土曜日にスキーをしに行ってきた。よって、二日ぶりの更新となる紅色。ここの所どうも紅色の更新が飛び石状態になってしまっている。というわけで今回はその分サービスしちゃうから(気持ち悪いな)よろしく。
土曜日の朝。僕は午前四時半に目覚し時計を止めた。眠ったのが〇時だから、んもう眠くてしょうがないッ! とはいえこのまま眠るわけにもいかないので、階下へ降りて、用を足して、服を着替えると幾分目が覚めてきた。
「あ、どうもー、おはようございます」
まだ真っ暗な外とは対照的に、その人は冴えたような挨拶をしてくれた。
「おはようございます」
僕も自然と笑顔がでてしまった。どうやら結構この日を待ち望んでいたらしい、ということが僕に伝わってくるようだった。この人の覚めきった顔を見ていると、まだ顔も洗っていない自分が恥ずかしくなってきたので急いで洗面所へと戻った。
父は、彼のことをYくんと呼ぶので、会社の人なのだろう。若い。うちの父とは比べ物にならないくらい若い。
「今日は暖かくなるみたいですねぇ」
と僕が言うと、Yさんは
「そうみたいですねぇ」
と言った。そして、僕と父とYさんは同じ車に乗り込み、父の運転でいざ伊吹山へと走り出したのだった。話を聞いているとYさんは本当に快活な人だと思った。面白いことには曇りのない声で笑い飛ばしてくれるので、それが僕にはなんだか嬉しかった。
「夏川りみのMDがさぁ、そこのところに入っているやろ」
と父が言った。父は夏川りみが大好物いや大好きなので、こういう車での長距離移動の時は、必ずと言っていいほど夏川りみの歌声が聞こえていた。
「これですか?」
「そうそう、それそれ。りみチャンじゃない?」
「りみチャンですッ」
と言ってYさんは夏川りみのMDを投入した。
高速道路を二、三時間走った。途中で朝ご飯を食べて(父とYさんの両人とも三人分の朝食をそれぞれコンビニで仕入れていた)、まっすぐに伸びた国道だか県道だかをしばらく走ると「奥伊吹スキー場・二十キロ」とあった。眼前に聳え立つ伊吹山が、間近で見ると本当に大きかった。
「早く着きそうだなぁ」と父。
「そうですねぇ、充分間に合いますよ」
雲ひとつない快晴、スキー日和である。もうなんだか僕はドキドキしてきましたよ。というのも滑れる嬉しさというのではなくて、コケるのはヤだなぁ、とかYさんの目の前で格好悪いことはできないッ! というプレッシャーで。
ようやく着いた、と言うよりかは随分早めに到着したと言ったほうが適当であると思われる。なにしろリフトが動き出す前にスキー板を履いて、Yさんに至ってはすっかり準備運動も終えて万端であります! という感じになっていたからだ。この写真はその時に撮った。まだ日が出ていないのに僕ら三人は奥伊吹スキー場に到着して、しかもスキー板まで履き終えて、動き出すリフトを待っていた。
土曜日の朝。僕は午前四時半に目覚し時計を止めた。眠ったのが〇時だから、んもう眠くてしょうがないッ! とはいえこのまま眠るわけにもいかないので、階下へ降りて、用を足して、服を着替えると幾分目が覚めてきた。
「あ、どうもー、おはようございます」
まだ真っ暗な外とは対照的に、その人は冴えたような挨拶をしてくれた。
「おはようございます」
僕も自然と笑顔がでてしまった。どうやら結構この日を待ち望んでいたらしい、ということが僕に伝わってくるようだった。この人の覚めきった顔を見ていると、まだ顔も洗っていない自分が恥ずかしくなってきたので急いで洗面所へと戻った。
父は、彼のことをYくんと呼ぶので、会社の人なのだろう。若い。うちの父とは比べ物にならないくらい若い。
「今日は暖かくなるみたいですねぇ」
と僕が言うと、Yさんは
「そうみたいですねぇ」
と言った。そして、僕と父とYさんは同じ車に乗り込み、父の運転でいざ伊吹山へと走り出したのだった。話を聞いているとYさんは本当に快活な人だと思った。面白いことには曇りのない声で笑い飛ばしてくれるので、それが僕にはなんだか嬉しかった。
「夏川りみのMDがさぁ、そこのところに入っているやろ」
と父が言った。父は夏川りみが大好物いや大好きなので、こういう車での長距離移動の時は、必ずと言っていいほど夏川りみの歌声が聞こえていた。
「これですか?」
「そうそう、それそれ。りみチャンじゃない?」
「りみチャンですッ」
と言ってYさんは夏川りみのMDを投入した。
高速道路を二、三時間走った。途中で朝ご飯を食べて(父とYさんの両人とも三人分の朝食をそれぞれコンビニで仕入れていた)、まっすぐに伸びた国道だか県道だかをしばらく走ると「奥伊吹スキー場・二十キロ」とあった。眼前に聳え立つ伊吹山が、間近で見ると本当に大きかった。
「早く着きそうだなぁ」と父。
「そうですねぇ、充分間に合いますよ」
雲ひとつない快晴、スキー日和である。もうなんだか僕はドキドキしてきましたよ。というのも滑れる嬉しさというのではなくて、コケるのはヤだなぁ、とかYさんの目の前で格好悪いことはできないッ! というプレッシャーで。
ようやく着いた、と言うよりかは随分早めに到着したと言ったほうが適当であると思われる。なにしろリフトが動き出す前にスキー板を履いて、Yさんに至ってはすっかり準備運動も終えて万端であります! という感じになっていたからだ。この写真はその時に撮った。まだ日が出ていないのに僕ら三人は奥伊吹スキー場に到着して、しかもスキー板まで履き終えて、動き出すリフトを待っていた。