goo blog サービス終了のお知らせ 

ブログは自分のために書きなさい

私の仕事観、仕事術、書評などを中心に自分の軸を確認するためにブログを書いています。

しまった! 「失敗の心理」を科学する

2010-03-17 | まずまずの本
しまった! 「失敗の心理」を科学する
ジョゼフ・T・ハリナン
講談社

このアイテムの詳細を見る


気になったところをメモ。

できれば別の本で認知心理学と意思決定に関するフレームを学べる本を読んでおくのがよいと思う。

なぜなら、この本に書いてある通り、人は意味を記憶できるが、詳細を記憶するのは苦手だからだ。

(めも)

人間は、誤りを犯しそうなときは、むしろ「行動を起こさない」という誤りを犯すほうを選ぶ。
他人の不作為に巻き込まれないように注意する

人はマルチタクスに不向き

実はコンピューターもマルチタスクはできない。一秒間に数千回の速さでタスク間を行き来し、全てが同時に起きているように錯覚させているだけだ。

作業から作業へスイッチすることで、最初の作業は忘れてしまう。新しい問題を検討して十五秒以内には、古い問題は忘れられる。

一般的に男は自分を持ち上げるために、女は他人を持ち上げるために嘘をつくことが多い。

男は早くも六歳にして、人に道を尋ねるを渋りだす。

逃げられない状況に陥った人のほうが受け入れることを学び、やがて「生きていてよかった」と人生の幸福感を強めていく。

社会的地位や学歴、収入は、全体の幸福度におけるわずか3%しか占めていない。

静かなる改革者―「しなやか」に「したたか」に組織を変える人々

2009-11-10 | まずまずの本
静かなる改革者―「しなやか」に「したたか」に組織を変える人々
デブラ・E・メイヤーソン
ダイヤモンド社

このアイテムの詳細を見る


この技が身についていないとなかなか世の中渡るのは大変だと思います。

そういう意味では秘策というよりも基本中の基本ではないかと。

ポテト・スープが大好きな猫

2009-10-18 | まずまずの本
ポテト・スープが大好きな猫
T. ファリッシュ
講談社

このアイテムの詳細を見る


近くの図書館に子供とよく行きます。

大抵、アンパンマンの絵本と紙芝居を借りてかえるのですが、お薦めの絵本としてこの本が飾られていました。

で、どうかいうと、これは大人向けの絵本なので、子供が読むこともないし、読み聞かせましたが、あまりいい反応はなかったというのが正直なところです。

なぜ、この本がお薦めなのか?

本の帯の翻訳者が村上春樹というクレジットがないとしたどうなのか。

あっ、個人的には嫌いではないです。この手のニュアンスは。

出口のない海

2009-10-08 | まずまずの本
出口のない海 (講談社文庫)
横山 秀夫
講談社

このアイテムの詳細を見る


終戦のローレライの折笠は特殊潜行艇の乗組員という設定でしたので、その続きで手に取ってみました。

人間魚雷「回天」。

私に響いた主人公、並木の言葉は以下の2点でした。


①並木が回天に搭乗する意味として、このような人間兵器が存在したという事実を後生に記録として残し、二度と同じような悲劇が繰り返えされないようにしてほしいとの願いを持っているというくだりと

②というのは建前で、人間というものは夢をみないと生きていけないこと、そして、死するということを夢にすることはできない、自分は弱い存在であることをカミングアウトする場面でした。

やはりどんなときでも生を求め、そして夢見ることを忘れないことが大切なんですよね。

社員をサーフィンに行かせよう

2009-10-06 | まずまずの本
社員をサーフィンに行かせよう―パタゴニア創業者の経営論
イヴォン シュイナード
東洋経済新報社

このアイテムの詳細を見る


えーいわずと知れたパタゴニアの創業者が書いた経営書です。

いまやどこもかしこもエコブームですので、書いてある内容に驚きはありません。

が、この考えを遥か昔から実践しているところに頭がさがります。

パタゴニアといえば、今月のナショナルジオグラフィックに付いてきた巨大アカシアの木の写真がありますが、そのスポンサーがパタゴニアでしたね。

この本の中で私に響いたのは、本文よりも日本語版への序文にありました。

【引用】

最後に、私達のビジネスで最も重要な使命について触れておきたい。それは「私たちの地球を守る」ことだ。私たちの会社では、このことをなによりも優先している。売上高より、利益よりもだ。本の数年前まで地球温暖化について誰もみみを貸そうとしなかったが、いまでは多くの人や企業が耳を傾け始めた。しかし、もう遅い。手遅れだ。だからこそ、温暖化の加速度を少しでも緩めるための努力を、いますぐしなければならない。

石油価格の上昇はフローバル経済を揺さぶる。いままでのように、ニュー時ランドの毛糸を香港でセーターに編み、アメリカで売ることは難しくなる。おそらく十年以内には、セーターのコストの中で輸送費が最大になるだろう。そうなると、グローバリズムは困難になる。ローカルエコノミーに戻るべきだ。求めるべきは、スローエコノミーであり、スロービジネスである。

【引用おわり】

この地産地消ともいえる考えかた。グローバリズムの震源地である米国の企業がこういう考え方をしている。まさにオルタナティブな存在になっている。この側面を私たちは忘れてはならないと思います。

海辺のカフカ

2009-06-16 | まずまずの本
海辺のカフカ (上) (新潮文庫)
村上 春樹
新潮社

このアイテムの詳細を見る


『1Q84』がベストセラーとなって、図書館の村上作品もまたぞろ借りにくくなってしまった。

で、『海辺のカフカ』を読む。

僕には難しかった。

理解するのがではなく、それを感じるのが。

それにしてもつい最近、本当に空からオタマジャクシやこ魚のようなものが降ってきたとか。


もしかして、ナカタさんが入り口の石を探しているのかもしれない。

偶然とは恐ろしい

イベント学のすすめ

2009-04-17 | まずまずの本
イベント学のすすめ

ぎょうせい

このアイテムの詳細を見る


自分が社会人になった20年前は日経が出している看板雑誌のひとつとして『日経イベント』があった。

当時は最新の情報を手に入れるには、イベント会場に足を運ぶしかなかったから、イベントとマーケティングの関係は非常に深かったと思う。随分勉強させてもらった。

インターネットが普及してからは、イベントは情報収集の場という意味は弱まって非日常体験を得る場となったため、単なる情報宣伝としての機能しか持たないイベントは縮小または廃止されるようになった。

このようにイベントの持つ意味合いの変化も含めて、学問として体系的に考えられるようには世の中なっていないようで、イベント学なるものができたのは10年前だそうで、しかも日本発ということである。

非日常体験へといざなうイベントを定量的に測定するというのはややもすると違和感を覚えるし、フレームワーク化するというのもどうかなともおもうが、巻頭論文として大阪万博に深く関わった堺屋太一氏がマクルーハンがメディア偏重姿勢で万博の入場予測を低めに見積もって大はずしした話やイベントというのは結果よければ全てよしという〆の言葉はまさにその通りで読み物としては面白いと思った。


クラウド化する世界

2009-04-15 | まずまずの本

クラウド化する世界
ニコラス・G・カー,Nicholas Carr
翔泳社

このアイテムの詳細を見る


とりあえず、読みかけだけど、メモがわり。

インフラ系のエネルギー技術開発とその産業の発展に関するアナロジーでいけば、インターネットも勃興期は過ぎて公共材としての正当なインフラとして整備される時期に来ているという話。

いまや誰も電気や水道・ガスそのもので競争するわけでなく、それを所与としている。もちろんエネルギーメジャー間の争いは依然として存在するはそれはあくまでメジャー間の競争でしかない。

インターネットの草の根的な商用化の時期はもう終わらせないといけない。たとえば、ISPが群雄割拠する状況などはなくならねばならない時期に来ているということだ。

インフラにとって大切なのは、中央集権型のシステムとそれに付随する料金メーター。このどちらも社会悪とみなされがちだが、必要悪であり、存在することで多くの人に恩恵をもたらすこともまた事実だろう。

卑近な例でいえば、携帯電話のiモードサービスがまさにこれにあたる。インターネット上のサービスは基本的に無料(広告モデル)であることが前提であるところに携帯でネットができるという見方を変えてまんまと中央集権型のネットワークと料金メーターを埋め込むことに成功したのである。

この本の中で興味深いのはエジソンとインサルの関係。技術を発明したエジソンとそれを利用してビジネスを開発したインサル。その目線の違いに注目せざるを得ない。企業経営ではこの両輪が機能しなくてはならないと改めて気づかせてくれた。

【追伸】

後の章は、商用ネットの歴史をなぞって書いているだけなので、自分としては既知の話で食傷気味に読んで終わりとなった。

ただ考えたのは、やはり今が大きな変化の時期なのだろうということである。

蒸気機関車から電気機関車にかわるのに100年かかった。

フォードが100周年で、今自動車はガスから電気(電池)にかわろうとしてる。

ネットもドックイヤーで10倍のスピードで進んできたと考えれば、まさに今が百年目にあたるのではないか。

あとはインフラとして大博打を誰が打つのかということなんだけれど。




ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない

2009-04-14 | まずまずの本
ブラック会社に勤めてるんだが、もう俺は限界かもしれない
黒井勇人
新潮社

このアイテムの詳細を見る



映画化されるというニュースでこの本を知りました。

10年前なら間違いなく、ネット直で読んでいただろうけど、最近はね。仕方がないですな。

スレッドを書籍化し、それを文学とするのにはやはり抵抗がありますが、これをよくできたドキュメントドラマと捉えれば、なかなかのエンターテイメント作品ではないでしょうか。


なんとなく、質的調査法に則ったできのいいフィールドワークだなと読みながら感じました。

これは全くの推測ですが、語り手と聞き手がいて、これは聞き手が語り手の内容を再構築して書き込んだのではないかと、なんかそんな風に感じるんですよね。

とりあえず。

下流社会

2009-03-19 | まずまずの本
下流社会 新たな階層集団の出現 (光文社新書)
三浦 展
光文社

このアイテムの詳細を見る



現在の格差社会現象を指摘したエポックメーキングなこの本もいま読み返してみると、下流という意味が誤解されて使われてきたことがわかる。

この本で指摘しているのは、

1.アンケート調査によれば、いわゆる団塊の世代といわれた層に小気味良く効いていたマスマーケティングが効かなくなりそうだということ

2.よって、企業はもっと小集団化した層に対する的確なターゲティングを行う必要があること

3.しかもその層はいままでのような上昇志向に欠ける傾向が見られるのでいわゆる釣り広告(ブーム創出)という手法が取りにくくなるということ

つまり市場構造が大きく変わりそうだから企業のマーケ担当者も心してかかりなさいということがメッセージとして書かれていたのだが、なぜか下流という言葉だけが独り歩きしてしまった。しかもその後、著者はその誤解の流れに明らかに悪乗りした形で二匹目のドジョウを狙ったものだから、完全に誤用が定着してしまった。

だからどうってことはないんですけどね

藤原先生の心に響く授業 キミが勉強する理由

2009-03-17 | まずまずの本
藤原先生の心に響く授業 キミが勉強する理由
藤原 和博
朝日新聞出版

このアイテムの詳細を見る



勉強と遊びが同じ目線にあることを子供たちに伝えるのは難しい。

その難しいことをやさしく説くべく藤原先生が書いた本です。

大切なことは、「集中力」「バランス感覚」そして「つなげる力」の3つだそうで、このコンセプトは非常に広範囲で使える考え方だと思いました。

今のご時勢を考えると、短期集中で物事にあたらねばなりません。その意味でまずは「集中する力」が問われます。

次に、これまた流れが速いので片方に偏るのは大変なリスクを負うことになります。その意味で「常にバランスよく物事すすめる力」が昔とは比べ物にならないくらい重要な能力になってきています。

そして、最後にそんな流れの速い世の中でイノベーションを起こそうと思ったら「オープンマインドを持ってその時々で最適なネットワークを作り出す力」が必要不可欠です。

ということで子供に読ませようと思った本でしたが、自分のほうがすっかり納得してしまったのであった。

社長の品格 (光文社文庫)

2008-09-24 | まずまずの本
社長の品格 (光文社文庫)

以前上司から読むことをすすめられてすっかり失念していたが、本屋でたまたま目にしたので買って読んでみた。

ちょうど、自分が入社した20年前の頃の話なので、当時はそういうこともあったのかなということで読み進めた。

もちろん、フィクションなのでどこまでいってもフィクションなのだが。

まあ、ちょっとした酒の肴にはなるのかな。

凡人として生きるということ (幻冬舎新書

2008-09-22 | まずまずの本
凡人として生きるということ (幻冬舎新書

さくさくぅーと読める本です。

これは押井さんのオヤジ礼賛本ですな。

みんな早くオヤジになったらよろしということです。

オヤジは狡猾です。本音と建前をしっかりと使いわける大人です。

正論ばかり振りかざしません。時に都合のいい嘘をつくのもへっちゃらです。

オヤジは自分なりの価値観をしっかりともっています。

だから外見(うわべ)だけの表層的な価値観に惑わされることがありません。

周りから見てかっこ悪くても、自分なりに守るものがあるのでへっちゃらです。

オヤジは自由です。自由というのがしっくりこないのであれば、自在です。

自由の反対は規制です。それはある枠の中でゲームをすることを意味します。

枠が決まるから自由という考えも出てくるのです。

であれば、自らの枠が何であるかを自覚して、他者と比較することなく、自己の枠の中で自由自在にゲームを楽しむ術を磨きなさい。

そうすれば、閉塞感漂う日常も色あせることなくビビッドなビジュアルとして見えてくるはず。

オヤジ達はずるいから、こういうことに気が付いていても若者には正面から教えません。特にいつまでも若いと思っている輩には。

残念なのは、この路線で最期まで通してくれたら面白かったのにー。

そこは心優しい押井氏。

途中から、なにもオヤジにならなくてもそれなりに生きていけるというフォローをこれでもかといわんばかりに入れてくるわけです。

なので、若い人が読むとミスリードしちゃうのではないかと心配になります。

自分の中で面白かったのは、たまたま、SDカードリーダーがおまけについていたので買った『DIME』の中で映画監督の北野氏と俳優の福山さんが同じようなことと別のインタビュー記事で話していたことです。

北野氏曰く、

「いまの時代は強制的に夢を持たせようとしたから、夢のないやつがそれを社会のせいにして、ナイフで刺しちゃったりするでしょう。でも、夢なんて持たなくてもいいだって言わなきゃいけないんだと思うよ。下町だったら、いいんだよ、お前バカなんだからで終わるから(笑い)。別に、人に誇れるものなんてなくていいだよね。ないやつだっているし、ない自由だってあると思うよ。」

福山氏曰く、

「30代半ばから40代にかけてというのは、夢と現実の狭間で葛藤することがすごく増えてくると思うんです。35年ローン組んじゃったから何も出来ないよとか、天井が決まって動けない。でも決まってしまったからこそ、コントロールできるともいえるわけで、そんなに悲観すべきではないと思うんですよ。決まった枠組みの中で、日々楽しく仕事をするための方法を見つけ出していければいいと思うんですけどね」

ということで、ようはマスコミなどで流れるデマゴギーに流されるのではなく、正面から自分の人生に向き合える大人=オヤジになったほうが楽に(自在)に生きていけると。


ナイチンゲールの沈黙

2008-09-16 | まずまずの本
ナイチンゲールの沈黙

この作品単独での評価というのは難しいと思います。

というか単品では、「?」となると思います。

でも、『チームバチスタの栄光』と『ジェネラルルージュの凱旋』のつなぎと考えれば、重要なピースと思えます。

最新作『ひかるの剣』は、主人公達の若かりし頃を活写した作品ですね。

この辺り、スターウォーズ的な進行といえます。作品だけでなく、商売も上手いですね。

龍は眠る

2008-09-16 | まずまずの本
龍は眠る

やはり10年以上の前の作品ですから、コミュニケーション手段が大きく違うわけです。

ミステリーの場合、複線の小道具としてどんな通信手段を使うかは重要ですから。

10年前だと平気でポケベル、公衆電話の世界です。

今ならもちろん、携帯とネットですよね。

その意味では、我々の生活はよりサイキック化しているといえるのかも。

ケータイを使えばいつでも繋がるし、他人が何を考えて行動しているかもSNSやブログで見聞きできるようになっているわけですから。

電脳化し、更に、己のゴーストがネットにアップロードされるようになれば、それはエスパー以上の存在であるとする説もあながち的外れではない比喩かと、本作品を読みながら思った次第です。

ネット世界では、どこでもドアも実現しちゃうんじゃないでしょうか。