めろめろ

とまったままのまま(09年6月25日) 2011.1.15ひさしぶりのぶり

もさくもさくもさく

2009年01月02日 | もさくもさく
 やりかけの絵を残して、冬休みになった。
 冬休みは丸ごとアルバイトみたいな感じになっていたので、しばらく絵のことは考えられない。
 もどかしいなあーと感じながらも、それでも大晦日になった。
 その日だけはアルバイト、お休みをもらってひとりで南港まで行って帰ってきた。三年間通った高校のあるあたりをぶらぶらした。煙突が並んでいて、ほこりっぽくて、怖いぐらいに人工的な町。貯木池が点々と続いていて、すごおくでっかい道路があったりするけど、誰もいないような場所。
 スケッチブックもクレヨンも鉛筆も持たずに、財布と小物だけ持って、駅の券売機まで行ってみて「よしじゃあここに行こう」みたいにして、一日をつぶした。
 トレードセンター周辺は、いまだに開発途中の、大阪の穴みたいなところ。ゆっくりゆっくりマンションができてきている。
 夏に行ったときも、たしかここのマンションは建設中なのだった。そして広がる更地。更地の中にいきなりでっかいビルが建ったり、運河があったりするのである。
 風が吹くと目が痛い、ていうくらい、さむい。なみだ出る。
 やりかけの絵のことを思い出してみた。もうかなり時間が経っていて、正確に思い出すことってできない。でも、その絵について、その絵の前で考えていたことは思い出せる。そこから考え始めることもできる。
 前日にかなり考えてしまって、ま夜中に友だちにメールした。「あなたの絵について、なんでもいいから、あなたの考えを、教えて」みたいな内容。
 夜にとても失礼なことをしてしまったな、と思う。
 本当は、「あなたの絵について」の「あなたの考え」なんて、そんなこと知りたくはなかったのだ。
 ただただ、自分と比べたかっただけなのだ。自分はどれぐらいのものを考えて、描いているんだろうかということを、人と較べることで、確かなものを得たかったのだ。

 風が吹いたら、無造作に生えたまま整えられてもいない雑草が、風の音を出す。身長ぐらいある葦がゆれると、ぼくはふるえる。
 そして、ときどき太陽のあかりがもれて、景色を変える。
 それからまた天気が変わって、小雨を降らせたりする。
 運河の道を歩いていたら、対岸の向こう側から女の人が走ってきた。軽快なランニングウエア。こんなところに人がいて、しかもランニングしているというのが珍しくて、ずっと見ていたら、軽く手を上げて、あいさつしてくれた。

 あけましておめでとうございます。

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