10月になると定例的に行う行事がある。それをキッチリと忘れていた。通例なら10月の中旬頃の実施だ。何をもったいぶって、とお叱りを受けそうだが、率直に表現すると籾殻の獲得である。ご存じだろうと思うが、稲刈りの脱穀で籾殻付きの籾となる。これを籾すり場に持ち込んで籾殻を分離するのが「籾すり」という作業だ。通常は工房に依頼し玄米として貰う事が多い。
籾すりで発生するのがいわゆる「籾殻」だ。工房にとっては産業廃棄物だが、我々には宝物、貴重な農業用資材なのだ。工房にとっては廃棄物の減量、我々にとっては宝の入手、ウィン・ウィンの良好な関係となる。毎年1回ほどの訪問だが、イソイソと籾すり場へ通うのが定例なのだ。
それなのにキッチリ忘れてしまうとは。既に月末、間に合うだろうかとドキドキしながら籾すり場へ。そこにはてんこ盛りの籾殻の山があった。人の気配も無い。既に作業自体はヤマ場を超した模様だ。
遠慮無く頂戴することに。例の如くイスに座り込んでのんびりとビニール袋に詰め込んでいく。耕地面積の加減で計6袋頂戴することに。1時間ほどを費やし、遅れ気味で農園へと出動した。農園では既に百姓候補生氏と草刈名人氏が作業中であった。冬野菜の種蒔き中のようだ。ビニール袋を発見した百姓候補生氏が食いついた。未だ籾殻が残っていたのだね、俺も貰いに走ろうかと。
それにしても暑い。感覚的にはまだ夏場の印象だ。少し体を動かすだけで汗ビッショリとなってくる。朝方の冷え込みでベストを着込んでいるが、とんでもない暑さだ。汗に悩まされていると、1時間半ほどの経過で百姓候補生氏が戻ってきた。彼は計4袋頂戴したそうな。土壌改良材や寒冷防止用として重宝するとか、間に合って良かったようだ。