前回の超伝導磁石に蓄えられているエネルギーは,
U=0.5×30(ヘンリー)×30(A)×30(A)=13,500ジュール
となります.
1カロリーは約4.2ジュールですから,このエネルギーは,熱量に換算すると,約3キロカロリーとなります.
これは,50gの20℃の水を,80℃まで沸かすエネルギーです.すなわち,デミタスコーヒーを沸かすには,ちょうど良い程度のエネルギーです.
この程度のエネルギーが,「磁場のエネルギー」として蓄えられています.すなわち,目には見えませんが,磁場にはエネルギーが蓄えられているのです.
(もし,何らかの原因で,この磁場のエネルギーが熱として開放されると,超伝導コイルが浸してある液体ヘリウムは,一気に蒸発します.これをクエンチと言っています.)
上に示す写真は,フェライト磁石の回りの磁場を鉄粉で可視化したもので,今日の話とは関係ありませんが,磁場を直感的に理解するのにはいいでしょう.
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