my music life

私の好きな音楽の話を綴ります。

R&Bギターのジーニアス「コーネル・デュプリー」

2010-05-29 | R&B


私のフェイバリット・ギタリストのひとり「コーネル・デュプリー」といえば、1942年テキサス生まれの黒人ギタリスト。もう68歳にもなるんですね。

60年代からR&B系のスタジオ・ミュージシャンとして活躍。 キング・カーティス、アレサ・フランクリンなどのバックを努め、フュージョン・ブームの1970年代後半、スーパー・セッション・バンド「スタッフ」の一員となり広く知れわったったギタリストです。

 スタッフは、ニューヨークで活躍していた強者ミュージシャン、エリック・ゲイル(g) ゴードン・エドワース゛(b) リチャード・ティー(key) スティーヴ・ガッド(ds) クリストファー・パーカー(ds)にコーネル・デュプリーを加えた6人編制だった。

ジャズ・ソウル・ゴスペル・ブルースなどをミックスした、おしゃれなフュージョン・サウンドを奏でてくれた大好きなグループです。

 そこでのコーネル・デュプリーのプレイはファンキーの一言!
フェンダー・テレキャスターから放たれる歪まないペンペンな音は、これぞR&Bギターの極致。
音数は少なく、たった一音だけでもソウルを感じさせる彼の音はワン・アンド・オンリーだね。だれも真似できない。
バックでバッキングしたりおかず入れたりするときの彼の音はもう鳥肌物です。アドリブになればもう昇天物(笑)。
 スーパー・バンドの中でも一目置かれる存在だった。

Stuff - Steve Gadd-Richard Tee--Groovin' 1976


● 「スタッフ」この時はまだクリストファー・パーカー(ds)が
いなかったのかツインドラムスではありません。
真ん中の御仁が「コーネル・ デュプリー」
向かって右端が「エリック・ゲイル(g) 」です。


もう一人のギタリスト、エリック・ゲイルも大好きなミュージシャンです。
彼も昔からセッションミュージシャンをしていて、コーネルより太めの落ち着いたフィーリングの音で二人の息はバッチリだった。
二人とも同じタイプのギタリストだったがエリック・ゲイルはどちらかというとジャズよりだった。そんなエリック・ゲイルは1994年に亡くなってしまった。享年55歳。
ファンキーでロマンティックなキーボーディストのリチャード・ティーも49歳という若さで1993年に亡くなってしまったんだね。素晴らしい才能が相次いで消えてしまった、残念でならない。

当時はニューヨークのオシャレなフュージョン・バンドと言われて大活躍していたスタッフだったけれど、今の耳で聴くと彼らはR&Bバンドだったんだよね。
 今聴いてもスタッフの音楽が新鮮なのは、黒人音楽をルーツとしていたからだ。

(Great) Stuff - Signed, Sealed, Delivered (1988)


●「スタッフ」の曲ですが、メンバー構成はガット・ギャングのようです。


スタッフ解散後はスタッフよりもっとR&Bよりのスティーヴ・ガットのバンド、ザ・ガット・ギャングでも活躍していたね。 このバンドも大好きだった。

Gadd Gang - Way Back home (with drumSolo)


●「ザ・ガット・ギャング」

1987年のライブ・アンダー・ザ・スカイ富山公演でマイルス・デイヴィス達のステージはイコライジングされた迫力ある音でステージを繰り広げていたが、ガット・ギャングのステージになると飾りを取り払った生の音で勝負してきたときには参ってしまった。
最初は迫力無いな~~!と思っていたが、途中からはノリノリ!彼らの職人気質には脱帽した覚えがある。

 私の大好きな「コーネル・デュプリー」のアルバムといえば、スタッフの結成のきっかけとなった、1974年にリリースされた彼の初リーダー作「ティージン」。

Cornell Dupree Teasin'


●「Teasin'」のアルバムから主題曲。最高にファンキーです!

これは彼の魅力満載のファンキーなR&B、アーバン(都会的な)・ブルース・サウンドが聴ける。これを聴けば、もうR&B、アーバン・ブルースの虜に(笑)。私のフェイバリット・アルバムでもあります。
なぜアルバムタイトルが「Teasin'」(からかう)なのか?

Cornell Dupree - Blue Nocturne


●Teasin'」のアルバムから「Blue Nocturne」。
アーバン・ブルースの極致ですね。

 私はギターは歌心だと思っている。ヘビメタも好きだが、ただギンギンなデストーション・サウンドで早弾きをやっても全然魅力を感じない。
 エドワード・ヴァン・ヘイレンの音にはニュアンスに富んだ歌心があるから魅力的なのだ。
 どんなジャンルでもいいなと思うギタリストには歌心がある。
 Mr.R&B「コーネル・デュプリー」。最高に歌心を持ったファンキーなギタリストだ。

規格外のブルース・マン「バディ・ガイ」

2010-05-12 | ブルース


「バディ・ガイ」1936年7月30日アメリカ合衆国ルイジアナ州に生まれたブルース・ギタリスト&シンガー。

最初の出会いは、いつ放映したのか覚えていないが1970年頃か?NHKテレビで「スーパー・ショウ」という番組(収録は1969年)を観た時。

 「ローランド・カーク」「バディ・マイルス」「スティーヴン・スティルス」「ジャック・ブルース」「レッド・ツェッペリン」「エリック・クラプトン」と当時、垂涎の的のミュージシャンが集まったショウだった。

写真だけで動いている映像はほとんど観られない時代だったから、もう最高に興奮した覚えがあるが、その中でメチャクチャ格好いい、エモーショナルで定番の演奏から外れた、もう昇天しそうな「バディ・ガイ」を観た(笑)

(この番組で一番ビックリしたのは、「レッド・ツェッペリン」の「幻惑されて」のジミー・ペイジのバイオリンの弓を使ったギター演奏!これには仰天でした。)

Buddy Guy 1967


彼は1960年~64年チェス・レコードからシングルを何枚かリリースしているが、このチェス録音はモダン・シカゴブルースの1つの頂点といえる。
この時代の彼は自分の才能を思う存分発揮して、輝いていた。

Buddy Guy - Call It Stormy Monday (1968)


Buddy Guy


その後1965年「Hoo Doo Man Blues」でハープ&ボーカルの「ジュニア・ウェルズ」のセッションに参加する。
水を得た魚のようにバックでサポートする彼と「ジュニア・ウェルズ」とのコンビは最高だった。

JUNIOR WELLS W/ BUDDY GUY - VIETCONG BLUES - 1966


◆「ジュニア・ウェルズ」ハープ&ボーカル。「バディ・ガイ」ギター

その後もデュオで数々のアルバムをリリースしたりライブでも活躍していた。
 ブルース・ピアニスト&シンガー「メンフィス・スリム」とのセッション・アルバム「サウスサイド・リユニオン(1970年)」でも最高にご機嫌なサポートをしていたね。
涙が出るほど格好良いのだ。大好きなアルバムですね。

初期の頃のモダン・ブルースも大好きだったが、 彼の場合他のミュージシャンのサポートにも巧さを感じる。
相手を上手に引き出して自分も主張してしまう、これも才能だね(笑)。

確かに「ジュニア・ウェルズ」の懐の深さ、巧さには及ばないかもしれない、歌も薄っぺらいかもしれない。ギターも時にアバウト、リズムもずれる。
しかし彼のソウルフルなパワーは並外れている。 レコードではそんなに爆発はしないが、ライブになるともうお構いなしに爆発してしまう(笑)!
ちょっと行き過ぎじゃないのと思うくらい逝ってしまう時がある(笑)、へんてこりんフレーズも連発してしまう時がある(笑)。
そこが格好イイのですが(笑)。

buddy guy - 1970 - festival express - hoochie coochie man


◆ギンギンのブルース・ギターを弾く「バディ・ガイ」

 現在でもへんてこりんフレーズは健在で、ライブではギンギンにデストーションをかけたロック・ギターでブルースしているし、アルバムではロック・テイスト溢れるブルース・ギターを弾いている、もちろん歌もエモーショナルだ。

 そんな最近の彼を友人達は無関心である!
「バディ」聴くかいと言っても聴きたくないと言う(笑)。
 自分が赴くままのソウルフルで定番外なギター演奏は時として保守的なリスナーは犬猿してしまうらしい。
 形式を重んじるブルース・ファンからは軽視されているみたいだね。
ブルースは爆発だ!と思うヤツしか彼の良さは分からないらしい。

ロックらしくてもいいじゃないか、ノーマル音のペンペンギターがブルース・ギターだなんて誰が決めたんだい? ヘビーメタル級の爆音ギターはボーカルとリンクして彼の叫びを感じる。
これこそ現在のブルース進行形ではないだろうか。