私は「エリック・クラプトン」の「461オーシャン・ブルー・ヴァード(1974年)」のアルバムが大好きだ。
「エリック・クラプトン」1945年3月30日イングランド リプリーで生まれた、ロック・シンガー&ギタリスト。
すでに65歳になるロックギターのカリスマ。
「461オーシャン・ブルー・ヴァード(1974年)」をリリースする以前の経歴はあまりにもスゴイの一言。
ヤードバーズのギタリストから始まり、ブルースブレイカーズ、クリーム、そして若くしてロックギターの神様になってしまった。
その後デレク・アンド・ザ・ドミノスのバンドを結成して有名な「いとしのレイラ」で名盤まで創り上げてしまった。
しかし、この後彼は親友「ジミ・ヘンドリックス」「デュアン・オールマン」の死に接して、ヘロイン中毒になり3~4年もの間、活動を中止してしまう。
Eric Clapton - Motherless Children
オープニング曲「マザーレス・チルドレン」
Eric Clapton - "Give Me Strength"
Eric Clapton - "Give Me Strength"
「ギヴ・ミー・ストレングス」
そして待ちに待った復帰作がこのアルバムなのです。
タイトル名はマイアミのレコーディングスタジオの住所。
ジャケットには「クラプトン」他メンバーのリラックスした写真と温暖な気候のマイアミのスタジオ周辺の写真が載っていて、レコーディングがリラックスしながら、スムーズに行われた事を表している。
さて内容はというと、よれよれの「クラプトン」が、一言一言、言葉を噛みしめるように、力の抜けたリラックスした歌と演奏を繰り広げている。
Eric Clapton. I shot the sheriff
レゲエを世界に広めたボブ・マーリーのカバー
「アイ・ショット・ザ・シェリフ」
ボブ・マーレーのオリジナルで!
レゲエを世界に広めたボブ・マーリーのカバー
「アイ・ショット・ザ・シェリフ」
ボブ・マーレーのオリジナルで!
オープニングのマザーレス・チルドレンのタイトな演奏に気だるいクラプトンの「母のない子、母が亡くなるとつらい思いをする」と歌が加わり、一気にテンションが上がる。
そしてギヴ・ミー・ストレングスで「俺に力をくれよ、神様」とアコースティック&スライドギターをバックにゆったりと歌う。
私はもうこれで昇天してしまいます。
世界的にレゲエを広め大ヒットしたアイ・ショット・ザ・シェリフ(ボブ・マーリー作)のリズミカルな躍動感もたまらない。
アイ・キャント・ホールド・アウト(エルモア・ジェームス作)のブルースも独特のアレンジでルーズさもイカす。
レット・イット・グローでは「岐路に立ち、行く手を決めかねている。どの道を行けばよいのか…」と自分の現在の感情を発露する。
ステディ・ローリン・マン(ロバート・ジョンソン作)ではギターのアドリブも出しゃばらずに程よく、アレンジも最高にイカしたブルースを堪能出来る。
Let It Grow (live) 1974 Eric Clapton
「レット・イット・グロー」
ブランクからすんなりレコーディング出来る様に、プロデューサーのトム・ダウドが集めたベテラン、ミュージシャンのおかげで、 リラックスしているのに実にタイトな演奏が繰り広げられる。
精神状態が優れない当時の「クラプトン」の本音が見え隠れする好アルバムだ。
Steady rolling man
「ステディ・ローリン・マン」
I'm A Steady Rollin' Man [Remastered] ROBERT JOHNSON (1937) Delta Blues Guitar Legend
本家「ロバート・ジョンソン」の「ステディ・ローリン・マン」
このアルバム、発売当時、リラックスしすぎている、ハードさが足りない、ギターをあまり弾いていないなど否定派と、これは最高のレイドバック・アルバムだという肯定派の賛否両論があったが、 売り上げ事態は全米第1位となり「クラプトン」の復活を決定づけた。
「いとしのレイラ」のアルバムはリリース当時、聴きすぎて一時聴きたくなかった時期もあったが「461オーシャン・ブルー・ヴァード」は何回聴いても新鮮な気分にさせてくれる。
「いとしのレイラ」とは対局にある「461オーシャン・ブルー・ヴァード」は、じわじわと伝わってくる自分の弱さをさらけ出したクラプトンの最高のブルース・アルバムだ。 (このブルースとは形式のブルースではなく、彼の生き様という意味で使っています。)
私はジャケットを見る度にホッとした気分にさせてくれる、このよれよれ「クラプトン」のアルバムが大好きだ、最高にイカした隠れた名盤だと思う。