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日々新たなり/日本語学2020

記述文法と文法記述

2021-02-10 | 日本語学2020

記述文法は文法の現状をありのままに記述する。文法記述はその理論を持つか、あるいは依拠するかによる、その立場がある。日本語記述文法の構築を目途にする。

記述文法 descriptive grammar
ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説
>一言語のある一時期における状態を記述するもの。文法といっても,狭義の文法論のみならず,音韻論も含めたものであるのが通例で,史的言語学に対する記述言語学と同意に使われるのが普通。
特定言語の具体的記述ないしそのように記述された文典をさす
文法とは,理念的には,当該言語の話し手の頭のなかにあるといいうる言語そのもの,およびそれを恣意的な価値観を加えずにありのままに引出して記述したもの


https://bibdb.ninjal.ac.jp/SJL/txtview.php
雑誌『国語学』全文データベース -書誌情報-
第53巻2号(通巻209号)2002-04-01
著者:鈴木泰;
タイトル:近藤泰弘著『日本語記述文法の理論』
>一
 日頃から多才な研究者であると思っていたが,本書に接し,あらためて近藤氏の研究の幅の広さには驚かされる。研究対象が古典語,現代語にまたがった大変広い領域をカバーしているというだけでなく,その研究方法も,パソコンを積極的に活用し大量言語処理を行なうものから,文献学的なものまであり,多様で複線的である。また,よって立つ立場も,基本的に生成文法ではあるが,必ずしもそれにこだわらず,説明に有効であれば,言語類型論などの立場に立つこともいとわない。
>[まえがき]において,文法記述の立場として,「特定の言語理論になるべく依拠しないものであること」としている


日本語記述文法の理論www.hituzi.co.jp › hituzi › mokuji › kijyutu-mokuji
>日本語記述文法の理論 2000年2月29日発行 ひつじ書房刊
まえがき i
凡例 v
第1部 総論 1
第1章 日本語の記述文法 3
1・1 日本語記述文法のあり方 3
1・1・1 記述文法の編集態度 3
1・1・2 日本語記述文法の外的要件 4
1・1・3 日本語文法記述の内的要件 6
1・1・4 日本語記述文法の目標 13
1・2 日本語文法の歴史 17
1・2・1 国文法と呼ばれたもの 17
1・2・2 国文法・日本語文法の歴史 18
1・2・3 従来までの日本語記述文法体系の特徴と源泉 29
1・2・4 日本語文法の今後の課題 32
第2部方法論 35
第2章 コンピュータを使った文法研究 37
2・1 はじめに 37
2・1・1 コンピュータの発達 37
2・1・2 コンピュータの利用方法 38
2・1・3 テキストデータベースの作成 40
2・1・4 形態素解析 41
2・1・5 単語・語句の検索と文法研究 43
2・1・6 形態素解析によらない処理方法 47
2・1・7 ハイパーテキストとしての文法記述とマークアップ 48
2・2 大量言語データを利用した研究法 54
2・2・1 データの扱い方 54
2・2・2 副助詞の相互承接を例として 55
2・2・3 「さえ」の分布 57
2・2・4 下位の格助詞の問題 58
2・2・5 副助詞と格助詞との相互承接の差 60
2・3 古典文法研究における〈検索〉の問題について 63
2・3・1 問題のありか 63
2・3・2 検索とテキストのあり方 64
2・3・3 検索の実現手段 65
2・3・4 テキスト整備の方法 67
2・3・5 文法研究に適した検索手段とテキスト 72
第3章 歴史的変化を考慮した研究方法について 79
3・1 文法研究における現代語と古典語 79
3・1・1 現代日本語と古典語との関係 79
3・1・2 第二種関係節 81
3・1・3 古典語の第二種関係節 83
3・1・4 対照研究としての古典語・現代語の構文研究 90
3・2 平安初期の文法体系 92
3・2・1 平安時代初期の言語資料 92
3・2・2 『仁明天皇四十宝算賀興福寺大法師等長歌』の本文的性格 93
3・2・3 『興福寺大法師等長歌』の言語的特徴 95
3・2・4 奈良時代語的性格 96
3・2・5 平安時代語的特徴 101
3・2・6 文法から見た言語的位置づけ 103

第3部 単文の文法 107
第4章 格と格助詞 109
4・1 上代語における助詞「を」の分類 109
4・1・1 助詞「を」についての従来の論 109
4・1・2 格助詞「を」の存在根拠 110
4・1・3 「を」助詞の分類基準 113
4・1・4 格助詞「を」 116
4・1・5 間投助詞「を」 119
4・1・6 終助詞「を」 124
4・1・7 「ミ語法」に伴う「を」 127
4・1・8 特殊なタイプの「を」 130
4・1・9 構文的環境を用いた分類 136
4・2 訓点資料における格助詞「の」「が」の敬語的用法 140
4・2・1 訓点資料における「の」「が」 140
4・2・2 高山寺蔵『史記』における連体「の・が」の分布 142
4・2・3 高山寺蔵『史記』における主格「の・が」の分布 148
4・2・4 その他の『史記』における用法について 153
第5章 用言とその周辺 159
5・1 日本語のヴォイスにおける特異性 159
5・1・1 異主題(主語)省略構文について 159
5・1・2 異主語省略構文と能格性 162
5・1・3 動詞の自他における能格と異主語省略 164
5・1・4 形容詞における能格と異主語省略 165
5・1・5 素材敬語における能格と異主題省略 166
5・1・6 まとめ 167
5・2 敬語のアスペクト的性格 171
5・2・1 中古語の「はべり」のアスペクト 171
5・2・2 「はべり」に関する敬語と非敬語との対応 172
5・2・3 状態性アスペクトの「はべり」(タイプ1) 173
5・2・4 状態性アスペクトを持たない「はべり」(タイプ2) 179
5・2・5 「り」「たり」の丁寧化した「はべり」(タイプ3) 181
5・2・6 敬語と状態性アスペクト 184
5・3 現代語の否定と呼応する副詞 189
5・3・1 副詞の否定との呼応 189
5・3・2 副詞の分類と否定の呼応の状態 190
5・3・3 程度副詞 191
5・3・4 量副詞 192
5・3・5 陳述副詞 193
5・3・6 否定と呼応しない例 193
5・3・6・1 広義の程度副詞 194
5・3・6・2 陳述副詞 200
5・3・7 語彙的否定の様相 201
5・3・8 文法的否定とのみ呼応する副詞 203
5・3・9 否定の種類への展望 204
第6章 副助詞と係助詞 207
6・1 中古語の副助詞の階層性 207
6・1・1 中古語の副助詞の範囲 207
6・1・2 格助詞との承接 208
6・1・3 形容詞連用形との承接 213
6・1・4 副助詞相互の承接 215
6・1・5 その他の特殊な承接 218
6・1・6 中古語の副助詞のとりたてと語順 221
6・2 中古語の係助詞「なむ」の特性 227
6・2・1 中古語の係結 227
6・2・2 係助詞の持つ強調 228
6・2・3 「なむ」と「ぞ」との構文的比較 235
6・2・4 結び 242
6・3 中古語の係結の結びの用言 248
6・3・1 序 248
6・3・2 連体形の分類 250
6・3・3 文末のモダリティの助動詞 254
6・3・4 「らむ」による連体形 258
6・3・5 係結の一側面 260
6・4 中古語の「をば」の構文的特徴 263
6・4・1 「をば」の問題点 263
6・4・2 「をば」の概要 263
6・4・3 対格表示としての「をば」 265
6・4・4 主題化形式としての「をば」 268
6・4・5 「をば」の持つ特有の機能 272
6・4・6 おわりに 273
6・5 中古語の疑問文 275
6・5・1 「や」と「か」の用法 275
6・5・2 「や」と「か」の研究史 276
6・5・3 「や」と「か」の基本文型 279
6・5・4 「や」と「か」の承接 284
6・5・5 疑問と詠嘆との関係 287
6・5・6 疑問と推量と「や」と「か」の問題 289
第4部 従属節の文法 295
第7章 連体と名詞節 297
7・1 「の」「こと」による名詞節の性質 297
7・1・1 中古日本語のいわゆる「作用性用言反撥の法則」 297
7・1・2 大量言語処理による観察 301
7・1・3 「のが」節・「ことが」節に対する述語の分布 302
7・1・4 他動詞の分布 303
7・1・5 使役の分布 306
7・1・6 他の述語文型 306
7・1・7 現代語と中古語の名詞節の性質 309
7・2 古典語の連体 313
7・2・1 連体構造とは 313
7・2・2 連体形による連体修飾 313
7・2・3 連体形によるその他の連体修飾 318
7・2・4 「の・が」等による連体修飾 322
7・2・5 その他の連体修飾 325
7・3 中古語の準体構造について 329
7・3・1 連体と準体 329
7・3・2 連体の分類 330
7・3・3 連体と準体との対応 334
7・3・4 同格準体 336
7・3・5 同一名詞準体 338
7・3・6 準体相互の関係 346
7・3・7 準体の諸相 349
7・4 中古語の分裂文 355
7・4・1 分裂文の定義 355
7・4・2 中古語の分裂文の問題点 357
7・4・3 現代語の分裂文についての解釈 360
7・4・4 中古語の分裂文の特徴 363
7・4・5 分裂文の構造 365
7・5 上代・中古語の形状性準体構造 372
7・5・1 準体構造の分類 372
7・5・2 形状性準体と作用性準体 372
7・5・3 ク語法の準体の種別 376
7・5・4 分裂文の主語の準体 378
7・5・5 存在文の主語の形状性準体 379
7・5・6 助詞「い」を伴う形状性準体 380
7・5・7 目的語の形状性準体 381
7・5・8 準体の分類と分析 382
7・5・9 石垣法則の位置づけ 387
第8章 接続 391
8・1 古典語の格助詞から接続助詞への変化 391
8・1・1 問題のありか 391
8・1・2 格助詞と接続助詞の機能 392
8・1・3 格助詞から接続助詞へ 393
8・1・4 接続助詞化の要因 397
8・2 中古語の複文構造の概観 401
8・2・1 はじめに 401
8・2・2 複文という用語の問題 401
8・2・3 現代語文法における従属節の記述 403
8・2・4 古典語における従属節の種類 406
8・2・5 それぞれの類の問題点 410
8・3 接続と準体 412
8・3・1 〈連接構文〉の考え方 412
8・3・2 形状性準体句の成立原理について 415
8・3・3 連接構文の実態 417
8・3・4 連接構文の理解の要点 419
8・4 接続助詞「を」の発生時期 421
8・4・1 「を」の分類と接続助詞「を」 421
8・4・2 上代の助詞「を」 421
8・4・3 上代の接続助詞と中古の接続助詞の差 425
8・4・4 接続助詞の発生源 430
第5部 主観表現の文法 437
第9章 モダリティ 439
9・1 日本語のモダリティの概観 439
9・1・1 ムードとモダリティの研究史 439
9・1・2 文の種類としてのモダリティ 445
9・1・3 判断の種類としてのモダリティ 451
9・1・4 現代語のモダリティの体系 453
9・2 中古語におけるモダリティの助動詞の体系 457
9・2・1 推量とモダリティ 457
9・2・2 従属節の機能とモダリティの助動詞の分布 458
9・2・3 係助詞による従属節の従属度の検証 461
9・2・4 述部のモダリティにおける助動詞の位置 462
9・3 モダリティ表現の変遷 473
9・3・1 問題のありか 473
9・3・2 モダリティ表現の分類 473
9・3・3 古典語と現代語との比較 477
9・3・4 古典語から現代語へ 479
9・3・5 今後の課題 480
第10章 ダイクシス(敬語・指示・人称) 483
10・1 中古語の敬語の持つ人称性 483
10・1・1 移動動詞の敬語 483
10・1・2 移動動詞の敬語体系 485
10・1・3 「ゆく」と「く(る)」の分化の目的 491
10・1・4 移動動詞の敬語体系 493
10・1・5 敬意の視点の一般化 497
10・1・6 素材敬語の性格について 502
10・2 複合動詞「……てゆく」「……てくる」の用法 507
10・2・1 移動と補助用言 507
10・2・2 「てゆく」「てくる」の用法 507
10・2・3 「てゆく」「てくる」の語構成 509
10・2・4 「ゆく」「くる」との関係 513
10・2・5 空間型の下位分類 517
10・2・6 時間型の下位分類 523
10・2・7 今後の展望 527
10・3 現代語の人称と移動動詞 530
10・3・1 アスペクトと敬語 530
10・3・2 「ている」と「てゆく・てくる」との関係 531
10・3・3 敬語と「てゆく・てくる・ている」 533
10・3・4 指示詞と人称の定義について 537
10・4 構文的に見た指示詞の指示対象 544
10・4・1 はじめに 544
10・4・2 打ち消し的問答における「それ」 544
10・4・3 指定文の主語と「それ」 550
10・4・4 指定文の述語と「それ」 554
10・5 レ系指示詞の意味 558
10・5・1 レ系の指示詞とヒト 558
10・5・2 分裂文とヒト 561
10・5・3 準体とヒト 565
10・5・4 文脈指示のレ系指示詞 566
10・5・5 レ系の指示詞の性格 568
10・6 中古語のレ系指示詞 571
10・6・1 指示詞の研究史 571
10・6・2 中古語の指示詞の体系の概観 572
10・6・3 指示の事物代名詞と人称代名詞 574
10・6・4 斜格の格助詞との承接関係からみた人称のレ系指示詞 578
10・6・5 レ系指示詞と能格性 582
10・6・6 おわりに 585
従来の筆者の研究との関係 589
参考文献 595
索引 623


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