Acca Larentia

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※執筆者が中二病(不治)であることを踏まえて閲覧下さい。
苦情は一切受け付けません!!

窓の話。

2019-08-11 23:43:49 | 日記
最近、手軽なインスタばっかりでいかん…!w
久しぶりに、ちょっとこっちで書いてみようかと。
忘れたくないことがあったので。

窓の話です。

夜に、カーテンの隙間から明かりが漏れる窓を見ていると、何とも言えない、胸が締め付けられるような思いがするのです。
洋室ではなく、和室の明かりが漏れる窓。

小学生の頃は夏休みや冬休みに、従兄弟と祖母が住む家に数日間滞在するのが常でした。
母親あるいは祖母に連れられ、札幌のデパートを見物したりしてから、バスに乗って祖母の家に向かうのです。
バスが到着する頃には、辺りはすっかり暗くなっていることがほとんどでした。
道路には、和室が面していました。
これから過ごす日々にわくわくしながら、その和室の窓を眺めて、家へと向かうのです。

この家には他にもたくさんの窓がありました。
居間にあった窓からは大好きな海が見えました。
窓の側にはソファーがありました。
そのソファーから海を眺めて皆で談笑したり。
台所にはカーテンのない大きな窓がありました。
畑に囲まれた田舎では車が通ることは稀で、ほとんどの間はその窓から暗闇を見つめ、皆で黙って歯磨きをしました。
1日が終わり、帰る日が近付いてくることを寂しく思っていたのかもしれません。
その後は寂しさを忘れるように、従兄弟の2段ベッドの上段あるいは下段に潜り込み、従兄弟達と楽しく話をしながら眠るのです。
滞在中は従兄弟と一緒に祖母の畑仕事を手伝ったり、叔母の食事の準備を手伝ったり、皆で海に遊びに行ったりと、楽しい時間を過ごしました。
窓以外にもたくさんの思い出があるのですが、記憶に残っているのは何故か窓なのです。
バスを降りて最初に目にする和室の窓が印象的だったのでしょう。

そんなたくさんの思い出が詰まった家ですが、事情があって取り壊してしまい、今はもうありません。
従兄弟達ともすっかり疎遠になってしまいました。
恐らくそれからでしょう、似た窓を見るたび、あれらの窓が永遠に失われてしまったことを思い、切ない気持ちになるのです。

しかし、今でもこれらの窓は私の心の中に生き続けています。
似た窓を見ては、あの窓を探し続けているのかもしれません。

第三者から見れば、些細な思い出でしょう。
ですが、何故か手放すことができない。
これからも、そうやってあらゆるものを抱え、生きてゆくのでしょう。

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