MRIのすべて(all about MRI)

磁気共鳴イメージング(MRI)に関するさまざまな経験や知識を提供しつつ今後の展望を切り開きたい.

MRIの歴史的論文(8)

2006-03-27 22:51:49 | Weblog

上に示すのは,Fig.3の信号から二次元フーリエ変換によって再構成された画像です.画素数は,64×64です.

画素強度は,低い方から,空白,・,*,A,B,C,D,Eと,8段階で示してあります.この印刷には,当時,ミニコンピュータの標準的入出力装置のテレタイプを用いて,約7分かかったと書いてあります.このように,画像をコンピュータから出力するだけでも,非常に大変でした.

当時のミニコンの標準入出力装置は,テレタイプであることを述べましたが,私が,大学4年生で,高エネルギー物理の実験室に卒業研究に入ったとき,その研究室は,DECのミニコンの文字の出力装置として,CRTディスプレイを購入したばかりでした.もちろん,キャラクタディスプレイです.グレースケールの画像ディスプレイなど,高嶺の花でした.

なお,2本の試験管に対応して,図の中に円形の書き込みがありますが,これは,S先輩が,論文に書き込んだものを,コピーしたことによるものです.私は,入社してすぐに,この論文を読むように渡されました.この論文が発表されてから6年しか経っていない1981年のことでした.

さて,Lauterburの論文には,スライスの方法が書いてありませんでしたが,この論文には,スライスの方法として,y方向(キャピラリの軸方向)に,二次の勾配磁場を使う方法や,薄いRFコイルを使う方法などが提案されています.選択励起法によるスライス選択は,Garrowayらによって,同年に発表されています.

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