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国主導の地域振興策のデータを探してみました。

2010-04-08 | 事業仕分け

国主導の地域振興策のデータを探してみました。

国が主導して地域振興策を実施する時代は終わったといわれていますが、地方自治体では、相変わらず、国の補助金を使った政策が目につきます。ハコモノに代表される地域振興策は、戦後の高度成長期以降に飛躍的に伸びたといわれていますが、その根拠を調べてみようと思い、データを探してみたら…

ありました、ありました。法令等の整備や、予算配分などが重点的に行われていたことが確認できました。

第2次世界大戦で大きな打撃を受けた日本は、一刻も早い経済復興のために、石炭や鉄鋼などに重点配分する傾斜生産方式を採るとともに、4大工業地帯へ資金や資源を投入していきました。その一方で、大都市における人口過密や、資源の集中という弊害が発生しました。

この過度の集中を抑制するため、1959年「首都圏の既成市街地における工業等の制限に関する法律」によって制限をかけ、1961年の低開発地域工業開発促進法によっても、地方への工場分散を推し進めるようになったのです。1962年には、地域間格差問題の解決のため、全国総合開発計画(全総)が策定され、1962年の新産業都市建設促進法、その後、新全総、三全総、四全総へと発展していきました。そのほかにも、1980年の過疎地域振興特別措置法、1983年の高度技術工業集積地域開発促進法(テクノポリス法)、1986年の民活法、1987年のリゾート法など、地域振興のための関連法が制定されました。「国土の均衡ある発展」をスローガンに、政策の方向が都市開発へ傾注したと言えるでしょう。

次に、予算配分についてですが、次のデータから地方の公共事業に手厚くなっていったことが分かります。1969年と2002年の普通地方公共団体の決算額(総務省自治財政局財務調査課「地方財政統計年報」から)に着目すると、歳入の総額は83,052億円から971,700億円と11.7倍の伸びに対し、地方税10.8倍、国庫支出金7.2倍、地方交付税13.4倍、地方債に至っては30.4倍と、伸びが突出しています。歳出についても、総額8339億円から948,390億円と11.8倍、普通建設事業7.8倍、扶助費16.3倍に対して、公債費は41.4倍もの伸びになっています。

自由に地方税を増やすのが難しい状況の下、自主財源を上回る歳出の財源は、もっぱら補助金、交付税、特に地方債でまかなわれています。地方自治体の債務が増大している実態がよくわかりますね。

制度と予算がセットになった地域振興策ですが、全国画一的に地域政策の基準を決め、運用の細部にまで口を出し、地方に指示し実施させる方法を採ってきたと言って良いでしょう。その結果、需要に合わない社会資本整備など多くの無駄が生まれてしまったのだと思います。・・・だけど、このようになった原因は、もちろん、国だけが悪者ではないですし、首長だけが決めた事でもありません。議員も地方公務員も住民も、それぞれが考えなければならない問題ですね。

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