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沖縄に一指たりとも触れさせない 田中聡局長の発言について

2011年11月29日 | 沖縄
 「これから犯す前に犯しますよと言いますか」

 いったい、政府・防衛省は何を考えているのだろう。

 普天間代替施設建設の環境影響評価(アセスメント)の「評価書」の年内提出については、沖縄意見広告関西集会で、安次富浩さんからもお話があった。

☆辺野古・違法アセス訴訟(名護市ヘリ基地反対協議会)
http://www.mco.ne.jp/~herikiti/justice.html

 「命どぅ宝」(ぬちどぅたから 命こそ宝)というスローガンがある。沖縄こそ未来に残さなければならない世界の宝、命の宝庫である。

 沖縄住民総意の反対の前に、一川保夫防衛相は「年内に提出できる準備をしている」と、あいまいな表現を繰り返すばかりだった。

 この沖縄防衛局長・田中聡の発言は、28日夜、報道陣との非公式の懇談会の席で、防衛相が明言を避けている真意を問われたことへの答え。それが「これから犯す前に犯しますよと言いますか」だったという。

 政府・防衛省は、沖縄住民の意志を踏みにじり、自由を奪い、プライドも認めない、性犯罪者に等しい存在であることを自ら認めたわけだ。これこそ「語るに落ちる」である。

 「140万県民に対する侮辱。防衛相は県民に説明と謝罪し、局長を更迭すべきだ。大臣の任命責任も問われる。沖縄県民への差別、力でねじ伏せようとする官僚のおごりが見え見え。居酒屋では何を言っているのかよく分かった。絶対に許せない」(沖縄平和運動センター 山城博治事務局長)

 「本来なら、地方の出先機関は地元の怒りの声を含め諸問題を収集し、本省に上げなければいけない。(同局長のスタンスは)ただ上から言われただけの伝達係でしかない……日本の政府官僚の沖縄に対する差別意識の表れだ。個人の発言ではなく、組織的な沖縄に対する視点が言葉に出たものだ」(名護市ヘリ基地反対協議会 安次富浩代表委員)

☆「官僚のおごり」 県内で反発の声(琉球新報 電子版)
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-184624-storytopic-244.html

 この田中局長の発言は非公式の懇談の席での発言だが、琉球新報社は発言内容を報じる公共性・公益性があると判断して発表した。それがいまマスコミにも報じられているが、琉球新報の英断がなければ闇に葬られていたかもしれない。どうかこの記者魂を忘れないでほしい。28日夜、記者団との非公式懇談で、田中聡が発言した要旨は次の通りとされる。

 --防衛相は環境影響評価書を『年内に提出する』ではなく『年内提出の準備を進めている』とあいまいに言っているのはなぜか。
 (女性を)犯すときに、『これから犯しますよ』と言うか。

 --沖縄は66年前の戦争で軍がいたのに被害を受けた。
 400年前の薩摩藩の侵攻のときは、琉球に軍がいなかったから攻められた。『基地のない、平和な島』はあり得ない。沖縄が弱いからだ。
 政治家は分からないが、(防衛省の)審議官級の間では、来年夏までに米軍普天間飛行場の移設問題で具体的進展がなければ辺野古移設はやめる話になっている。普天間は、何もなかったかのようにそのまま残る。
                    (時事通信2011/11/29-13:13)
 http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2011112900471

 「基地のない平和な島はありえない。沖縄が弱いからだ」という発言も、同じくらい許しがたいものだ。

 近代以前の軍事・軍制をどうとらえるのか、「防衛省」の役人とも思えないお粗末な話である。自分の立場さえ「防衛」できないエリート面したクズに、どうして「防衛」や「安全保障」を任せられよう。歴史にも無知だ。琉球王国は薩摩軍より多い4千人の兵力で抗戦、いったんは薩摩軍を退けている。

 琉球が敗退したのも、薩摩藩の軍事力の優勢だけで考えるのは早計だろう。なぜ薩摩が侵攻できたのか、またなぜ琉球がその支配に屈しなければならなかったのか。薩摩藩が侵攻した1609年、明(1368-1644年)が解体過程に入っていたからである。日本の李氏朝鮮侵略(文禄・慶長の役)に対する戦費調達がかさみ、財政が破綻していたのだ。明の冊封国である琉球王朝が、秀吉の朝鮮侵略協力を最初は拒否しながら、慶長の役では兵站に応じざるをえなかったのも、明の弱体化と無縁ではない。薩摩の琉球侵攻も、この延長上にある。

 琉球には種子島への鉄炮伝来以前に、火器兵器「火矢」(ヒヤー)が存在したことも知られているし、
http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-107435-storytopic-86.html

 「もっぱら刀剣・弓矢を積み、もって護国の利器となす。この邦の財用・武器は他州の及ばざるところなり」

 この尚真王の宣言は、非武装国家の宣言と解されることもあるが、普通に読めば、「刀や弓矢を集めて国を守る武器とした。琉球の持つ財産・武器は他国の及ぶところではない」(他国より金と軍備を持っている)という意味である。

 太閤秀吉の刀狩り・検地と同様に、琉球王国の刀狩りも、中央集権と軍備強化、階層固定化の一環だろう。

 つまり、琉球には「軍」もあり、軍備を備えた国家という富の集積マシンがあった。だからこそ、薩摩に攻められたのだ。

 もちろん、われわれは、アメリカ・中国・ヤマトの帝国主義者たちの戦争の脅しなど一切認めない。もう基地も戦争もいらない。「ウチナンチューになろう」が、われわわれの回答である。沖縄基地廃絶-日米軍事同盟粉砕! このたたかいは、400年以上、中国・ヤマト・アメリカに翻弄されてきた沖縄がその歴史にピリオドを打ち、国家と戦争をこの地上から廃滅していくたたかいの始まりだ。

 最後に同性同名の方も多いようなので、間違いのないように田中聡局長のプロフィールを記しておきたい。1961年生まれ。大阪大学法学部卒。1984年旧防衛施設庁入庁。那覇防衛施設局施設部施設企画課長、大臣官房広報課長、地方協力局企画課長などを経て8月15日に、沖縄防衛局長就任。


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1 コメント

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Unknown (kuro-mac@osaka)
2011-11-29 20:10:32
ご来訪ありがとうございます。
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(大阪あきんどは、商魂たくましいのだ)
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http://gold.ap.teacup.com/multitud0/881.html

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