乳がんで私も考えた

2011年9月に乳がん告知。抗がん剤FEC→TC治療中。がんになって変わった世界観を語る。

抗がん剤治療の前日

2011-10-23 11:04:47 | 抗がん剤治療2回目~
抗がん剤投与3回めは当初の予定では金曜だったが、仕事の都合があり明日に延期してもらった。今日は最後の快調な一日を過ごすことにする。

普通の一日だが、私にとっては貴重な一日。

まずは食べる楽しみを満喫するために、早朝10km走った。
消費カロリーにして800kcalだ。

一日に必要な摂取カロリーは1800kcalぐらいだから、走った分のカロリーを上乗せして2600kcal。
明日からは抗がん剤の副作用で、ほとんど食べられないだろうから、もう少々上乗せして3,000kcalが今日、摂取できるカロリーだ。

朝から昨日のカレーライスの残りを食べた。
レタスとトマトをつけたので800kcalぐらいか。走った後だったから非常に美味しかったが、思ったよりお腹がいっぱいになった。

もうすぐ昼だが、カレーライスがまだお腹にたまってる。
今日のお仕事は昼から。そういえば仕事場の近くで日本酒の試飲イベントが開催されているな…と頭に浮かぶが、まさか仕事場で酒の匂いをぷんぷんさせるのも憚られるしな…と自重することにした。

たぶんインスタントの焼きそばかカップラーメンを食べて行くことになると思う。

夜は何を食べようかなと頭を巡らすが、明日からダウンするってことは、今夜までにしておかなくちゃいけないことが山ほどある。
結局、また家でカレーライスかもしれない。

摂取カロリーはクリアできるかもしれんが、あれ?
貴重な一日ってこんなもんか?

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ホルモン剤を何年飲むか

2011-10-15 07:40:57 | 抗がん剤治療2回目~
抗がん剤投与 2クール 15日め。
ホルモン剤服用 6日め

私はまだホルモン剤の薬を飲み始めたばかりなので、意識していないと忘れそうになる。

今の傾向として、ホルモン剤は5年服用させるのが定番みたいだが、5年間、毎朝きちんと一錠ずつ飲むのは簡単なようで案外難しいことだ。

いや、朝食を毎朝きちんと取るって話なら割と自信あるけど。

ともかく患者として素朴に思うことがある。

乳がんの症状が人それぞれなら、再発率ってのも人それぞれ。ホルモン剤を飲む期間も人それぞれなのではないのか。

ノルバデックス(ホルモン剤)の注意すべき副作用は、肝機能異常、脂肪肝、高トリグリセライド血症、無月経、月経異常、膣内分泌物、卵巣嚢腫、卵巣嚢胞、陰部そう痒、悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、腹痛、頭痛、目眩、不眠、抑鬱状態、発疹、発刊、脱毛、皮膚血管炎、ほてり、体重増加、浮腫、骨痛、腫瘍部の疼痛発赤、倦怠感、頻尿、下肢けいれん。ふう。30もあった。

しかしもっと注意すべき副作用は、性器出血、無顆粒球症、白血球減少、好中球減少、貧血、血小板減少、視力異常、視覚障害、血栓塞栓症、静脈炎、肝障害、高カルシウム血症、子宮筋腫、子宮内膜ポリープ、子宮内膜増殖症、子宮内膜症、間質性肺炎、アナフィラキシー様症状、血管浮腫、皮膚粘膜眼症候群、水疱性類天疱瘡、膵炎。やれやれ。23もあった。

これらの副作用の羅列は患者が薬と一緒にもらう小冊子に掲載されている。
症状を読むだけで息苦しくなる。
息苦しくなると血栓塞栓症か静脈炎ではないかと疑う。息苦しくなって息切れがすると、今度は間質性肺炎かと悩む。悩んで食欲がなくなると今度は膵炎の疑いが待っている。

どんな症状を感じても全てホルモン剤の副作用かと思ってビクビクしてしまう。

ホルモン剤は決して簡単に飲んでいい薬ではないのだ。

本当に乳がん患者はホルモン剤を5年きっちりと飲む必要があるのか?

実はそういう疑問を、私が思いつくよりも早くTハンターは自分からしゃべっていたのを思い出した。

「単なる全体的なデータを元に、ながながとホルモン剤を飲ませ続ける医者もいますがね。私は違う。患者のそれぞれのデータに合わせる。」

Tハンターは治療の結果次第で、ホルモン剤を早めに切り上げる派だったのだ!

治療の結果が早く良好になれば、ノルバデックスとさよならできる日も早くなるだろう。5年の苦行と決まったわけではない。そう思うと少しは気が晴れてきた。

これから長く続くであろうホルモン剤治療だが、今のところ私がすべき事は、毎朝忘れず飲み続けていくってことだ。

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今日からホルモン剤治療

2011-10-09 10:36:19 | 抗がん剤治療2回目~
抗がん剤投与2クール 10日め

今日から女性ホルモンを抑える薬を飲むことになった。

タモキシフェンクエン酸塩(ノルバデックス)という抗エストロゲン剤だ。

乳がんのタイプもいろいろだが、女性ホルモンのエストロゲンをエサとして増殖するホルモン型が、乳がん患者の約6割で、私もそれにあたる。

ガンのエサをストップさせる薬が抗エストロゲン剤だ。

Tハンターは、抗がん剤の効果があることを確信して後、ホルモン剤で息もつかせず癌細胞を追い立て攻め込んでいくという、戦略的には最も効果的な策を出している。

が、現場の兵士を率いるのは私だ。

エストロゲンに対して、冷血に対応できるわけがない。
エストロゲンは女性を女性たらしめるホルモンなのだ。

恋をするとエストロゲンが増えるという。髪や肌にツヤを与え、女性を若く美しくするには、エストロゲンが大いに作用する。

その艶やかなエストロゲンを遮断していく作戦だ。

もうちょっと手加減して下さいよと言いたいが、多少の犠牲を払ってでも任務を遂行するという考え方が西洋医療の根本なんだから、そんな情は決して通じないだろう。

だが自分が女性である限り、できればエストロゲンを遮断したくない。

それは乳がんにかかった全ての女性の願いだと思う。

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白血球部隊の戦績

2011-10-08 15:42:28 | 抗がん剤治療2回目~
抗がん剤投与2クール 9日め

今日は採血の日。白血球の数を調べる日だ。結果如何によっては薬が増えるから、朝から前兆に注意してみる。

病院へ行く途中、黒い袈裟を着た坊さんが私の車の前を横切った。
この卦は吉か凶か?

病院へ着いて採血をする。
若手の美人看護士は私の腕に針を刺すと
「あっ!血が出てこない。やり直しです。ごめんなさい。」
と、結局二回も腕に針を刺される事に。
この卦は吉か、凶か?

長い待ち時間を経て、ようやくTハンターの診察。

「白血球の数、落ちてますね。」とTハンターはモニターを指して言った。

白血球の数は1500だった。
前回は2430だったから、随分落ちてしまった。

「なんで白血球の数、落ちるんですかね!」とイライラしながら私は声を荒げた。
「まあまあ、そこを攻撃してるんだから。血小板の数はほとんど変わってないから大丈夫ですよ。他の数値を見ても、あなたはいい方ですよ。」とTハンター。

さっそく感染症を防ぐ抗生物質の薬とイソジンが投入された。

どうやら前兆の卦は凶を示していたらしい。


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かつらデビュー

2011-10-05 20:05:13 | 抗がん剤治療2回目~
今日は仕事の都合上、外国人のお客様と会わねばならなかった。

いつもの帽子やバンダナで応対してもいいが、髪を全く見せないのは、なんとなく不審な感じで見られるかもしれない。日本人として、どんな風に言えばいいだろう。

ええ、今は日本女性の20人に一人は乳がんにかかってましてね、別段特別ってわけじゃないんでしょうけど、まあ、深刻といえば深刻っていうんでしょうかね。このとおり、髪もなくなっちゃって…。

…こんな説明を思い浮かべて、私は頭を振った。だめだ。海外からわざわざ日本に来たお客さまに、なんで乳がんの説明をせねばならんのだ。何の関係もないのに。

考えた挙げ句、レンタルしたカツラをいよいよデビューさせることにした。

カツラは帽子と違って、決して外れてはならないという鉄のオキテがある。

風にさらされたり、柱に頭をぶつけて外れさせる失態を避けるためには、しっかり装着せねばならない。私は身体を締め付けるものは大嫌いなんだが、それ以上にカツラがズレたり、外れるような事態は嫌いだ。

私はお客さまの来るギリギリの時間にカツラをかぶった。

もし万が一外れたら、「ええ、今は日本女性の20人に一人は乳がんにかかってましてね…。」と、一瞬の動揺も見せずに説明しようと心に決めて、お客さまを出迎えた。

私を見つめるお客さまの目と目と目。

お客さまは誰も私に「…それ、カツラですか?」と聞かなかった。カツラはズレることも、外れることもなかった。

無事にお客さまは帰り、私は着心地の良い帽子に戻った。

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ジョギングで免疫力をつける

2011-10-04 21:06:22 | 抗がん剤治療2回目~
抗がん剤2クール 5日め

抗がん剤は三週間が1クール。最初の週は吐き気や倦怠感があるものの、持ちこたえさえすれば、そんなに深刻な状況じゃない。

要注意なのは8~16日にあたる2週目だ。

この週は白血球の数が下がる。どうなるかというと、感染症にかかりやすくなる。風邪やちょっとした炎症にもなりやすいし、治りにくくなる。

正常値は3500~9000。ところが人によっては1000以下になる場合がある。
私は前回2430で比較的落ちなかったが、今回どうなるかはわからない。

もし1000以下に落ちてしまった場合、たちまち白血球の数を増やす薬の登場だ。せっかくダイエットして抗がん剤の量を減らそうとしてるのに、白血球増加の薬なんか飲んでたんじゃ、治療費節約なんか夢のまた夢。

そこで少しは私も考えた。

白血球の数を増やす方法として最も効果的なのは有酸素運動だ。ウォーキング&ジョギングならすぐにでも始められる。

というわけで、今朝は自宅周辺の田舎道を走った。

帽子を目深にかぶって、ゆっくりと走った。

キンモクセイの香りがした。

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抗がん剤は体表面積で決まる

2011-10-03 20:35:22 | 抗がん剤治療2回目~
抗がん剤治療2クール3日め

昨日の夕飯は、結局もずくしか食べられなかった。たまたま夕食はお寿司だったんだが、いくらじっと見つめても、ごはんの固まりが喉を通るような気がしなかった。

そんな調子だから、治療初日から三週間たって5kg痩せた。

もともと太りすぎだったので、ダイエットになってよかった。だが、スタイルだけじゃなくて、実際的な効果もある。

抗がん剤の分量は体表面積で決められる。

すなわち身長と体重を方程式に入れて計算するので、身長の高い人、体重の重い人は当然抗がん剤の分量も多くなる。

身長はどうにもならないが、体重を減らすことによって抗がん剤の分量を減らすことはできる。

つまり抗がん剤治療費を安くあげることに繋がるってわけだ。

がんの治療費はばか高いし、いつ終わるともしれない。
体重を減らし、治療費を安くする。

がんに対する、ささやかな私の抵抗だ。

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抗がん剤投与直後の食事

2011-10-02 11:18:04 | 抗がん剤治療2回目~
食事のことを書いておこう。

前回、抗がん剤投与直後の食事は苦しかった。
食べた後に吐き気が襲ってきたからだ。それで何も食べないでいると胃酸過多になってやっぱり気分が悪かった。

2クール目になるので、少しは私も考えた。

前回は普通の人みたいに食べようとしたからだ。

理想的な食べ方は、口の中にいれる分量をいつもの半分にして、唾液と一体化するまで口内で咀嚼した後に少しずつ飲み込む。

こうすると30分ほど食べ続けることができ、いつもの半分の量は確実に食べられる!

よく考えたら、以前は早食いで、ろくに咀嚼せずに後は胃に任せた!って感じでガンガン飲み込んでいたなぁ。今から考えると遠い夢みたいだ。

さて、何を食べるべきか。

人によってイロイロだと思うが、私は朝は2パターンある。
一つは味噌汁。そんだけ。ごはんなし。
味噌汁はその一品だけでパーフェクトな栄養価らしい。(よく知らないけど)

具は芋や玉葱などの根菜類から豆腐やわかめなど、その時の気分でバリエーションを作る。味噌は白味噌が柔らかい味なので良い。味噌汁は汁物なので、食べた後に大きな満足感がある。

もう一つは、果物入りヨーグルト。そんだけ。
大抵はバナナやリンゴにヨーグルト(砂糖なし)をかけて、一緒に咀嚼しながらじっくり食べる。案外甘みがあって美味しく感じるんである。

昼である。
まだやや暑いので素麺がベスト。柔らかくて細い素麺は最高に美味しい。もちろん食べ方は上記の通り、麺三本ぐらいを箸にとって、しょうがとネギをたっぷり入れた付け汁に漬けて食べる。ちょっと堅めに茹でると、時間をかけて食べ終わるまでふやけることはない。

夜は少し豪華になる。
ごはんと白菜のお漬け物、お友達からいただいた沖縄産もずく、それに味噌汁。もずくはポン酢とショウガとネギ。どちらかと言うと、甘い物より酸っぱい物の方が美味しく感じる。

こんな感じで二日を過ごせば、普通の和食に復帰できる!

以上、こんな粗食でも、状況が状況だけに案外美味しいもんだ。

それに普通の和食に復帰した後でも、一品ごとに咀嚼回数が増えたので、以前より味覚が敏感になって、味を楽しめるようになった気がする。

病の効用かな。

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抗がん剤投与の翌日

2011-10-01 17:21:20 | 抗がん剤治療2回目~
抗がん剤投与2クール目に入った。

脱毛のことはもう考えなくなった。

得度する時、剃髪してしまうと、まるで仏門の世界の人みたいになるが、不思議と私も世俗を一つ自分の身から落としたような気分。いや、まだ煩悩は多いに残ってるけど。

自分の服用している薬を書いておく。

○三週間に一度の点滴
三種の抗がん剤(エピルビシン、エンドキサン、5-FU)
KN1号輸液(抗がん剤を運ぶため)
デカドロン(吐き気止め)

○同時に飲み薬
イメンドカプセル(吐き気止め)
グラニトロンゼリー(吐き気止め)

○翌日から毎日服用する薬。
なし。

他の方のブログを見ると、毎日10種類ぐらい様々な薬を併用している。
私は今2クール目の二日目になるが、飲んでる薬はない。

実のところ、吐き気止めの飲み薬を2日分もらってるんだが、耐えられそうなので飲まないことにした。あまりにひどかったら飲むつもり。

こんな強気になっているのは、Tハンターが

「吐き気止めの薬は要る?この吐き気止め、高い割には効かない感じなんだよね。必要なら出すけど?」

と言うので、出さなくて言いと答えたんだが、化学療法室で薬剤師みたいな女性が抗がん剤投与後はいかがでしたか?と優しく聞いてくるので、つい
「二日ぐらい、吐き気はしました。」と答えたら薬をもらったのだった。

今回はできるだけ飲まずに過ごして、「薬飲んでないけど吐き気は大丈夫だった。」と答えることにして、次クールの薬代を浮かすつもり。

こういうのって、昔、オレンジジュースをもらいに献血に行ったことを思い出すなぁ。

医師によって、治療法への考え方や薬の出し方は様々だという事が、他の方のブログでよくわかった。

私自身は、必要な薬しか出さないというTハンターの考え方は、長年の経験からくる洗練さがあると思う。

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PET+抗がん剤治療2回目

2011-09-30 19:08:13 | 抗がん剤治療2回目~
今日は午前中にPET撮影を行った。
前回9/9に使った抗がん剤の効果を調べるためだ。

前回の撮影画像はこれ。

右上付近にある赤っぽいのが腫瘍だ。
色が赤いのは活発に増殖しているらしい。

そして今日の撮影画像はこれ。

腫瘍の色が変化した。数値も6.5から3.6へ。
明らかに腫瘍の活動は沈静化に向かっている。

「薬が効いたようですね。」とTハンター。
またニヤリと片側の口角が上がるかと思ったが、結構クールだった。この程度なら、自分の想定内と言わんばかり。

PETは陽電子ポジトロン断層撮影。放射性物質を身体に入れて撮影するから、いわゆる内部被爆になる。私はこのPETによって今月2回も被爆したわけだが、被爆した甲斐があったというものだろう。

Tハンターの作戦は効を奏し、腫瘍を押さえ込みつつある。

この作戦は継続され、今回も同じ三種抗がん剤点滴セットを使うことになった。

エピルビシン
エンドキサン
5-FU

希望があると励みになる。
2クール目に臨む私は、前回に比べると気分は上々だ。

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