めろめろ

とまったままのまま(09年6月25日) 2011.1.15ひさしぶりのぶり

おおくの約束

2009年03月09日 | landmark
 三月の終わりに誕生日の人がいて、ようやく二十歳になるのだと言っていた。もうぜんぜんぼくなんかよりおとなびていて、おしとやかな人なのだが、ぼくのほうがはやく生まれていたのだった。
 新しい校舎には、もう机とか棚とかを持ち込んで、事務の人が忙しそうにデスクワークをしていた。
 かなり今風の建築で、ガラス張りの部分が多い。ので、道を歩いていても、三階までスケスケなのである。だから、あそこの小さな部屋でオッサンがふたり向かい合って座っているな、なにしてんのかな、お話してんのかな、と思う。
 梅の花も今ちょうど満開。
 で、この前つくしがいっぱい生えているところを見つけて、そこでつくしをいっぱい採って、佃煮にして食べちゃった。
 母は「お、う、なんじゃこりゃあ」と言っていたけれども、おいしかった。
 四月九日に誕生日なのです、という人もいた。
 その人が「誕生日は、四月九日ね」と教えてくれたとき、ぼくは戸惑った。
 遅い誕生日なのか、かなり早めの誕生日なのか、とっさにはわからなかったからだ。それでまあ、結局「かなり早めの二十一歳」という事実が判明したわけである。
 ようやく二十歳になった人の、その何日後かにはもう二十一歳になる人がいて。
 なにか今とても欲しいものがある?
 とさりげなく聞いてみたら、公園とか、緑地とか、って言った。むーん。
 万博公園ぐらいしかおれは知らないけれども、そこでよかったら案内します、てことになったけど、だいたいいつもこの人とぼくの約束は、あんまりうまくいかない。
 絵を描いている。
 しかしぼくの絵は、欲しがられる絵ではないし、もらうとすっごくうれしい! ていうものでもない。
 まあいいか、しばらく、四月までは、この感じで。