前期の授業もあと僅か。
今期は授業情報を余り書いていないので、補足的に。
文学史のレポート課題は
ある事象についての歴史を、この授業で学んだ方法で記述して下さい。
材料は江戸時代文学に限る必要はありません。分量は上限も下限も設けません。論証方法に注意を払うこと。相談随時。
〆切:16日(月)17時
提出場所:人文A棟3階エレベーター前ポスト
です。
*8/12・13両日は人文棟に入れませんので注意してください。
どういう事かというと……。
“文学史”といっても、所謂受験対策でない限り、年代記的羅列で済むものではありません。
Aと言う作品(或いは“思潮”、“傾向”)のあとにBと言う作品が生まれてくる事に対して、蓋然性の高い“理由”を証拠として持ってくることで、“物語”に仕立てて、初めて“歴史”になるわけです。
この授業では、江戸時代の“小説”的な文芸について“職業作家”のモノになっていく過程を話しました。
前には同じ課題について、怪異の描き方を軸に話したこともあります。
要は、恐ろしく大量に生産された作品の中から何を選び、社会のどういう部分と繋げたら誰もが納得できる物語に出来るか、と言うことが、歴史家の腕の見せ所なわけです。
恣意的な選択、思いこみの理由付けでは誰も信用しません。
どれだけ多くの作品に触れ、どれだけ広い目配りをし、その上で、それらの断片を関連づける力が問われます。
私の授業が良い例になったか悪い例になったかは、受講生達の評価を待ちますが、敢えて手前味噌で言うなら、こういう切り口でこの話をしているのは私だけでしょう。
文学史の授業を担当する面白さは、そういう新しい“構築”をするところにあります。
勿論、授業で紹介する作品や人物は、どれも日本文学を学ぶ学生として知っていて欲しい物ばかりですが、この授業で身につけて欲しいのは、そういう個別の知識ではなく、歴史語りの作法そのものなのです。
そういうわけで、最終レポートの課題も、必ずしも近世文学に限定しないのです。
自分の身近な事柄、研究したい課題について、“歴史”をどう構築するか、考えてみてください、ということです。
実は、これを書いている今、土曜日の8時頃なんですが、NHK-FMを聴いています。
ピーター・バラカンの“ウィークエンド・サンシャイン”。
今日の特集はバンジョーという楽器で、専門家2人をゲストに曲を聴きながら、バンジョーがどこから来てどこにいくか、と言う話。有名なジョン万次郎が愛唱したという「おお!スザンナ」の話からアフリカ起源の楽器がアメリカに定着し、ブルー・グラスというジャンルがどうやって形成されたか、あるいはアジアにどう展開したか、と言うような恐ろしく広い視野で(いま、戦前の歌謡曲の話)音楽史を語っています。
昨夜アイセルで聴いた鈴木大治さんの講演は、「20世紀少年」のTレックスを入口にして、主にアメリカとイギリスの映画がロックとどのように出会ったか、と言う話でした。
どちらの話も、広い知識と情報整理能力がなければ出来ないことです。
そして、どちらも面白い。
ちょっと難しいかなぁ。
もし、ピンと来ない人は、例えば『望遠鏡が宇宙を変えた』のように、
と言う命題をまず作ってみてください。
『眼の誕生』のコピーは5億4300年前、生命最初の眼が全てを変えた。ですね。
印刷が、飛行機が、ウォークマンが、腕時計が、インターネットが、ツイッターが、I-padが、wiiが……。
何でもありです。
楽しんでください。
今期は授業情報を余り書いていないので、補足的に。
文学史のレポート課題は
ある事象についての歴史を、この授業で学んだ方法で記述して下さい。
材料は江戸時代文学に限る必要はありません。分量は上限も下限も設けません。論証方法に注意を払うこと。相談随時。
〆切:16日(月)17時
提出場所:人文A棟3階エレベーター前ポスト
です。
*8/12・13両日は人文棟に入れませんので注意してください。
どういう事かというと……。
“文学史”といっても、所謂受験対策でない限り、年代記的羅列で済むものではありません。
Aと言う作品(或いは“思潮”、“傾向”)のあとにBと言う作品が生まれてくる事に対して、蓋然性の高い“理由”を証拠として持ってくることで、“物語”に仕立てて、初めて“歴史”になるわけです。
この授業では、江戸時代の“小説”的な文芸について“職業作家”のモノになっていく過程を話しました。
前には同じ課題について、怪異の描き方を軸に話したこともあります。
要は、恐ろしく大量に生産された作品の中から何を選び、社会のどういう部分と繋げたら誰もが納得できる物語に出来るか、と言うことが、歴史家の腕の見せ所なわけです。
恣意的な選択、思いこみの理由付けでは誰も信用しません。
どれだけ多くの作品に触れ、どれだけ広い目配りをし、その上で、それらの断片を関連づける力が問われます。
私の授業が良い例になったか悪い例になったかは、受講生達の評価を待ちますが、敢えて手前味噌で言うなら、こういう切り口でこの話をしているのは私だけでしょう。
文学史の授業を担当する面白さは、そういう新しい“構築”をするところにあります。
勿論、授業で紹介する作品や人物は、どれも日本文学を学ぶ学生として知っていて欲しい物ばかりですが、この授業で身につけて欲しいのは、そういう個別の知識ではなく、歴史語りの作法そのものなのです。
そういうわけで、最終レポートの課題も、必ずしも近世文学に限定しないのです。
自分の身近な事柄、研究したい課題について、“歴史”をどう構築するか、考えてみてください、ということです。
実は、これを書いている今、土曜日の8時頃なんですが、NHK-FMを聴いています。
ピーター・バラカンの“ウィークエンド・サンシャイン”。
今日の特集はバンジョーという楽器で、専門家2人をゲストに曲を聴きながら、バンジョーがどこから来てどこにいくか、と言う話。有名なジョン万次郎が愛唱したという「おお!スザンナ」の話からアフリカ起源の楽器がアメリカに定着し、ブルー・グラスというジャンルがどうやって形成されたか、あるいはアジアにどう展開したか、と言うような恐ろしく広い視野で(いま、戦前の歌謡曲の話)音楽史を語っています。
昨夜アイセルで聴いた鈴木大治さんの講演は、「20世紀少年」のTレックスを入口にして、主にアメリカとイギリスの映画がロックとどのように出会ったか、と言う話でした。
どちらの話も、広い知識と情報整理能力がなければ出来ないことです。
そして、どちらも面白い。
ちょっと難しいかなぁ。
もし、ピンと来ない人は、例えば『望遠鏡が宇宙を変えた』のように、
□□が、△△を変えた!
と言う命題をまず作ってみてください。
『眼の誕生』のコピーは5億4300年前、生命最初の眼が全てを変えた。ですね。
印刷が、飛行機が、ウォークマンが、腕時計が、インターネットが、ツイッターが、I-padが、wiiが……。
何でもありです。
楽しんでください。
遅くなって申し訳ない。
ここまで「キーワード」が絞り込まれているなら、それで検索してみて下さい。
「オススメ」ということの意味がちょっと解らないのですが、“資料評価”こそがレポートの独自性を発揮できる場所です。
ヒットしたモノで“入手可能”なのものは出来るだけ目を通し、“使える”かどうか自分で判断しましょう。
レポートに関する質問があります。
江戸時代の貸本や噂話、怪談等の流布・流通と、交通網(五街道)の発達についてレポートを作ろうかと思っています。
これらの事に関する参考文献でオススメなどは何かないでしょうか?
図書館に入っていないものでも、入手可能なものなら構いません。
御助力、宜しくお願い致します。
受講生達に気楽に書き込んで頂くために、許可制にはしないでおきますが(トラックバックは許可制です)、多くなってきたら考えます。