BLOG 思い遥か

日々新たなり/日本語学2020

表層格

2021-07-23 | 日本語学2021

>格は、ガ格、ヲ格、ニ格、ヘ格、ト格、デ格、カラ格、ヨリ格、マデ格のような表層格です。
それ以外の格として、「ガ2」は二重主語構文の外のガ格、
「外の関係」は被連体修飾名詞が述語に対して外の関係をもつことを表して います。
「修飾」は、副詞などの修飾的な連用要素、「時間」は時間要素を とる格を表しています。
また「について」「によって」「として」のような 複合辞も格として扱っています。
項に係るノ格も収集しており、たとえば 「ノ格~ニ格」はニ格の項に係るノ格、「ノ格~判」は述語の「名詞+判定詞」
に係るノ格を表しています。
用例は、頻度 2 以上のものを記述しており、基本的には文節内の主辞単語の 代表表記で表しています。主辞単語が一文字の漢字である場合には、その 直前の単語も連結しています。述語表記と同様に、複数の単語からなる場合 には"+"記号、曖昧性がある場合には"?" 記号で連結しています。

国立国語研究所学術情報リポジトリ
日本語における表層格と深層格の対応関係
発行年月日 1997-03

蓑層格は、個々の言語によって表示方法が異なる。日本語では格助詞(前置
詞との対比で後置詞と呼ぶこともある。)で、英語では語順と前置詞で表わさ
れる。またドイツ語やロシア語などのように、名調の語尾変化と前置詞で表す
ものもある。他方、深層格は、人によっては述藷に対する名詞の意味役割など
と称し、平々の言語に依存しない普遍的なものであるか、あるいは個々の言語
の特質を勉解する最小公倍数的なものであることを前提とする。でなければ存
在緬値がうすいからである。標題に「表層格と深層格の対応関係」と記した
が、深層格についてまだ定説と言えるものはないし、日本語の表層格について
も、どの範囲までを格フレームに組み込むか、すなわち用言と密接に関わる欄
別事象として辞書で記述すべきかについて、はっきりした基準はない。その辺
の検討を行いながら、表層格と深層格の対応関係を調べ、作業マニュアル化す
ることが本研究の自的である。

格フレームとは、用言とそれに関係する名詞を用言の各用法ごとに整理したものです。 この格フレームは、Web上の約16億文の日本語テキストから自動的に構築しており、約4万用言からなるものです。2021/03/18
京都大学格フレーム - KUROHASHI-CHU-MURAWAKI LAB

https://www.gsk.or.jp/files/catalog/GSK2018-B/README.pdf
京都大学格フレーム Ver 2.0
2019/01/21
概要
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格フレームとは、述語とそれが格関係をもつ語(項)を記述したものです。京都
大学格フレーム Ver 2.0 は、ウェブから収集した日本語 100 億文から自動構築
した格フレームです。格フレームの自動構築は、[林部+ 2015]の手法を上記の
ウェブテキストに適用することによって行っています。約 11 万個の述語が含ま
れており、述語あたり平均 5.1 個の格フレームが構築されています。


1 コメント

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表層格と深層格 (Maria)
2021-07-23 14:04:00
「京都大学グループは、まだこんなことをやっているのか」と、肩を落としました。
> 述語タイプは述語の種類を表しており、次の 3 種類のいずれかです。
> 動 : 動詞
> 形 : 形容詞
> 判 : 名詞+判定詞
はいいとして、「だ」「です」「である」は「判定詞」なんですよね? 「美しいです」「見事です」というのが正しい表現だとすると、「美しい」「見事」は「名詞」なんですよね?
> 「れる」「られる」「せる」「させる」など、
> 格交替を起こす可能性のある付属語が
> 動詞に後続している場合には、
> それらの付属語が述語表記の一部となり、
> 述語表記が複数の単語の代表表記からなります。
というのは、(尊敬はともかくも)「受動」「使役」に関して「深層的な文法格の交替」(「書く」なら話者が主語ですが、「書かされる」だと深層格としての主語は話者なんでしょうか?)が起きているという話は「あくまで表層格の話をしているのであって ……」とかいって逃げを打っているように思います。「XがAを殺した」と「Aが殺された」の関係はどうなるんでしょうか、という説明が欲しく思います。
こんなもん、百億集めたところでゴミクズデータです。もっとも、「GIGO」(ゴミクズを入力すると、ゴミクズが出力される。ガベージ・イン、ガベージ・アウト)なんていう言葉は、若いヒトは教わっていないんでしょうね。

そもそも、「ガ格」がわかりません。「我が家」「おらが春」の「ガ」は、述語ではなく名詞にかかっているので、(「述語」にかかる一意な性格を持つものとしての)「格」として立てられません。
もうひとつの「が」は、「は」と同じく「とりたて詞」として機能しているので、「とりたて詞『ハ』」や「ヲ格」との関連において論ずべきものです。「彼はラーメンを食べられない」は、「彼はラーメンが食べられない」や「彼はラーメンは食べられない」と、文構造(述語と格の関係)が同じなのか違うのか?という議論抜きに、「ガ格」を立ててしまうのは、とても乱暴な話だと思います。

「昔はそういう時代だったんだよ」と言っちゃうと、「一九九十年代の渋谷系のサブカルチャーにおいては、社会的弱者をいじめるのが普通だったんだよ」というのが是認されてしまいます。それで、東京オリンピック開会式直前に、ドタバタのうちに何人かが辞任しました。
「KADOKAWA は22日、小林氏の解任を受け、24日に発売予定だった公式プログラムの発売中止を決めた。小林氏のインタビューが掲載されていることが理由という。」だそうです。
たとえばの話ですが、ミュンヘンオリンピックの公式プログラムのインタビュー記事に応えていた人物が、じつは元ナチだったとかいったら発売中止になるのは当然ですが、それによって損害を被った出版社に対しては、誰が補償をしてくれるのか、という話になります。国が税金で補償するというのは国民感情からして許されません。

京大グループは、「京大」という看板に甘えていないか?と、うちらは つねづね思っています。学会でも、さんざん足を引っ張られた経験があるので、「京大はいじめの巣窟だ」と思っています。

「いや、東大もひどいんだけどね」と仰る先生も、相当数いらっしゃるとは思うんですが(笑)。

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