Ali'i Drive Breeze

The Big Island
ハワイ島で体験した思い出を写真とともに綴る旅日記

偶然見つけた黒砂海岸<Kiholo Bay>

2009年06月08日 | 北コナ地区




その日は、楽しみにしていたマウナケア・ビーチを訪れたものの、
風が強すぎて、巻き上げられた砂がビシビシと体に当たるので、早々に退散。
止むを得ず19号線を南下し、ビーチ69を目指したものの、
今度は直前で、砂の竜巻が道を横断していくのを目の当たりにして、
「これは無理ッ!」と車を降りることなく、そのまま通過。

再び19号線を南下してやって来たのが、
キホロ湾を望むシーニック・ポイント(Scenic Point)。



この場所は、何度立ち寄っても飽きないほどの見晴らしの良さ!
車を降り、暫し眺めに見惚れながらも、この日の予定を考え直すことに。

できれば海に入って、シュノーケリングを楽しみたいというのが私たちの希望。
『やっぱり、カハルウ・ビーチかな~?』
そんなことを考えながら、キホロ湾を見下ろしていると、
妻がポソリと言いました。
 「あれって、何の船?」
妻の視線の先を辿ると、ヨットのような船が一艘、湾の南に浮かんでいます。
じっと目を凝らすと、それはボディグローブかフェアウィンドの船のように見えます。
「ああ、あの船ね。 もしかしたら、
 キホロ湾でシュノーケリング・クルーズ中なのかもしれないね・・・」
と、妻に答えた次の瞬間、

  『  』

まるで啓示のような閃きが!!
『きっと、あの辺りが、いいシュノーケル・ポイントに違いない!』
『もしかすると、この近くに海まで下りられる道があるのでは?』
『道さえ見つけられれば・・・』

それは、確信に近い直感でした。
「予定変更!カハルウ・ビーチはやめて、あそこのビーチへ行こう!」
「ええっ???」

突然の決定に戸惑う妻を急き立てるようにして車に乗り込むと、
右側に湾へと続きそうな道がないかと探しながら、19号線を走り出しました。

とはいえ、ハイウェイなのでゆっくりと走るわけにはいきません。
それなりにスピードを出しながら、
「・・・だから、きっと行ける道があるはず。」
妻にぼくの直感を説明するもどかしさを感じつつハンドルを握っていると、
一瞬それらしき道が・・・。
『あっ!』
しかし、急停車するわけにはいきません。
しばらく走り続けながら徐々にスピードを落とし、一旦路肩に停車。
高鳴る鼓動を抑え、
「今、あったよね?」と妻に確かめます。
「えっ?」
しかし、妻は右の助手席に座っているにも関わらず気づかなかった様子。
「気づかなかったの?たしかに見えたんだけどなぁ。」

止む終えず後続車をやり過ごし、対向車が来ないうちに素早くUターン。
今度は、左側を注意しながら走っていると・・・、
確かにありました!車が入って行けそうな道が!
「ほらネェ!!やっぱりあったよ!」
勝ち誇ったように勢い込むぼく。
しかし、対照的に妻はいたって冷静。
「ほらネェ!!って、言われても。ワタシさっきから何も言ってませんけど。」
「あれ?そうだっけ?」
生憎、対向車が連なって来ていたので左折できません。
仕方なく、先ほどのシーニック・ポイントまで一旦戻り、そこでUターン。
三度目の正直で、ようやく未舗装の細い道へ。


一応、パブリック・ショアライン(Public Shoreline)のサインも立っていたので、
この道で間違いない・・・はず。
ですが、車がすれ違うにはギリギリの道幅。
そして、恐らくはレンタカーの保険が利かない道。(いや、確実に保険は利きませんね。)
もしもの場合は大変です。
それでも、
木々や草むらが左右に広がる未舗装の坂道を、慎重に下って行きます。

雰囲気的には、まるで私有地に入っていくような感じです。
「ほんとに、この道で大丈夫なの?」
助手席の妻も、さすがに不安気。
言われてみれば、地図で確かめることすらしなかったぼく。
『たしかに、思いつきで乗り入れる道じゃないよな~。』と内心では思いつつも、
妻には、こう言います。
「大丈夫!とりあえず、行けるところまで行ってみよう。
 もし、間違って私有地に入ったら、ゴメンナサイって引き返そう。」

しかし、そう言った直後、右手にあらわれた道はゲートらしき柵で塞がれ、
その先への進入を拒んでいます。
「とりあえず、このまま真っ直ぐ行くしかないね。」
さっきまでのテンションが嘘のように下がっていくのを感じます。
尚も進むと、
今度は道の前方が進入禁止に。
「あれれ?」
「ねぇ、引き返したほうがいいんじゃない?」妻の口調が強くなってきました。
「引き返すにしても、車の向きを変えないことには・・・。」
この道で間違いないと思っていた自信も少しずつ薄れてきました。
幸い、まだ道は左へと続いています。
『なんとか車の向きを変えられる場所だけでも、見つけないと。』
なかば弱気になりながらも進みます。

すると、
右手にSUV車が1台停まっているのを発見!
「おっ!」
しかも、砂利が敷き詰められたそこには、車数台分のスペースがあります。
「きっと、ここだよ。」
やはり、勘は当たっていたようです。
「ほら、間違いないよ。すぐそこが海だよ。」
そう言いながら車を降り、逸る気持ちを抑えながら海のほうへと歩き出しました。
すると・・・

 

      

                 
                                         (↑Google Eearh 掲載用に選ばれました。)
なんと、目の前に広がっていたのは静かな黒砂海岸。
まったく何もない自然のままの黒砂ビーチです。

人影もほとんどありません。
唯一、父母娘の一家族が寛いでいるだけ。

マウナケア・ビーチやビーチ69あたりで強く吹いていた風も、ここでは穏やかです。
干潮の時間帯のようですが、
3メートルくらい沖に出れば、シュノーケリングも楽しめそうです。
それにしても、まさかこんなビーチに辿り着くとは。



ハプナなどとは違って、まだ洗練されていない、荒削りなビーチといった雰囲気。
でも、そのほうがハワイ島らしい気がして、ぼくは嬉しくなってしまいました。
横にいる妻も、まさかこんな景色が待ち受けていたとはまったく思わなかったようで、
「すごいね。」と、驚きの声を上げています。

展望台で見つけたクルーズ船は、沖合いを移動していました。



午前中は、この砂浜で過ごすことに決め、
ゴザをひろげ、荷物を降ろすことに。
先日訪れたホオケナ・ビーチ・パークはサラサラの砂でしたが、ここは粗い感じです。
太陽を遮るものが何もないので、水分補給と日焼けには要注意かも知れません

                        

一息ついたところで、
シュノーケル・ギアを着け、海に入ることに。
波打ち際は足元を取られ、まごついてしまいましたが、
すぐに海は深くなり、眼下にはサンゴ礁がひろがっていました。
カラフルな熱帯魚は見当たりませんでしたが、小さい魚が彼方此方にいます。
そして、ホオケナ同様、ここにもウニがたくさんいました。
妻が何か言いたそうでしたが、無視して泳ぎ続けました。

シュノーケリングを楽しんだ後、砂浜で休んでいると、
女性がひとりで、やって来ました。
彼女は、ぼくたちから少し離れた場所に折り畳み式のビーチ・チェアを置くと、
水着姿のままで波打ち際を散歩しはじめました。
ときおり海に浸かったりしながら砂浜の端まで行って戻ってくると、
持ってきたビーチチェアに腰を下ろし、
いつもそうしているかのように、のんびりと雑誌を読みはじめました。
確かに、ひとりでのんびりと過ごすには、持って来いのビーチです。
(それにしても、ひとけの少ないビーチに、たったひとりでやって来るアメリカ人女性をよく見かけます。)
 



しばらく休んだ後、ぼくがもう一度シュノーケリングをしている間、
妻は近くの岩場を散策。
このとき、どこからともなく歩いてやって来た女性が、英語で妻に話しかけてきたそうです。
でも、何を言われているのかちっとも分からなかった妻は、
ハッキリ言ったそうです。
「アイ・キャント・スピーク・イングリッシュ!!」と。
すると、その女性は“Oh, sorry.”の言葉を残して、どこへともなく去って行ったそうです。
いったい、何と話しかけられたのかは未だに謎です。

それにしても、突然の閃きだけを頼りに、
この砂浜へやって来られたのはラッキーでした。
天気も良くて、静かにのんびりと過ごすことが出来ました。

後日、地図で確かめたところ、このビーチの外れには、ある秘密の場所があったのです。
次回ハワイ島を訪れたときは、その場所へ行ってみようと思っています。

Aloha a nui loa !     



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