上に示すのは,Fig.3の信号から二次元フーリエ変換によって再構成された画像です.画素数は,64×64です.
画素強度は,低い方から,空白,・,*,A,B,C,D,Eと,8段階で示してあります.この印刷には,当時,ミニコンピュータの標準的入出力装置のテレタイプを用いて,約7分かかったと書いてあります.このように,画像をコンピュータから出力するだけでも,非常に大変でした.
当時のミニコンの標準入出力装置は,テレタイプであることを述べましたが,私が,大学4年生で,高エネルギー物理の実験室に卒業研究に入ったとき,その研究室は,DECのミニコンの文字の出力装置として,CRTディスプレイを購入したばかりでした.もちろん,キャラクタディスプレイです.グレースケールの画像ディスプレイなど,高嶺の花でした.
なお,2本の試験管に対応して,図の中に円形の書き込みがありますが,これは,S先輩が,論文に書き込んだものを,コピーしたことによるものです.私は,入社してすぐに,この論文を読むように渡されました.この論文が発表されてから6年しか経っていない1981年のことでした.
さて,Lauterburの論文には,スライスの方法が書いてありませんでしたが,この論文には,スライスの方法として,y方向(キャピラリの軸方向)に,二次の勾配磁場を使う方法や,薄いRFコイルを使う方法などが提案されています.選択励起法によるスライス選択は,Garrowayらによって,同年に発表されています.
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