
ここで気分を変えて,実際にT1強調画像や,T2強調画像が,どのような目的に使われるかを紹介しましょう.
上に示す画像は,私の研究室で開発したコンパクトMRI(手専用MRI)で,H君が,撮ってくれた私の左手の画像です.左の画像が,T1強調画像,右の画像がT2強調画像です.
T1強調画像は,主に,解剖学的構造,すなわち,どのような組織がどのような形状をしているかを,比較的高い分解能で示す画像です.GRASSという方法で撮られたものですので,スピンエコーによるT1強調画像とは少し異なりますが,コントラストは,ほぼ同じと考えても結構です.
T2強調画像は,主に,病変部を描出する画像で,病変が起こった部分が,高い輝度で現れます.このため,臨床診断にはきわめて有用な画像です.なお,この画像では,皮下脂肪や骨髄などの脂肪組織は,「脂肪抑制」という手法で抑制されています.
上の画像は,私の左中手骨に,bone erosion(骨糜爛)があることを示しています.これは,永年の装置作りによるものだと思います.
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