my music life

私の好きな音楽の話を綴ります。

「愛しのジャコ」

2009-03-24 | ジャズ


しばらくぶりに「ジャコ・パストリアス」のファーストアルバム(1975年)を聴いた。
 お~!これが34年前のアルバム?改めてすばらしさを満喫した次第です。 ベースが強調されすぎてちょっと疲れることもあったが全編「ジャコ」のやりたいことが詰まりに詰まっている。
ただ単にベースの革命児だけでなくすでに自分の音楽性をこの時点で確立しているのでタイプの違う曲が集まっても全て「ジャコ・パストリアス」ワールドとして成り立っているのが凄いね。
この頃からカリブ、アフリカ音楽を取り入れていたんだね。ワールドミュージックの先駆けだ。

 R&B出身だけあって卓越したリズム感とまるでギターの様にたたみ掛けるマシンガンフレーズも凄いが歌心があるからテクニカルなベースをリード楽器の様に縦横無尽に弾いても嫌みがない。どこかの「マーカス・○○○」のアルバムとは大違い。
ベースが暴れない曲もバックでタイトな味のあるベースを聴かせてくれるからついベースに耳がいってしまう。

ところでエレクトリックベースのフレットレスは「ジャコ」が最初だと思うがいい音色だよね。今は慣れてしまったが当時聴いた時は美しさに呆然としたことを思い出す。

「ドナ・リー」のベースソロ、普通こんな事考えないよね、ベースが歌っている。そういえば「チャーリー・パーカー」の原曲を聴きたくてレコード買いにいったことを思い出す。

 サム&デイヴがボーカルの「カム・オン、カム・オーバー」のベースや他の曲のベースの転がり方がどこかで聴いたような…?そう「タワー・オブ・パワー」の「ロッコ」のコロコロ転がるベースに似ている!奇遇だよね!検証していないが、もしかしたら「ジャコ」は「ロッコ」のベースが好きだったのかも!

 1980年代に奇行に走り酒&ドラッグ漬けになり(病気だったらしい。)1987年ナイトクラブでガードマンと喧嘩になり帰らぬ人となってしまった。
簡単に天才という言葉は使いたくないが彼こそは本当のジーニアスだったよね。今でも彼がいなくなったことは悔しく残念な思いだ。



 「ウエザー・リポート」時代の「Teen Town」



「ジョン・スコフィールド」との『The Chicken』最高ですね!



「ジャコ・パス」の『Donna Lee』さすがに無さそうなので元祖「チャーリー・パーカー」で。愛しの若き「マイルス」もペット吹いてます。

「ボズ・スキャッグスのローン・ミー・ア・ダイム」

2009-03-22 | ロック


「ボズ・スキャッグス」というと『1976年 シルク・ディグリーズ』の都会的なお洒落なアルバムで一躍トップミュージシャンになったけれど、彼の『1969年 ボズ・スキャッグス&デュアン・オールマン』は泥臭さの残るなかなかの好アルバムだ。
さすがに売れるアルバムかというと??だが通好みのアルバムではあるね。
R&Bミュージシャンがよく録音していた「マッスル・ショールズ・スタジオ」で録音したこのアルバムは当時ここのスタジオミュージシャンだった「デュアン・オールマン」がバックでギターを担当しているので日本版は二人の名前を配しているが、原題のアルバム名は「ボズ・スキャッグス」彼のソロアルバムです。
もうすでに彼の渋いシルキーボイスは完成されていてR&Bからブルース、カントリーっぽい曲など佳作が入った好アルバムです。
 
やはりここでは一番有名な「デュアン・オールマン」のギターが冴える「ローン・ミー・ア・ダイム」のブルース。原曲はブルースマン「フェントン・ロビンソン」の『サムバディ・ローン・ミー・ア・ダイム』。
 ふにゃふにゃなハイトーンで陽気に「誰かおれに10セント貸してくれ」と歌っている「フェントン」と違い、しっとりブルージーに歌っている。ギターも後半ギンギン!端正ながら心揺さぶる「デュアン・オールマン」のギターも最高でした。アメリカ人も日本人好みの浪花節調なこんな雰囲気の曲好きなのかな~?と思いつつも当時、部屋を暗くして良く聴いていた覚えがある。
なんとこの曲クレジットはボズになっていて「フェントン・ロビンソン」には印税が入らなかったらしいです。「フェントン・ロビンソン」は1997年になくなりましたが大好きなブルースマンでしたから残念です。
そういえば二人ともハイトーンの鼻にかかった歌い方が似ているよね、奇遇だね。

さすがに最近の「ボズ」は『 シルク・ディグリーズ』の頃の覇気はないですが何回か来日して私達を楽しませてくれていますね。去年はTOTOとのジョイントライブもあったそうです。
 近年結構アルバム出していたよね、私も『2001年 ディグ』のアルバム持っているが中々力作だよね。地味ながら私達を満足させてくれるアルバムを出し続けているボズ、最近はジャズボーカルアルバムを出したそうだが聴いてない。「ロッド・スチュワート」のスタンダードアルバムしかり年取るとロッカーもそちらに行っちゃうの?聴いてから判断だね。



「ボズ・スキャッグス」というとこの曲だよね『We're All Alone





ロッド・スチュワート『アトランティック・クロッシング』

2009-03-14 | ロック


『ジェフ・ベックグループ』のジェフとのバトルでハードロッカーしていた頃も大好きだけれど、ライブでヨロヨロのリズム隊とロックンロールを歌う『フェイセズ』の頃も微笑ましく好きだね。ソロアルバム『ガソリン・アレイ』もよく聴いた。
独特のしゃがれ声のハスキーボイスは好き嫌いがあるかも。

私の知り合いにギター職人(ギターを作っている)がいて飲んだ席で「『ジェフ・ベック』とまた一緒にグループ組めば最高だね!」と私が言うと彼は「ロッドって歌下手じゃん!」ガ~~~ン!!!そこで話は終わった。
そうかロッドの歌は下手だと思う人もいるんだとその時初めて認識した。確かにぶっきらぼうで下手に聞こえるかも。
でも私の見解は彼の歌い方はまるでソウル・R&Bシンガーの『サム・クック』によく似ている、というよりそっくりなのだ。
『サム・クック』の『ハーレム・スクエア・クラブ1963』を聴いた時唖然とした!まるでロッドなのだ!!そうかロッドのルーツはサム・クックだったんだとその時思った次第です。ロッドはきっと『サム・クック』をこよなく愛していたんだね。
(『サム・クック・ライブ・ハーレム・スクエア・クラブ1963』のアルバムは最高のライブアルバムです!)

最近スタンダードアルバムが大売れしているそうだが私は聴いていないからコメントできないが、やはり私の愛聴盤はイギリスから大西洋を渡ったとタイトルに示されているアメリカ録音の『アトランティック・クロッシング(1975年)』
我々の時代ならこれしかないね。ファーストサイドのテンポの良いロックンロール。スローサイドのロッカーバラード。無駄な曲が一つもない。ロッドがサッカーボールを持って海を渡るジャケットのイラストは今でも大好きだね。
これ以降もアルバム買ったけれど、こんなにロマンチックでロックンロールなアルバムないよね。
バックミュージシャンもマッスル・ショールズのスティーヴ・クロッパーやジェシ・エド・デイヴィス等を起用しプロデュースはトム・ダウドとくれば悪いわけない。私は『ロッド・スチュワート』の最高傑作だと思っている。



名曲だよね『sailing』


『T・ボーン・ウォーカー』「ボビー・ソックス・ベイビー」のヘヴィーギター

2009-03-07 | ブルース


私の友人が『T・ボーン・ウォーカー』「ボビー・ソックス・ベイビー」のイントロ、今ならハードロックギターだよね。と言ったことがある。 そうなんだよね!その時はっと気づいた!
今でもイントロのフレーズのベンドの部分、ギターでアンプに通して弾いてみれば、すごい迫力だよね!
当時リスナーは凄い衝撃を受けたのではないかな!

『T・ボーン・ウォーカー』というとジャズ的な4ビートを基本に甘い歌声とモダンなギターフレーズで泥臭いブルースとは無縁のブルースマン。
ブルースってこんなにおしゃれだったのと思う程洗練されている。
ジャズギタリストのチャーリー・クリスチャンとも一緒に仕事していたということはあまりにも有名だよね。

1929年あたりからプロ活動を開始し75年に他界するまで浮き沈みもあり晩年あまり他のブルースマンのように脚光を浴びなかったみたいだけれど「T・ボーン・シャッフル」「ストーミー・マンディ・ブルース」は日本のブルースバンドの必修科目だったよね(笑)!

 42年キャピトルの「ミーン・オールド・ワールド」で一大センセーショナルを巻き起こしたという。とくにギタリストに強烈な印象を与えたというから、「う~んなるほど」とガッテンしちゃったよね。
 当時こんな曲聴けばギタリストならだれでも興奮しちゃうはずだ!



「ミーン・オールド・ワールド」


モダン・ブルース・ギターの父といわれる『T・ボーン・ウォーカー』、彼は当時とすればとてつもなくハードロッカーだったのではないだろうか。

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そういえばウィーピング・ハープ・セノオこと妹尾隆一郎さんのアルバム「メッシン・アラウンド」1曲目「ボビー・ソックス・ブルース」の格好良いギター「塩次伸二」さんだったよね。
ヘヴィーで最高に格好いいよね!妹尾さんのボーカル&ハープも大好きだね!

妹尾さんといえば昔我々のバンドと共演したことがあった。打ち上げの席でもハープを吹きまくるしフレーズも多彩!引き出しの多さに唖然!!本当にブルースが好きなんだな~と呆れてしまった!(褒め言葉です。)

いまは凄い時代です。なんと『T・ボーン・ウォーカー』の映像があるのですね。参りました!!




なんと「ストーミーマンディ」の映像です。


「Tボーン・シャッフル」

リチャード・ボナ

2009-03-02 | ジャズ


最近のジャズはつまらなく聴かなくなって久しいが、その中でしばらくぶりにグッと来ました「リチャード・ボナ」。
 といってもすでに3年くらい前の話になるけれど2005年発表の『Tiki』のアルバムはジャズとワールドミュージックのフュージョン。
しばらくぶりのこれはマイ・ヒットでした。

 出身地がカメルーン。ジャズベーシストとして「ジョー・ザヴィヌル」と共演したり「パット・メセニー・グループ 」に参加してきたベーシスト。
 ベースの音を聴いてやはりと思ったが彼も「ジャコ・パストリアス」の影響からベーシストを志したとのこと。フレーズもよく似ている。

アフリカ、インド、ブラジル、レゲエ音楽からジャズ、ポップスまで取り込んで見事に「ボナ」ワールドを築いている。
 彼の生まれた現地語で歌っているのでエキゾチックな感じがしてしまうが(彼は歌も歌います。)こんなにワールドワイドでポップなミュージック聴いたことがない。1曲1曲が新鮮で次々に出てくる音の桃源郷!しばらくぶりの「目から鱗」でした。
ジャコパスの様にベースバリバリのアルバムではなく曲をトータルにアレンジしている。
こんなアルバム造っちゃうと後どうなっちゃうのと思うのは私だけかな!もうこれ以上のアルバム出せないよね~と思ってしまう程!
 ベース奏者としても超一流、ソロアーティストとしてもアルバムは作詞作曲から始まり全てパーフェクトといって良い出来!この才能はどこから生まれてきたのだろう?「天は二物以上を与えた」すばらしいアーティスト「リチャード・ボナ」。次のアルバムが楽しみだ!

調べたら去年ライブアルバムが出ているんだ、彼のベースプレイ気になるさっそく聴いてみたいな~!