ひるめし。冷えたようなカレーだった。それで、O先生からのお話
「まだ晴れているので、上手くいけば雨は降りそうにありません」
・・・しかし、しかしである。実は後々これまたものすごい事になってくるので読者は今後の展開に乞うご期待! なのであるけれども、そうこうしているうちにご飯も食べ終わり
「あ~、んじゃあもうひと描きしてくるか」
ということになった。それで左手にカンバス右手にパレットを持ってのらりくらりと午前と同じ場所に向かっていたのだが、その途中の海沿い道路でのこと。も、ものすごい横ッ風! 俺ふらついてカンバスが風にあおられて、パレットは風をもろに受けて僕の顔に飛びついてきたわけである。
つまりこれは僕とパレットとの顔面キッスあるいは濃厚的灼熱野郎接吻、である。僕の顔には青絵の具べっとり。風が格段に強くなっているのだ。ひええッと叫んでみたところでどうにかなるわけでもなくて、仕方がないからそこいらの草や葉っぱでとりあえず顔を拭いて、時々風で飛び上がりそうになるカンバスを右手で、そしてコーフン冷め切らぬパレットを太ももでおさえ、どうにか僕はそれでも描き続けたわけである。どこか近所でトタンが鳴る。雨戸を閉める音がする。
むむ、これはちょっとまずい気象状況になるのでは? と考えたのだがまだ絵は途中だし、止める訳にもいかないのだが・・・むむむむ困ったぞ。そんな時そこの家に住むおばちゃんLが勇んでドアを開け、たったの一言
「危ないから、早くそこを逃げなさい」
は、は、ハイッ! 地元すごいッ! なんだか初めての土地に疎い僕にとって地元の人々は、なんちゅうか神的な、そういうオーラを放っているような感じなのだ。だから地元の人が言ったことは絶対服従さもなくばお前は死ぬッ! というところが少なからずある。
だから持ってして僕はその場を退散したのであった。まだ描きはじめて一時間しか経っていない中で、野外制作を中止するというのはこう見えて結構勇気のいる事なのだが、僕はしだいに「あ、早めに切り上げて良かった!」と思うようになった。窓の外はみるみるうちに曇り、とうとう雨が降り出した。雲の流れは速く、波も高く防波堤を一跨ぎして港内に入り込んでいた。
小走りに帰ってくる人々を上から眺めながら僕はおばちゃんLに感謝するのであった。
かくして雨はやんだ。その後に出た夕焼けは、やっぱり絶景だったし、きつ過ぎる風が意外と気持ちよかった。窓から隣の旅館を見てみれば風呂場に灯り。
むむむッと思い身を乗り出すと、それは男であって、見たくもない尻をさらけ出していた。あまりにもバカバカしくて、このままでは人生がダメになってしまいそうだったので早急にその場から退散した。
「まだ晴れているので、上手くいけば雨は降りそうにありません」
・・・しかし、しかしである。実は後々これまたものすごい事になってくるので読者は今後の展開に乞うご期待! なのであるけれども、そうこうしているうちにご飯も食べ終わり
「あ~、んじゃあもうひと描きしてくるか」
ということになった。それで左手にカンバス右手にパレットを持ってのらりくらりと午前と同じ場所に向かっていたのだが、その途中の海沿い道路でのこと。も、ものすごい横ッ風! 俺ふらついてカンバスが風にあおられて、パレットは風をもろに受けて僕の顔に飛びついてきたわけである。
つまりこれは僕とパレットとの顔面キッスあるいは濃厚的灼熱野郎接吻、である。僕の顔には青絵の具べっとり。風が格段に強くなっているのだ。ひええッと叫んでみたところでどうにかなるわけでもなくて、仕方がないからそこいらの草や葉っぱでとりあえず顔を拭いて、時々風で飛び上がりそうになるカンバスを右手で、そしてコーフン冷め切らぬパレットを太ももでおさえ、どうにか僕はそれでも描き続けたわけである。どこか近所でトタンが鳴る。雨戸を閉める音がする。
むむ、これはちょっとまずい気象状況になるのでは? と考えたのだがまだ絵は途中だし、止める訳にもいかないのだが・・・むむむむ困ったぞ。そんな時そこの家に住むおばちゃんLが勇んでドアを開け、たったの一言
「危ないから、早くそこを逃げなさい」
は、は、ハイッ! 地元すごいッ! なんだか初めての土地に疎い僕にとって地元の人々は、なんちゅうか神的な、そういうオーラを放っているような感じなのだ。だから地元の人が言ったことは絶対服従さもなくばお前は死ぬッ! というところが少なからずある。
だから持ってして僕はその場を退散したのであった。まだ描きはじめて一時間しか経っていない中で、野外制作を中止するというのはこう見えて結構勇気のいる事なのだが、僕はしだいに「あ、早めに切り上げて良かった!」と思うようになった。窓の外はみるみるうちに曇り、とうとう雨が降り出した。雲の流れは速く、波も高く防波堤を一跨ぎして港内に入り込んでいた。
小走りに帰ってくる人々を上から眺めながら僕はおばちゃんLに感謝するのであった。
かくして雨はやんだ。その後に出た夕焼けは、やっぱり絶景だったし、きつ過ぎる風が意外と気持ちよかった。窓から隣の旅館を見てみれば風呂場に灯り。
むむむッと思い身を乗り出すと、それは男であって、見たくもない尻をさらけ出していた。あまりにもバカバカしくて、このままでは人生がダメになってしまいそうだったので早急にその場から退散した。