チェ・ヘジンさんがラジオ出演しました

このブログをフォローしていただいている作曲家のチェ・ヘジンさんが、インターネットラジオ番組に出演されました。

 

 

2022/07/15【美遊空間】【第526回収録】ちよ媛の“愛と幸せを繋げよう“ Artist応援プロジェクト〜韓国からのお便り〜　#エンタメ

 

 

https://honmaru-radio.com/biyuukuukan_mainichi20220722/

 

☆アーティスト名:CHOI HYE JIN(読み方:チェ・ヘジン)

☆韓国出身でプロを目指し,音楽活動を行っている作曲家。

☆大学ではクラシック音楽の作曲を専攻し、

　クラシック音楽のみにとどまらず 幅広いジャンルで活躍中!

☆悲しい切ない心に響くバラードや、

　ピアノ曲などをチェ・ヘジンならではの 感性でアピールしている。

☆自分の音楽をPRするため、

　ー日たりとも欠かせず自作曲をSNSに投稿している。

 

 

 

ヘジンさんはクラシックを学ばれたのですね。今回は『頑張っているあなたに』が紹介されていましたが、聴き直して、よくわかりました。

 

ちよ媛さんも、プロフィールを拝見すると、ものすごく「頑張っている」お母さんです。この曲が好きになって応援したくなる気持ちが、よくわかりました。

 

 

少し昔話をすると、若い頃に、ミュージシャンの方と一緒に仕事をしていたことがあります。

 

幼稚園児や小学生が見る、学習用のビデオソフトの仕事です。

 

私はシナリオを書いていたのですが、どんなBGMや効果音を流すか考えるのも、私の仕事でした。

 

「ドタバタ　コミカルに」「スーパーヒーロー登場」「深い悲しみ」と、どんなBGMを流してほしいかシナリオにイメージを書き添えると、ミュージシャンの方がシナリオを読んで、それっぽい曲を仕上げてくれるのです。

 

ときどき、いたずらもします。たとえば、「深い悲しみ」を使うのは、アイスクリームが棒から地面に落ちて、やんちゃな男の子キャラが悲しむシーンなのです。かわいそうだけれど、女の子キャラにいじわるした自業自得なところが、笑いを誘うシーンです。毎回、ミュージュシャンさんがどんな曲を仕上げてくれるのか、楽しみでした。

 

SNSの相互フォロワーさんに、頭がよくて、センスもよくて、尊敬してきた人がいます。ある名門大学出身で、頭のいい人はちがうなあと思っていました。しかし、最近、その人が、幼い頃に親子心中未遂事件の被害者で、児童虐待を受けながら育ったことを知りました。

 

この人のエピソードに、児童福祉施設でボランティア演奏しているピアニストの話を思い出しました。

 

ピアニストの彼女は、初めてその施設で演奏したときの驚きを、こんな風に語っていました。子ども向けの演奏会の最初は、「犬のおまわりさん」「となりのトトロ」「天空の城ラピュタ」のような、日本人のこどもなら誰もが知っている曲から入るのだそうです。幼稚園や小学校、地域の子ども会なら、こどもたちはノリノリになって、一緒に歌い出すのに、その施設の子どもたちは全く無反応だった、と。

 

児童虐待を受けていた彼ら彼女らは、家庭で親と一緒にアニメや音楽番組を見たり、幼稚園や小学校でお友達と一緒に歌を歌ったりした経験が皆無だったのです。だから、それらの曲を聴いたこともなかったし、どう反応したらいいのかもわからなかったのですね。

 

ピアニストの彼女も、そのことは施設の人に聞かされて、後になって知ったことです。しかし演奏中は子どもたちのあまりの反応のなさに絶望しながら、後半のクラシック曲の演目に入りました。

 

「そこで奇跡が起きたのよ」と彼女はいいます。

 

「クラシックをわかってもらえるのか全然自信がなかったのに、モーツァルト、メンデルスゾーン、ショパンに移ったら、食いつきが全然ちがうの。さっきまで死んだ魚の眼のようだった子どもたちが瞳をキラキラ輝かせて、手も足も一緒になって動かしながら、一緒になって楽しそうに喜んで聞き入ってくれたの」

 

ドビュッシーの『月光』を聴いて、涙を流していた少女がいたそうです。

 

私の知っている人は、周囲1メートル以内に、抜き身の日本等を突き立ててお茶を楽しんでいるような、極限的な美的センスを持つ人です。その人には、のんべんだらりと生きてきた私には理解できない。理解しかねる体験があったのではないか。私はそんな風に思ってしまいました。

 

この世界は救いがなく、辛いことばかりなのに、こんなにも美しいものがあったというのかという驚き、感動、希望。

 

（まあ、困るよねー。さっさとこの世とおさらばしたいのに、この世には美しいものもおいしいものも溢れていて）。

 

そんな辛い思いを抱えながら生き続ける人たちにも、ヘジンさんの音楽はきっと届くであろうと私は信じます。

 

いつかもお話しましたが、音楽は世界共通語ですから。

 

ヘジンさん、世界中の頑張っている人たちに、音楽の福音を届け続けてください。