乳がんで私も考えた

2011年9月に乳がん告知。抗がん剤FEC→TC治療中。がんになって変わった世界観を語る。

たとえ5分前でも教えてほしい

2011-12-18 21:53:47 | 乳がんで考えた事
「どう考えてもあなたの治療法の方がいいような気がする。」

電話で友達Cが切り出した話だ。

C「私の主人の兄弟の嫁が乳がんになってね、2.6cmだって。あなたの乳がんの大きさは確か…。」
私「2.2cm。今は抗がん剤で小さくなって1.7cmだけど。」
C「彼女、明日手術で全摘だって。」

私は少し考えた。
2.6cmという大きさを聞いた限りでは私と同じステージ2だが、乳がんといっても、タイプはいろいろある。全摘を免れないタイプも存在するらしい。

私「どこの病院?」
C「A病院。あそこなら安心だし。あの有名な女医さんがいるから…。」

うわっ。私は頭を抱えた。
あの高名な女医のいるA病院か。
Tハンターの温存派とは対照的な全摘手術派だ。

つまりこの話が意味するものは、もし私が高名な女医のいるA病院に行ったら、全摘+形成手術をすることになっていたということでもある。

私はぞっとしながら、あらためて病院選びの大切さを思い知った。

ともあれ、私はCに今すぐその彼女に連絡してセカンドオピニオンでB病院に診てもらった方がいいと忠告した。赤の他人の話ではあるが、要は一人の女性のオッパイがなくなるかどうかっていう瀬戸際だ。

C「でも、もう入院して明日手術なのよ!彼女もダンナも、すごく落ち込んでて、今は悲壮な覚悟で臨んでるんだから、今更私は何も言えないわ。」

親戚というのは厄介な関係で、妙によそよそしく気を遣うらしい。特にその後のことを考えると、あまり立ち入りたくないのだと言う。

電話口で、Cは何も聞かなきゃよかった、と嘆き始めた。もしずっと後で、この病院選びの話を知ってて黙っていたことが本人にばれたら?

私はともかくセカンドオピニオンをすすめたが、世の中には医者に遠慮してセカンドオピニオンを嫌う人もいる。
C「だいたい、もしB病院に行って、やっぱり全摘だったら立ち直れないじゃないの!」
私「その時はその時。ダメでもともとなんだから試してみたら?」

だってオッパイは一度なくなったら生えてこないだろう?

私たちにとって情報は何にも勝る力なんである。

…ところで、実はこの話の続きはよくわからない。
Cにさんざん訴えたのだが、その後、Cは電話してこないので、おそらくそのまま黙っていたのではないだろうかと推測している。

私と同じ境遇の女性の乳が冷淡に削り取られたのだと思うと、やりきれない気分だ。

もし私だったら、落ち込んでいようが入院していようが、ともかく新しい情報があるのなら、ためらわず教えて欲しいと思う。

お願いだ。たとえ手術の5分前でも情報は欲しい。

情報によって、私に選択する自由が得られるからだ。

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