「曜日ごとに色が決まっている」というのは楽しい文化だ。月曜日に生まれた国王に敬意を表して国民が黄色を着る「イエローマンデー」に遭遇した。人を同方向に動かす力がこんな形で存在する。
ラオスのビエンチャンから「友好橋」を渡ってタイのノンカイという国境の町へ入り、そこから夜行列車でバンコクの中央駅に到着した朝、混雑する通勤客に不思議な光景をみた。みんなが黄色を着ているのだ。多くは黄色のポロシャツ。ジャケットやTシャツが黄色の人もいる。
近くに黄色い制服の大企業があるのかと思ったが、考えてみると今日は月曜日だった。「イエローマンデー」だ。
駅のフードコートでスープヌードルの朝食を食べて一息ついているうちに、駅の構内中に合唱入りの厳粛な音楽が鳴り響き始めた。軍隊か警察官らしき一団が、正面に掲げてある国王の肖像画の前に直立不動で並ぶ。
広い構内にいた人々が、皆一斉に立ち上がり、同じように肖像画に向かった。
「朝8時と午後6時の習慣です。国王に敬意を表するんですよ」と駅で、外国人旅行者にガイドサービスをしている男性が言う。
胸には王室の紋章。
「王様、長生きして」の刺繍入
ラオスで、社会主義国家を実感するのはどんな時かと聞いたところ、「国家行事などの日に、伝統衣装を着るよう求められること」と答えた在住女性がいた。
強いられずとも、統一行動に動くタイのような社会もある。あるいは、社会習慣がひとつの強迫観念を生み出しているのだろうか。タイの旅行社で働く日本人男性が「月曜日に黄色を着ないと、非国民のように思われる」とぼそっと言った。
そういえばカンボジアでも、曜日の色で服の色を変える文化があった。楽しい。私の色は?と考えたら、自分の生まれた曜日など知らないことに気づいた。
ラオスのビエンチャンから「友好橋」を渡ってタイのノンカイという国境の町へ入り、そこから夜行列車でバンコクの中央駅に到着した朝、混雑する通勤客に不思議な光景をみた。みんなが黄色を着ているのだ。多くは黄色のポロシャツ。ジャケットやTシャツが黄色の人もいる。
近くに黄色い制服の大企業があるのかと思ったが、考えてみると今日は月曜日だった。「イエローマンデー」だ。
駅のフードコートでスープヌードルの朝食を食べて一息ついているうちに、駅の構内中に合唱入りの厳粛な音楽が鳴り響き始めた。軍隊か警察官らしき一団が、正面に掲げてある国王の肖像画の前に直立不動で並ぶ。
広い構内にいた人々が、皆一斉に立ち上がり、同じように肖像画に向かった。
「朝8時と午後6時の習慣です。国王に敬意を表するんですよ」と駅で、外国人旅行者にガイドサービスをしている男性が言う。
胸には王室の紋章。
「王様、長生きして」の刺繍入
ラオスで、社会主義国家を実感するのはどんな時かと聞いたところ、「国家行事などの日に、伝統衣装を着るよう求められること」と答えた在住女性がいた。
強いられずとも、統一行動に動くタイのような社会もある。あるいは、社会習慣がひとつの強迫観念を生み出しているのだろうか。タイの旅行社で働く日本人男性が「月曜日に黄色を着ないと、非国民のように思われる」とぼそっと言った。
そういえばカンボジアでも、曜日の色で服の色を変える文化があった。楽しい。私の色は?と考えたら、自分の生まれた曜日など知らないことに気づいた。