だんだん理屈っぽくなってきましたが,MR画像の見方を理解するためには,もう少し我慢してお付き合い下さい.
前回の解説では,MR画像(スピンエコー画像)の画像コントラスト(濃淡)は,5個のパラメタで決定されると書きました.
5個もパラメタがあると,大変複雑なように思えますが,実は,意外と簡単なのです.
実際には,5個というよりも,ρ,TR/T1,TE/T2の三つの値で画像のコントラストは決まります.すなわち,TRとT1の比,TEとT2の比を考えればいいのです.これを式で書くと,画素の強度(明るさ)Iは,
I=kρ(1-exp(-TR/T1))exp(-TE/T2)
とあらわされます(kは定数です).
そして,上の表に示すように,TR/T1が(1より)大きいか小さいか,TE/T2が(1より)大きいか小さいかの4個の組み合わせの場合で,撮像が行われ,それぞれの場合が,昨日お話した,T1強調画像,T2強調画像,プロトン密度強調画像となるのです.
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