明日がはじまるとき

事業仕分け 議論の向こうに明日がある

「決算データからわかる財政状況」

2012-08-14 | 事業仕分け

 先日、PHP研究所の地域政策塾の講座に出向きました。
 地方議員に求められる政策力について、現場の視点で追究する、「地方議員のための政策力アップ講座」です。
 PHP総研では、2010年夏から自治体の政策形成・マネジメントなどさまざまな課題を取り上げ、すでに1千人を超える方が受講されたそうですが、その多くの方から、財務諸表や決算カードの読み方、財務状況に関しての質問があったそうです。
 今回はそれを受け、少人数で、財務諸表と決算カードから財務状況を把握し、事例を基に掘り下げる「特別ゼミ(全2回)」を開催することになったのです。

 1回目は「財務諸表から財務状況を把握する」と題して、松村俊英さん(株式会社パブリック・マネジメント・コンサルティング取締役副社長)を講師に、2回目は、「決算データからわかる地方自治体の財政状況」をテーマに、私からお話しさせていただきました。
両日とも4時間の講座で、立ち疲れました。それでもやるには理由があります。
 
 昨年度もお手伝いさせていただきましたが、受講される議員さんが大変熱心で、事前準備も十分、ですから質問も的確です。(よくある「やらされている」研修とは比較にならないほどです。)

 だからこちらもつい熱が入り、なるべく具体的なデータをお示しし、わかりやすく、かつ、使える内容を提供しようと、資料作成に時間をかけてしまうんです。
おかげで寝不足になりながら、ようやく研修日当日を迎えました。

 決算カードは、すべての自治体が同じフォーマットで作成しており、その自治体のHPだけではなく、総務省のWebサイトからもダウンロードでき、いったん読み方がわかれば、全国の状況が同じ視点で読める、めずらしく統一基準で作成されたものなのです。(「統一」は本当に大事ですね~

 そこで、この講座では、参加議員同士でそれぞれの自治体の決算カードを持ち寄り、比較し、相違点とその原因、類似点などを考えていただこうと思いました。

 まずは、財政の基本について確認しました。だって、決算カードには、一般財源、性質別経費、公営事業会計、地方債、債務負担などなど、押さえておかなければならない言葉が満載ですからね。

 次に地方財政の現状を、歳入・歳出、基金、繰入金・繰越金、公債費を中心に、過去のデータを積み上げ、その推移を見ていきました。これには、他の自治体データを使っては申し訳ないので、厚木市のデータを拾いながら、地味な作業を続けました。
 でも、こういう作業は面白くて結構好きなんです。データをいれグラフを作ると、あ~ら不思議
言葉ではなかなか伝わらない「借金が増えている」とか「貯金は減る一方」っていうことが、一目瞭然。
個別の経費からも、
扶助費の伸びに普通建設予算が食われている、とか
施設の新設がほぼ止まったため普通建設費は増えない、とか
老朽化した施設の維持補修など物件費が増えてきた、とか
人件費は職員削減で減っている一方、賃金や委託料で補っている、とか
みなさん納得されていたようです。

 続いて班毎に決算カードを点検していきました。

A市の扶助費はB市より少ないのに、経常収支比率が大変高い。その理由はなんだろう、
C県は積立金が異様に多いが、取り崩しをしていない。その実態は××だった、とか。
また、職員、特別職や議員の給料月額を比べたり、
わいわいと指摘し合い、聞いているこちらも楽しかったです。

最後に、それぞれの班から、気づきや課題などを発表していただきました。
議会質問のヒントになる内容もお話ししましたが、ここでは内緒です

 ある方のコメントで、「住民要求の代表でもある議員が財政状況を理解すると、ウォンツを抑えることも必要だとわかった。しかし、そのバランスが難しい。」と。
本当にそのとおりですね。

 議員さんが住民と一緒にほしがっていてはダメで、これからは、

財政状況を理解していただくために、いかにわかりやすい資料を作成してもらうか。
住民にどれほど情報提供する努力を行っているのか。
議員さんはこれらを市に要求していくことも重要ですし、さらに、自ら調べて指摘できる力を身につけることも求められるのではないか、と締めくくりました。

まもなく決算議会が始まります。1年度の財政活動の締めくくりですね。

それにしても厚木市の議員さんが来ていなくて良かったです。
うちの課への質問はお手柔らかに願いたいもので・・(笑)


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