鎌倉エフエム、鎌倉シーサイド・ステーション(水曜日)ブログ

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オルセー美術館展

2007年03月31日 02時41分54秒 | カルチャークルージング
 3月28日のカルチャークルージングは東京都美術館で開催中の『オルセー美術館展』を紹介した。私の番組で紹介するまでも無い超人気の展覧会である。

 少し出遅れて9時代の終わりに中に入ったら、もう超満員。さすがおフランスである、現代美術までもコレクションに擁するポンピドゥーセンター展(新国立美術館)でさえも満員なのだからおフランスパワーはすごい。

 日本の美術展は印象派とルネサンスさえやっていれば、まず損をすることは無いだろう。国立美術館が独立行政法人化されたため、入場者数を稼がないといけないので、ここ数年入場者数が増えるのを期待した展覧会が多くなっている。文化って儲けちゃいけない分野だと思うのだが、プレスリーの遺品を身に着け冒涜した日本の元総理大臣はそんな簡単なことも知らないのだろう。

 それはさておき、いつもながらフランスの美術館の日本の美術展への協力体制は頭が下がる思い。こんな日本にも、ものすごい数の美術作品を貸し出してくれるのである。はるばるフランスに行ってオルセー見学を楽しみにしていた観光客が怒らないか心配になるくらい。誰もが一度は名前を聞いたことが有るような画家の作品が所狭しと飾られている。

 しかし日本では名の知られていない画家の作品の前は超満員にもかかわらず、人が立ち止まるのがまばらなのだ。そこに日本の美術愛好家の程度が分かってしまうのが悲しいところ。わけの分からないレンズを持ち出して周りの流れを妨げてまで通ぶるアホも、日本ではあまり名の知られてい無い画家の絵にはレンズを向けない、こういうときこそ通ぶる絶好のチャンスだと思うのだが。やたらランキングが好まれる昨今の風潮にもうなづけるものがある。自分が好きな絵を探すのではなく、一定の評価を得ているものを見ているのだ。

 楽園をテーマにした作品展。芸術家仲間との生活を楽園と思う芸術家や、南の島に楽園を求めた芸術家、はたまた頭の中にだけ描かれる楽園を追い求めたり、愛する家族との時間を楽園にした芸術家もいる。

 展示される作品はもちろん最高レベル、さらに図録に注がれる愛情もかなりのもので、独立した読み物としても十分耐えられるものである。東京都美術館にて4月8日まで。

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