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「私の国」を観てから韓流にハマってます。

「フラワーズ・オブ・シャンハイ」海上花。

2009-08-10 14:15:48 | Weblog
気になっていた映画。やっと観ました。
19世紀末の上海を舞台に、清朝末期の高級遊郭で繰り広げられる
男と女の愛憎劇を描いた文芸ロマン。
監督は「悲情城市」「憂鬱な楽園」などで
独特な映像美学を追究するホウ・シャオシェン。
出演はトニー・レオン、羽田美智子、ミッシェル・リー、カリーナ・ラウほか。

清朝末期の上海。遊郭では高級官僚達が毎日のように宴を催している。
王(ワンさん=トニー・レオン)は遊女小紅(羽田美智子)とは5年来のなじみであるが、惠貞(ウェイ・シャオホェイ)の元へも通い始めた。
それを知り泣きやまない小紅を王は懸命になだめるが、対処しきれずただ戸惑うばかり。
洪の馴染みの遊女双珠(カリーナ・ラウ)は置屋の女将の実の娘であり、
他の遊女らの相談相手。
羅(ガオ・ジェ)の馴染みの遊女である翆鳳(ミッシェル・リー)は、借金しては男に貢ぐ女将、黄(レベッカ・パン)を軽蔑し、独立を願う。

王が訪れる度に沈み込み不機嫌な小紅も、そんな自分自身を持て余し気味。
必死になだめる王ではあるが、婚礼にも応じない小紅の真意がいまだ掴み切れない。
ある宴席で泥酔した王が不意に小紅の部屋を訪れると、寝室には京劇役者の小柳(トニー・チャン)がいた。王は激怒し部屋の物を辺り構わず壊していく。それらは全て王からの贈り物であった。

そんなある日、双珠の置屋の新入り双玉(ファン・シュエン)は、富豪の甥淑人(サイモン・チャン)の正妻として収まる方向に向かっていたが、それは彼のただの口約束であった。ショックを受けた双玉は、淑人の「夫婦になれないなら一緒に死のう」との言葉を信じ心中を図る。が、淑人は正体を現して逃げようとし、双玉に罵声を浴びせられる。

19世紀末の上海の遊郭は日本の遊郭の宴会とは大違いですね。
丸いテーブルを囲んで座る男達、それぞれに遊女が付き添い
ジャンケンをして酒を酌み、次々と運ばれてくる料理。
狭い部屋です。日本のようにお膳で一人づつではありません。

しかし女性達の人生にそう変わりは無い、
幼い時に貧しさから売られた娘達を女将が育て、躾、遊女にしてゆく。
でも高級、特別な上海の遊郭、それぞれの遊女には大きな部屋と
世話を焼く娘達が付き、アヘンを吸い、食事もそれぞれの部屋でする。

映画は全て台湾のスタジオ・セットで撮影された。
現実離れした遊郭の閉鎖的なイメージに合っています。

監督のインタビューを見ていると、彼はこの映画には満足していると云う。
しかし、他の撮り方もあったと、それはこんな大スター達を使わず、
ゆっくりと良いロケ地も探したかったといっているのか?

映画では1つのシーンごとに真っ暗から始まり、終わる。
それが宴会の会場や遊女の部屋。
ランプの頼りない光から、アヘンに点す火へ。
長い時間をゆっくりとカメラが追う。
エンディングもさりげなく、これからも繰り返されるであろう
遊郭の男と女の駆け引きと、遊女と女将の関係。

遊郭の話でも一切、ラブシーンは無い。
日本の遊郭を題材とする映画やドラマとは
大違いの悲しいけどゆったりと優雅な世界でした。
コメント (2)
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