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日々新たなり/日本語学2020

構文の型 表現意図

2021-02-04 | 日本語学2020



話しことばの文型1
昭和35年3月
 国立国語研究所

>おわりに 以上述べたように,表現意図から見た文表現の文末部分には,いく種類かの類型が見られる。われわれの第1段階の作業としては,まず,ここまででとどめるのであるが,これだけでは,もちろん,二型を出すのに十分なものではない。文末以外の部分も,文末との相関において,とらえられ,文全体としての類型が見られて,はじめて,文型と言うにふさわしい文の類型が,とり出される。そのなかには,結局は,文末部分が精徴的形式であるにとどまると言うべきものも多いだろうと推測されるけれども,なお,文全体を見る必要がないとは言えない。いわゆる主語や連用修飾語や,ときには,連体修飾語さえも,述語の意義に相関的な制約を持っており,いわゆる係助詞・副助詞などが,これに微妙にかかわるものと思われる。また,接続助詞によって外形にあらわされる句関係の構造にも,ある種の類型が見出されるであろうことも,ある程度,予想されるQなお,2文の連結においても,かなり緊密な結合関係があって,その類型と見られるものもあるようである。それは,もちろん,一般に,文型の範囲を越えるけれども,その程度までは,文型を見きわめるのに必要な考究かと思われる。
1これら,多くの作業が,まだ第2・第3の段階として,残されている。それらの,かなりの部分は構文の問題であり,構文の面からするのとちがって,表現意図の面からすれば,その形式へのあらわれは,ほとんどすべて,文末部分に集約されるであろう。とは言っても,それだけで,文型に参与するところが十分だとは,言えないであろう。また,表現意図の分類,および,それに応ずる文表現の分類については,意味に関するところが多いから,観点や,立場がちがえば,また別の分類も可能であろう。要するところは,意味的な面からと,形式的な面からと,両面からの考究が,目的に応じて,可能な限り適切に,ととのった秩序を示すように分類されることが望ましい。その分類の程度も,実際上の目的に応じて,かなりこまかくすることもできようし,また,ある程度大まかなところでとどめることもでぎる。現在の目標と段階では,前述の程度を,適妾と認めたのである。 (宮地 裕) 135ページ


表現の典型一覧
 1 詠嘆表現の典型
  1・1 〈感動詞の〉独立語
  1・2 (主語(ハ))一一(用修語)一〈形容(動)詞の〉述語
 2 判叙表現の典型
  2・1.(主語(ガ・ハ))一(用修語)一述語
  2・2 (主語(ガ・ハ))一(用修語)一述語かカナ.カシラ
 3 要求表現の典型
  3・1 (主語(ガ.ハ))一(選分語)一述語恥チ・ダ蒔・デ・; .s。ジャナイ(ノ功)
  3・2 (主語(ガ.ハ))一(用修語)一述語(動
  3・3 (主語(ハ))一(用修語)一〈判定要求の形式の〉述語,一(独立語,)
       一(用修語)一〈判定要求の形式の〉述語
  3・4 (主語(ハ))一(用修語)一〈不定詞を含む〉述語(秀)
     (主語(ハ)一(用修語)一〈不定詞を含む〉学修語一述語(ヨ)
    〈不定詞を含む〉主語(ガ)一(用修語)一述語(S)
    〈不定率を含む〉主語(ガ)一(用修語)一〈不定詞を含む〉用修語一
       述語(あ
1::}(主語(か・・)一(用修語 す形式の〉述語)一くすすめ.希求噸轍鞍わ
 4 応笛表現の典型
  4・1 〈応答詞の〉独立語
  4・2 (主語(ハ))一(用修語)一〈応答を表わす形式の〉述語
                 322ページ




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