Ali'i Drive Breeze

The Big Island
ハワイ島で体験した思い出を写真とともに綴る旅日記

シー・ビレッジ 夕暮れのジャクジーにて

2009年12月10日 | カイルア・コナ地区

ポロル渓谷を歩いて下った日の夕刻のこと。

「今日は、プールからサンセットでも見ようか?」
プラスチックのコップに注いだカクテルを片手に、
妻とふたりでコンドミニアムのプールサイドへ。

    

まもなく日没。

    

すでに西の空をオレンジ色に染めて、太陽が水平線へと近づいている。
プールの中では3人の子供たちが遊んでいた。
プールサイドに並べられたデッキチェアーには、
一組の夫婦が寝そべっていて、
ジャクジーには女性がふたり入っていた。

ぼくたちはパラソルの下のテーブル席が空いていたので、
そこに腰をおろした。
この時、妻はパレオを身に着けて人前に出るのが初めて。
言うなれば、パレオデビュー。
さっきまで部屋の中で何度も巻き直し、
結んでは解き、解いては結んでを繰り返していたが、
なんとかドレスのように着付けることが出来た。
嬉しいような恥ずかしいような、やや複雑な表情の妻と、カクテルで乾杯。

    

程なく太陽が太平洋の沖に沈み始めた。

  

                         

カクテルを飲みながら、
水平線の向こうへゆっくりゆっくりと沈みゆく太陽を見つめていると、
それだけで心穏やかな気分になってゆくようだ。

 プールサイドにいたほかの人たちも、
                         皆みつめている。


そして、太陽が完全に沈みきった瞬間、一様に「Ah~!」とため息をついていた。


日没後、他の人たちはそれぞれに部屋へと引き上げていったが、
妻とぼくのふたりだけは、テーブル席に座ったまま。
やがて、薄暗くなったプールサイドに灯りが点った。

せっかくなので、ぼくはジャクジーに浸かることにした。
足を入れると、「・・・おっ!?」
少し冷えた体にはちょうど良い温度。
灯りの下で再び本を読み始めた妻に、
「一緒に入らない?気持ちいいよ。」とすすめたが、
入るつもりはないらしい。
せっかく着られたパレオを、まだ脱ぎたくないのが理由のようだ。
ボコボコと泡立つジャクジーに、ぼくはひとり体を沈めた。
泊まっている部屋にはシャワーしかないなので、
肩まで浸かれるこのジャクジーは有難い限りだ。

ちょっとした露天風呂気分で浸かっていると、
アメリカ人の老夫婦がやって来た。
ご主人は、ぼくを見ると、何故か敬礼であいさつ。
ぼくもつられて敬礼で応えた。
「あそこにいるのは、君の奥さんかい?」と、ご主人が訊ねるので、
「そうです。」と答えると、
「あなたも、こっちにおいで。」と、ご主人が妻に呼びかけた。
しかし、英語の分からない妻は、あえて気づかないふりをしている。
普段夫のぼくに対しては尊大な態度を取る妻だが、実は人見知りが激しい。
ぼくは恐縮しながら、「彼女は英語が分からないので。」と断りをいれた。

奥さんは少し足が悪いようで、
ご主人の手を借りながらゆっくりとジャクジーに浸かった。
結局、ご主人は近くの椅子に腰をおろし、
奥さんとぼくがジャクジーの中で会話することに。

「ここに来て、どれ位経つの?」と、奥さん。
「今日で3日目です。あと4日間います。」
「そう。ここは、どうやって知ったの?」
「インターネットで探して、見つけたんですよ。」

とても穏やかな雰囲気のご夫婦は、ここシー・ビレッジで暮らしているという。
ご主人は元海兵隊で、昔沖縄にいたことがあるとのこと。
(だから、敬礼で挨拶だったのか、と納得。)
3年前、奥さんが足を患ったのを期に、養生を兼ねてアメリカ本土からハワイ島へやって来たらしい。
日没後、このジャクジーに浸かりに来るのが日課なんだそうだ。
「以前はひとりで歩くことも出来なかったのに、
 この島に来てから、随分と足が動くようになったのよ。
 特別に何かをしているわけじゃないのに。」

「そうなんですか?」
「ええ。わたしのほかにも、この島に来てから元気になったという人がいるわ。」
「じゃ、ほんとうに癒しの島なんですね、ハワイ島は。」
「ええ、そうよ。」
「あ、そういえば、私の妻はアレルギー体質で、
 
季節に関係なくよくクシャミをするけど、
 この島に来ている間は、うそのように全然平気です。」
「そうでしょ。そういう島なのよ、ここは。」
そう言ってニッコリと微笑む奥さんの顔は、明るく若々しく見えました。

もっと色々話したかったのですが、いつまでも妻を放っておく訳にも行かず、
「お話できて、嬉しかったです。」と、奥さんに言ってジャクジーから上がると、
ご主人へは敬礼をして、妻のもとへ。

「いや~、色々と話せて良かったよ。」
すると妻は、
「あの~、私お腹空いてるんですけど?」
「あっ!!」
これは、急いで部屋に戻らなくては・・・。
ぼくはバスタオルで体を拭くのもそこそこに、部屋へと引き上げることにしました。「・・・

Mahalo!



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