BLOG 思い遥か

日々新たなり/日本語学2020

日々に悠々

2022-10-30 | いにしへおもほゆ

脳の刺激がなくなり、記憶の回路も固定し始める。




2006年10月30日

日本シリーズを制覇した監督は日本人ではない、パリーグにいるアメリカ人監督はチームを優勝に導いた
そしてその成功の秘訣をサンドイッチ方式と呼ぶ、選手を掌握する方法だ
失敗をしたときにダメだというのではなくて、よくやっているのだと褒めて、次はきっとやり遂げるだろうと励ましていく
褒めことばと励ましで選手をサンドイッチにして率いていくようだ

秋の日の暮れが早くなった
気づくと日の入りが午後6時になる
つるべ落としと言われる夕日のあとの深黒
冷たい風が吹き出すのも近い

輪読会をして文学を語るひと時をもつ
窓から見える青空がすぐにも闇となる
材料を源氏物語にするのは偶然だった
原文を音読してハ行転呼音を注意する

説明をして点呼としかならず転呼だぞと言えてなかった
係助詞のハにはしないでと思いつつ読み上げる文脈の意味を確かめる
点呼を転呼と直しきれない頭脳回路の操縦ももどかしいままに典故の話をする
転じるのテンと言いながら点数のテンだと言っていたからだ

ははき木から空蝉に場面をまたいで巻が移る切れ目のない筋の展開だ
結婚の形態の話をする、後朝の歌のやり取りについて知るべきは何か
ふっと儀式を考えているなら当時の物語の結婚は読めないと思ったからだが
歌垣の夜這いを経て時代から見ると足入れ婚をする婿を取る結婚であった

武家になって貴族が行った外戚政策の延長に嫁迎えをして互いの和平条約の役割を果たすようになるので嫁入りの習慣が定着する
だんだんと派手になるわけだが、命もろとも預ける発想は一般庶民には縁遠いことで、町人にその風習があらわれるのは時代が下がって、ましてや家制度なるものを保たんがための明治になってからの士族階級が続けたことをまねたのだろう
結婚の歴史は女性研究を行った高群逸枝によるイメージが強くその後の風俗史も追随している
原始女性は太陽であったという青踏社運動に平塚らいてふを思う、結婚形態は一面においてジェンダーである

文学を想像の時空と捉えてそこにあらわれる過去現在未来の物語はいつの時代にも人々の知恵をあらわす
作家は筆により空想を走らせるが筋立てにつじつまをあわせることになる
虚構はそれに過ぎなくとも文学が歴史を背景とし文化を描くとそれは思想にもなりうるし政治のドラマにもなる
日本文学が劇詩を自覚しないの歴史物語を編み出したからだ

コメント
2006年10月31日
メモを見たら点呼音と書いていました
転にしてよく意味がわかりました
男女が一晩語り合うだけで結婚が成立するという当時の結婚
青空がすぐに闇となる
「夕闇は路たづたづし月待ちて行かせ我が背子その間にも見む」(『萬葉集』七〇九)

panda12王国2006年10月31日
語中語尾のハ行転呼、唇音退化、仮名遣い、合拗音の成立といずれも日本語史のこと、すでに前期で少し触れていたけれど、音韻現象となる
土曜日採点、日曜日オープンキャンパスと業務続きで頭が眠っている
3時限目は眠りながら話していた、講義中に眠る名物がムカシからいるが、眠りながら話しているメイブツだよ、・・・・
かたらふ、の語が、男女の情交の義になるだけで、
テレビも深夜劇場も何もないときに、
一晩を語り明かしたら、たいてい生い立ちからすべてを告げることになる、
それは考えようによってはすべてを告白することで、
古代社会では名を告げるだけで許婚となる風習が日本のどこかであったとされるから、
語り合うことはすなわち、3日も続くとお互い気があったと言うことだろう、デシタ。



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