだが、停車するたびに
タンクキャップから、「ぴ~ひょろろろ~」とFAXのような音が聞こえてきていたんだよねぇ。

後期型になってタンクキャップが新規になったおかげか、全くこの音が無くなった♪

こういうとても些細な事って、大きなストレスにはならないが
毎日毎日、ちょっとづつボディブローのように効いてくるんだよねぇ。
今ではこのピーピー音が消えたので、
喉に刺さった小骨が取れたようにスッキリした思いだ(笑)


もし、中古で初期型を検討している方は、この辺のトラブルに
前オーナーがどう対処したか、また今後そのトラブルが発生したら
ショップでどう対処してくれるかなど、ぜひ確認してもらいたいことだ。



■メーター
これは文句なしで初期型の方が良かった。
ZZR1400には、A、B、二つのトリップメーターが付いているのだが
後期型のメーターは、コストダウンが目的か、マルチモニターが1400GTRと共通となり、
A、B、が切り替え式になってしまった。
二種類のトリップメーターを一度に見る事が出来なくなったのは
はっきり言って使いづらいと思ってしまった。


ZZR1400 黒風


■総括
基本的に重量とメーターの事を除けば、全てにおいて後期型に軍配が上がると思います。 
重量の問題も、リプレイスマフラーなどに交換すれば、ある程度解決できるだろうし
今、どちらを選ぶかと問われれば、間違いなく俺は後期型を選ぶでしょう。

ユーロ3に対応しつつも、パワーアップ。
正に正常進化というべきマイナーチェンジした後期型だと素直に思いました。

まあ、初期型は初期型で、誰よりも早くこのマシンに乗れるという
何にも変えがたい特典が付いてたからねぇ。
性能だけでは語れないものが、初期型にはあるのも事実です。

今でも俺は初期型に対して、歴史的な一台というプレミア感みたいな
特別な感情も持ってますからね(笑)



今となっては、中古も入れれば、初期型も入手は可能です。

もし、これからZZR1400をとお考えの方は、
とにかく少しでも軽いマシンがいいという方は初期型を。
トラブルにも不安があるし、パワーが欲しいという方は後期型を、
といった感じで選ぶといいかもしれません。

これも、あくまでノーマル状態での話であって、
例えば初期型を弄れば、限りなく後期型に近い性能を得る事は可能だったりするワケです。

なので選択の決め手となるのは、リコールやマイナートラブルの問題のみとも言えます。


それ以外の選択要素としては、
装着したいマフラーによって選ぶという手もあるかもしれません。

基本、エグゾーストエンドの径が違うため、スリップオンは
初期型と後期型で互換性は無いですし、車検対応を条件に入れると
フルエキにしても、自ずと装着できる年式は決まってきます。

なので、どうしても着けたいというマフラーがあるという方は
こういったマフラーから来る選択もあるということです。



以上、長くなりましたが、初期型、後期型を乗った感想でした~(≧∇≦)b





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20 コメント

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待ってました! (じゅんごろう)
2010-01-14 00:13:12
インプレ、待ってましたよぉぉぉ。
3回ぐらい読み返しちゃいました。
ゴム加速、何となくわかりますね~。
547PSなA31セフィーロでも、一瞬だけ逆反比例なパワーカーブの場所がありました。
そこに差し掛かると脳みそが後ろに置いていかれる感じ(笑)

こういうのみるとワクワクします♪
黒さんナイス。
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乗った人にしか分からないけど、その気になりました 笑 (おやじ)
2010-01-14 16:38:40
主観なのに、客観的ですね~。
色々と経験されてるから出てくるお言葉だと思われます。
思わず、自分が経験した気になっちゃいました。
ほんと参考になります。
貴重な記事ありがとうございます。

加速フィールですが、ノーマルの味を知らないままMUZZYS M14+PCV+MUZZYS M14専用マップを装着しましたが、感覚としては、恐らくゴム加速のゴムが更に協力なゴムに変わった感じだと思います。
トルクがアップした、というよりは、フルエキ集合はそれだけ低回転は…ヤッパリダメ?…ということでしょうか。(MUZZYSだからか!?)
特に2,000rpm以下は、ギクシャクして非常に乗り辛い(泣
3,500rpm以下は、まだ鞭を入れる余裕があります。
3,500rpmを超えると、伸びきったゴムに引っ張られるかのように加速し、4,000rpmを超えたところからしがみ付いていないと置いていかれそうになります。(はい、全くもって意に反してます)
黒影さんのイメージグラフの初期型の低回転をもっと低くしたような感じだと思います。

それと、トラブルのところであった「ピーピー」なんですが、'09のZX-14で鳴ってました。
確認したのは洗車直後だったのですが、水でも入ったのかな……。
ちょっと様子見ですね。


それにしても、黒影さんの記事には、ホント永久保存版にしたい記事が沢山ありますね。
これからも楽しみにしています。
スンマセン、オンブにダッコで。
返信する
同感 (08キャノン(冷凍保存中))
2010-01-14 20:21:54
国内・・・いや世界でも数少ないであろう初期~後期乗換え

たまにOFF会で初期モデル試乗してますがあれはアレでアリな特性ですね~

思い返せば初期モデルの良かったところはどこへ行っても注目されてましたw
返信する
笑った~ (乙さん)
2010-01-15 21:47:00
遅ればせながら、今年もよろしくお願いします

ピ~ヒョロロ の音が、FAXの音って
おもいッきり笑ってしまいました
う~ん たとえがサイコーです
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インプレ (metatron)
2010-01-15 23:57:45
大変参考になりました!
初期型、ってそんな感じだったんですね…

報告ですが、納車されました!
凄く乗りやすく、今まで乗っていたZZR400よりも軽いんじゃないか?
って思えるくらいに軽やかでびっくりです(*´-`)

ですが、まだ慣らしが終わっておらず…
ゴム加速を味わうにはまだまだ先になりそうです(笑
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愛馬との会話 (ZZR1100赤影)
2010-01-16 00:43:29
すばらしいインプレです。
オートバイ雑誌でもこんなバイカーにダイレクトなインプレが欲しいものです。
数字ばかりでは全然わからない感覚こそ伝わりやすく、また興味を引きますね。

ゴム加速、名付け親は表彰もんですね。
ZZR1400の実車はありません(乗っちゃうと買っちゅう)がZZR1100でもよく楽しんでました。
まったく同じなわけないですが5速までのギヤーなら
「お、行ける!」という面白い加速をしてくれます。

これはCBRにはまったくありません。まぁ、国内仕様ですから・・・

車両重量こそ感覚ですね、ZZR1100・・・270キロ
ZZR1400に跨り左右に振った時は軽いと思いました。
CBRに乗ったときは自転車かと大げさに感じました。
感覚は慣れにごまかされます。数字では見えない部分が意外と多いですね。

とても参考になりました、ありがとうございます。

しかし、これで国語、ほんとにわるかったの~?
返信する
フィーリングは大切ですよね (ぽんた)
2010-01-16 03:56:41
こんばんわ。08マレーシア・ホワイトフレア仕様に乗ってますぽんたと申します。いつも楽しく拝見させてもらってます♪

初めは一目惚れでZZRを買ったのですが、今では欠かせない相棒です。しかし、黒影さんの情報量はすごいです。数値ではない、フィーリングの部分など細かく書いてくれているのでとても参考になります♪
おかげでだいぶ詳しくなりました♪

うちのぽんた号は残念ながらオイルのにじみが発生してしました(涙)年間2万キロ後半乗ってしまったので仕方がないですよね・・一年点検の時店の方がびっくりしてました(笑)

黒影さんの黒風もいつか拝見してみたいです♪
これからも応援してますね。
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Unknown (暇人)
2010-01-24 00:48:25
詳細なインプレありがとうございます、とても参考になりましたやはり08以降が無難と言う感じですね。
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Unknown (Naoki0079)
2010-01-28 22:20:44
結構かわってるもんですなぁ・・・・
08しか乗ってないオイラにはきずかない事ですたい。

ほんと、メーターは何とかしてもらいたいです。
デカイ液晶ついてるんで生かして欲しいよなぁ・・・
返信する
参考になりました (てるてる坊主)
2010-02-01 00:04:36
黒影さんこんばんは。
新旧インプレとっても参考になりました。
2台乗ったオーナーならではのインプレですね~。
新型にも乗ってみたいような気もしますが
06乗りのおいらには浮気したら今の相棒に可哀相な気がするような、複雑な感じでもあります。。。
ただ、タンクからのピーヒョロ~音については
まったく同感ですね。そのほかにもおいらのバイクはフロントブレーキのキーキー音も気になります。
停止寸前で鳴くんですよね。。。
他のオーナーでも悩まれた方がいるようでしたが、黒影さんの06は大丈夫でしたか?
パッドの面取りでだいぶ軽減はしたのですが。。。
まぁ最高のバイクですし、欠点含めて長く付き合っていくつもりでいます。
お互い長く、永く乗って行きましょう!
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