マシュー・ボーンの白鳥の湖を見に行ってきました。
ザ・スワン/ザ・ストレンジャーは、トリプルキャストだったのですが、
ABTのマルセロ・ゴメスの回に当り、期待大で臨みました。
本当に素晴らしかった!!
楽しくておもしろくて、そしてつらくて悲しくて、最後は涙ぐんでしまいました。
王子の気持ちの動きがすごく伝わってきたし、ザ・スワンはかっこよくて気高いけど優しくて、
安心感と包容力を感じ、そこにすごくぐっときました。
それにどの場面でも2人の心情が胸に迫ってきました。
マシュー・ボーン版白鳥の湖は、ザ・スワン/ザ・ストレンジャーをアダム・クーパーが演じた映像を見て、
あまりのかっこよさと度肝を抜かれる演出に衝撃を受けたのですが、ようやく生で見る事ができました。
アダム・クーパーのザ・スワンとザ・ストレンジャーはスタイリッシュで、特にザ・ストレンジャーは
冴えた冷たさで、危険な男という印象があります。
マルセロ・ゴメスのザ・ストレンジャーはもうちょっと親しみやすい感じですが、
それはそれで、どうして自分には拒絶の態度を取るのに、他の人たちに優しげに接するのか、
王子はすごく混乱するとも思うのです。
演じる人によって雰囲気は変わりますが、どちらの白鳥もストレンジャーもとてもいいです。
クリストファー・マーニーの王子もすごく良かったです!
すっと心に入ってくる感じで、彼の気持ちを一緒に体験したような時間でした。
一瞬出てきた式典の記念らしき男性の全裸彫像(生の人間が彫像役)に、
「今の何!?あれ必要なの?」ってなったり、謎の儀式が多すぎて微妙な気分になったり、
ガールフレンドができてうれしかったり、うとましくなったり、
ザ・スワンとの出会いに、どん底に落ちていた気分が、全てが喜びに輝いて見える気分に変えられたり、
ザ・ストレンジャーの登場で嫉妬心をかき立てられ、混乱と悲しさと憎しみを感じたり。
他の出演者の皆さんも素晴らしく、また舞台のあちこちで、あるいはこっそり隅の辺りで、
色んな人間模様が起こっているので、なんで一度に2、3箇所をはっきりと見る事ができないんだ!
くぅう。。。もったいない!とはがみしました。
そして、男たちの白鳥の力強さとかっこよさ!
肩甲骨から腕にかけては、羽の動きにしか見えないし、
静かに動き出す時のシューズが床をこする音が、
白鳥が小さく鳴く声にも聞こえてきます。
とにかく本当にかっこいい!しびれる!
カーテンコールでは写真撮影が可能でしたが、たくさん拍手を送りたいし、
この瞬間を写真に残すことも捨てがたいし、でもやっぱり拍手で感謝を伝えることが大事!
というわけで写真はあまり撮れませんでした。
劇場はロビーや通路もゆったりしていて居心地よかったです。
ガラス張りなので開放感もありますし、新しいからきれいですしね!
3階席だったのですが、狭いし見にくいという書き込みを見かけていたので
ちょっと心配だったのですが、特に見にくさは感じませんでした。
一番前だったからかもしれませんが、手すりはぎりぎり舞台の際にかかるかかからないか
という感じでした。
幕が降りてしまうのはとても残念で悲しくて、いつまでも見ていたいと思う白鳥の湖でした。
素晴らしい忘れがたい夜をありがとうございました